アンジュの飼い主の元へ天界から旅立ってから約2日目の朝
ビボの額の傷の痛みも少しずつ落ち着き始めた頃
ビボの首輪が振動する。
どうやらこの首輪は人間に姿を認識して貰えるだけでなく、監視の意味もあるらしい。
(今日が潮時かもな…)
「猫ちゃん、おはよう♪もう、傷も治って来たね?」
「にゃーん」訳:『そうだな』
「アンジュ、おはよう」
今日もアンジュの飼い主はアンジュの写真に向かって朝の挨拶をする。
(返事が返って来る訳でもないのに、どうして写真に向かって毎日話しかけてるんだろう?)
不思議に思っていると、アンジュの飼い主は食卓で朝食を食べ始める。
ビボは食事が並ぶ机の下でアンジュから託された手紙を咥えてアンジュの飼い主の膝に乗った。
「わっ、どうしたの?…ん?」
ビボの口に咥えてある手紙に気付いたアンジュの飼い主はビボから手紙を奪い、中身を確認する。
するとアンジュの飼い主は突如涙を流し、家族にもその手紙を見せる。
「アンジュ…!そっか、良かった…!今、楽しいんだねアンジュ…」
写真の前にしがみつき、ひとしきり号泣した後アンジュの飼い主はビボに言った。
「ありがとう、猫ちゃん…ううん、ビボ」
『…!』
(何で俺様の名前を知ってんだ?)
ビボの疑問に応えるようにアンジュの飼い主は言った。
「手紙に書いてあったの。アンジュの首輪を壊したんだってね?悪い子だね?」
「に…にゃー…」訳:『申し訳ない』
「別に私は怒ってる訳じゃないよ。ビボのおかげでアンジュが今どういう気持ちなのか知ることも出来たし、でもアンジュには謝って欲しいな…あの子を傷付けたことは私も赦してはいない」
アンジュの飼い主はビボの頭を撫でながらビボに問いかける。
ビボは情けない声で応えるしかなかった。
『にゃー…』訳:『分かってる、そんなことじゃ傷は癒えないことも…赦されないことも…』
「時間はかかるかもしれないけど大丈夫、アンジュはとても優しい子だからきっと赦してくれるよ」
『にゃー…?』訳:『そうなのか…?』
「お返事用の手紙と一緒にまた入れておいたからこれはアンジュに渡してね?あと、ビボにも首輪をあげるね」
「ちょうどアンジュにと思って買ったんだけど、気に入らなかったらしくてね?丁度、余ってたの」
そう言ったアンジュの飼い主の母親はビボに首輪を付けた。
「よしっ!似合ってるじゃなーい!」
灰色のリボンの首輪を付けられたビボは戸惑いながらもお礼を述べる。
「に、にゃーん…」訳:『あ、ありがとな…』
「どういたしまして」
アンジュの飼い主はビボの顔を見やすいようにビボを抱き上げて言うと
長から付けられた監視の役割を果たしたビボの首輪が光り出す。
「お別れかな?…またね、ビボ。今度はアンジュと来てよね?」
『にゃー!』訳:『あぁ!』
首輪の光が強くなるとビボは天界に戻って来ていた。
庭園でお茶会を開いていたメス猫達は突如現れたビボに驚き悲鳴を上げながら走り去って行った。
ビボの額の傷の痛みも少しずつ落ち着き始めた頃
ビボの首輪が振動する。
どうやらこの首輪は人間に姿を認識して貰えるだけでなく、監視の意味もあるらしい。
(今日が潮時かもな…)
「猫ちゃん、おはよう♪もう、傷も治って来たね?」
「にゃーん」訳:『そうだな』
「アンジュ、おはよう」
今日もアンジュの飼い主はアンジュの写真に向かって朝の挨拶をする。
(返事が返って来る訳でもないのに、どうして写真に向かって毎日話しかけてるんだろう?)
不思議に思っていると、アンジュの飼い主は食卓で朝食を食べ始める。
ビボは食事が並ぶ机の下でアンジュから託された手紙を咥えてアンジュの飼い主の膝に乗った。
「わっ、どうしたの?…ん?」
ビボの口に咥えてある手紙に気付いたアンジュの飼い主はビボから手紙を奪い、中身を確認する。
するとアンジュの飼い主は突如涙を流し、家族にもその手紙を見せる。
「アンジュ…!そっか、良かった…!今、楽しいんだねアンジュ…」
写真の前にしがみつき、ひとしきり号泣した後アンジュの飼い主はビボに言った。
「ありがとう、猫ちゃん…ううん、ビボ」
『…!』
(何で俺様の名前を知ってんだ?)
ビボの疑問に応えるようにアンジュの飼い主は言った。
「手紙に書いてあったの。アンジュの首輪を壊したんだってね?悪い子だね?」
「に…にゃー…」訳:『申し訳ない』
「別に私は怒ってる訳じゃないよ。ビボのおかげでアンジュが今どういう気持ちなのか知ることも出来たし、でもアンジュには謝って欲しいな…あの子を傷付けたことは私も赦してはいない」
アンジュの飼い主はビボの頭を撫でながらビボに問いかける。
ビボは情けない声で応えるしかなかった。
『にゃー…』訳:『分かってる、そんなことじゃ傷は癒えないことも…赦されないことも…』
「時間はかかるかもしれないけど大丈夫、アンジュはとても優しい子だからきっと赦してくれるよ」
『にゃー…?』訳:『そうなのか…?』
「お返事用の手紙と一緒にまた入れておいたからこれはアンジュに渡してね?あと、ビボにも首輪をあげるね」
「ちょうどアンジュにと思って買ったんだけど、気に入らなかったらしくてね?丁度、余ってたの」
そう言ったアンジュの飼い主の母親はビボに首輪を付けた。
「よしっ!似合ってるじゃなーい!」
灰色のリボンの首輪を付けられたビボは戸惑いながらもお礼を述べる。
「に、にゃーん…」訳:『あ、ありがとな…』
「どういたしまして」
アンジュの飼い主はビボの顔を見やすいようにビボを抱き上げて言うと
長から付けられた監視の役割を果たしたビボの首輪が光り出す。
「お別れかな?…またね、ビボ。今度はアンジュと来てよね?」
『にゃー!』訳:『あぁ!』
首輪の光が強くなるとビボは天界に戻って来ていた。
庭園でお茶会を開いていたメス猫達は突如現れたビボに驚き悲鳴を上げながら走り去って行った。



