「そ、そんな……!」

 博雅は咲妃の肩に手を置き、優しく諭す。

 「落ち着け。晴明がいれば大丈夫だ。だが、暫くはお清との外出も控え、屋敷にいるんだぞ」

 咲妃は深く頷いた。

 「わ、わかりました…でもっ……」

 「心配せずともよい。咲妃、我が必ず守る。そして、必ず未来へ戻す。」

晴明がすぐ隣に立ち、穏やかだが強い眼差しを向ける。咲妃は胸がじんわり熱くなるのを感じた。


「(いつか未来に戻らなきゃいけないんだよね…)」


 咲妃は小さく呟く。思わず、自分の胸の奥にある感情が揺れる。


 「(晴明さん…私、どうしたらいいんだろう…)」