春の柔らかな日差しが、平安の庭を優しく包んでいた。

 満開の桜の木の下、白無垢に身を包んだ咲妃は、ゆっくりと歩みを進めていた。

 朱雀が空高く舞い、他の式神たちも祝福するかのようにひらひらと庭を飛び回っている。

 「咲妃さん、ほんとに綺麗!!」

お清が思わず声を上げ、手を叩きながらはしゃいだ。
 咲妃は顔を赤らめ、つつましげに微笑む。

 「ありがとう……お清ちゃん、嬉しいです。」

 お清は、目を輝かせて、「晴明さんもきっと喜びますよ!」と言った。

 そのとき、博雅も咲妃を見つめてにっこり笑った。

 「咲妃殿は、白が一番似合うな。」


咲妃は恥ずかしそうに目を伏せ、頬を赤く染めた。