そして晴明は周囲に向かってこう宣言した。
「帝に文を送り、暫く咲妃を預かる。」
咲妃は思わず声を上げる。
「えぇぇ……!」
晴明は意地悪そうに笑う。
「案ずるな、暫くはただの見張りだ。それとも、魑魅魍魎の餌となるか?」
咲妃は顔を真っ青にして、冷や汗をたらたら流しながらも、作り笑顔で答える。
「いえいえ、晴明さんについていきます!」
こうして、咲妃は晴明の屋敷に連れて行かれることになった。
胸の奥には、小さな期待と、少しの不安が混ざった感情が芽生えていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…