晴明と咲妃、そして式神たち12匹が屋敷で穏やかな日常を送る中、時折博雅も訪れ、屋敷は笑い声で満ちていた。


 ある午後、咲妃は博雅とお茶会を開き、和やかに談笑していた。


「博雅さん、このお茶、とっても美味しいです!」

「ふむ、咲妃殿が喜んでくれるなら、作り甲斐があるというものだな。」


二人の笑い声が庭に響く。

そんな様子を、居間の窓越しに晴明はじっと見つめていた。

眉間にわずかな皺を寄せ、口元は少し尖がっている。

 博雅が立ち上がると、晴明は急に声をかけた。

「博雅よ、少し急用を頼みたい。」

 博雅はにっこり笑いながら、「了解です」と応じたが、咲妃の耳元でそっと囁く。


「はは、あれは嫉妬だな。」