「うそ、でしょ……?」 足元がふらついた。 でも、泣いてる場合じゃない。何か、情報を集めなきゃ。 勇気を出して、通りを歩いていた着物姿の女性に声をかけた。 「あ、あの、すみませんっ! ここって、どこですか?!」 女性は驚いたように咲妃を見つめ、青ざめた顔で叫んだ。 「ひ、ひぃっ! 妖怪だぁ!」 そして、裾をたくしあげて逃げていった。 「え、えぇぇ……待ってください! 違うの! 私は人間で!」