夏とトマトとたぬき猫

「うん、そうなの。ネットで見つけたレシピ通りに作ったし、昨日味見したときは美味しかったから、不味くはないと思うんだけど」

 もしかして、ミニトマト苦手だったかな?
 それとも見知らぬ女の手作りなんて気持ち悪くて食べられない?

 私がドキドキしながら二人を見つめていると、橘さんが一さじゼリーを掬ってぱくりと口に入れた。

「うん、美味しい」

 橘さんが、ゆっくりと目を細める。

 その笑顔を見た瞬間、私の心の中に、なんだか甘酸っぱい気持ちが広がった。

「あ……ありがとうございますっ……良かった、お口に合って」

 私が思わず視線を逸らしてしまった。

 すると、耕太郎くんもパクパクとゼリーを食べ始める。

「うん。初めはトマトのゼリー? と思っていましたが、意外と合いますね」

「でしょ!?」

「うん」

 と、橘さんも同意する。

「これ、レモン味? トマトの甘さと爽やかさが夏にちょうどいいね」

 どうやら二人とも気に入ってくれたみたい。

「良かった」