あれは月が煌々と照っていた日曜の夜。

秋の訪れを祝うように鈴虫が奏でる演奏会の真っ只中。厳かな会場となっていたわたしの部屋に……君は突然やってきた。

左肘をベランダに引っ掛け、後悔の海を泳ぐ。そんなわたしを見て、君は言う。

「3回」
「3回だけ……君はやり直すことができる」

呆然と立ち尽くすわたしを見つめる、君の瞳。
まるで空に浮かぶ月のように……明るく輝き、そして好奇に満ちた色をしていた。

ここは2階なのに……
なんで、猫がいるのよ

なんで……言葉をしゃべっているのよ――