「咲妃!」

 額に汗をかき、痛みに顔をしかめる咲妃を見て、晴明は必死に呼びかける。


 「大丈夫です!」


 咲妃は平静を装って答えるが、晴明は眉をひそめる。

 「そうは見えぬが!」


 そこに、朱雀が飛んできて晴明を引き離した。


「何だ!朱雀っ…!」


晴明は一瞬驚いたが、すぐに状況を悟る。


「もしや…」


 咲妃は恥ずかしさで顔を真っ赤にし、布団に包まって泣き出す。

 「やだ…だから言ったのに…」


 晴明は申し訳なさそうに頭を下げる。


 「すまなかった。だが、痛みを和らげる方法がある」

 咲妃は恐る恐る布団を少し下げて、耳を赤くしながら尋ねた。