「ほう……よく見れば、帝が好みそうな顔をしておるな。」


 耳元で呟かれたその言葉に、咲妃は慌てて視線をそらす。

 頬が熱く、鼓動が早くなるのを感じた。


「っ……!」


 心臓の高鳴りを抑えながら、必死に言葉を探す。

 晴明は興味深そうに、咲妃をじっと観察しながら、質問を重ねる。

「そなたは何者だ? この地にて何をしておる?」

「えっと…何って……」

 咲妃は少し震える声で答え、胸が少し踊る。

 目の前の人は、本物だ――夢じゃない。

 晴明は、至近距離でじっと咲妃を見つめる。

 その視線が熱く、咲妃の顔は真っ赤になった。