夏とトマトとたぬき猫

「じゃあまたホームセンターに買いに行こうかな。そうだ、他にも野菜の苗を買ってもいいかも。キュウリとかピーマンとか!」

 私がまくしたてると、耕太郎くんはじり、と後ずさりをした。

「そうですね。個人的には苗を買うならワイルドベリーがお勧めですが」

「ワイルドベリー?」

 スマホで調べてみると、園芸専門店と出てきた。

 深緑の看板にシックないちごのイラスト。

 壁はレンガっぽい赤茶色で、園芸店というよりはカフェのような雰囲気の店だった。

 場所もそんなに離れていない。ここなら自転車で行けそうだ。

「へー、こんなお店があるの? 可愛い! 耕太郎くんはよく行くの?」

「はい。特に買うものがなくても花や野菜の苗を見ているだけでも楽しいので」

「ふーん……」

 私はスマホの地図アプリをじっと見つめた。

 ここから近そうには見えるが、なんせ土地勘もないし方向音痴なので無事にたどり着く自信がない。

「あのさ、頼みがあるんだけど……耕太郎くん、一緒に着いてきてくれないかな?」