その瞬間。

 空気が――変わった。
 時計の秒針が止まり、外の風がぴたりと静止する。
 まるで世界が一枚の絵になったように、音がすべて消えた。

「……なに、これ……?」

 本を開いた。
 最初のページには、読めないほど古い文字がびっしりと書かれている。
 その行間から、どこからともなく――声がした。