窓から差し込む強い朝日で私は目を覚ました。

「ふああ……」

 耕太郎くんがうちを尋ねてきてから二週間が経った。

 南向きの庭には、この間草むしりをしたばかりなのに雑草が旺盛に茂っている。
 ここ数日長雨が続いていた影響だろうか。雑草のパワーはすごいなと思う。

 私は不意に、小さいころは、この家は夏休みになると弟と両親と一緒に遊びに来てはビニールプールを出したり虫取りをしたりする特別な場所だと思っていたことを思い出した。

 だが今の私の目にはこの家は、古民家というには新しく、かといって新築と比べたら明らかに古い中途半端なだだっ広い家にしか見えなかった。

 これが大人になるということなんだろうか。

 ゆっくりと立ち上がり、伸びをする。

 そうだ。そろそろミニトマトに肥料をあげないと。

 私は耕太郎くんに言われたことを思い出した。

耕太郎くんは、ミニトマトに二週間おきに液肥をあげるように言っていた。

 私は近所のホームセンターから買ってきた液体肥料を取り出した。

 この時のためにと取っておいた二リットル入りのペットボトルにキャップ一杯の肥料を入れ、そこにさらに水を入れて薄める。

 園芸というよりは、まるで科学の実験をしているみたい。