「妖でもないし、猿でもないです! 私はただの女子高生です!」

 周囲の人々は、怪訝そうに咲妃を見つめた。

 「じょし、こうせい?」と晴明も首を傾げ、理解に苦しそうな顔をしている。


 咲妃は気まずくなり、声を小さくして言い直す。


「えっと……学問を学んでいる?……ただの人間の女子……です…。」


 晴明は、ははっ、と笑いながら言った。


「賢そうには見えぬがな。」


「…っ!」


その笑顔に、咲妃は思わず見とれてしまう。

 けれども、その意地悪さに、少しだけ心がざわついた。

 ――何この人……。でもなんだろう、目が離せない。