痛っ――声を上げずにはいられなかった。 手足を縛られ、目隠しと口布を剥がされ、砂利の上に座らされた咲妃は、思わず怒鳴った。 「ちょっと! もう、痛いんですけどっ!」 辺りは静かで、ただ木々のざわめきと遠くで響く人々の声がかすかに聞こえるだけ。 そのとき――カツッ、カツッ、と床を擦るような足音が近づいてきた。 目の前に現れたのは、この時代にしては異常に整った顔立ちの男性。 白い狩衣を纏い、ゆったりとした足取りで歩くその姿は、光を帯びているかのようだった。