「にゃーーーん!!」
「にゃーーーん!!」
「あおーん」
「あおーん」
「あおおおーーーん……」
次の日から、窓の外に向かって叫び続けた。声が枯れるまで。わたしの予想通り、パパたちの様子が少し変わりだしたのが分かった。
「にゃーちゃん? どうしたの?」
「お外に何か……いるの?」
いつもと違うわたしの行動を見て、「何でそんなことしているの?」って考え始めてもらうことができた。
(よし……いいぞ……)
(もっと……!)
毎日毎日……パパたちがお家にいる時、外に向かって寂しそうに鳴き続ける。
「どうしちゃったんだろうね……?」
「分からないな……もしかして、寂しいのかな」
(来た……!)
(そうだよ、パパ! わたしはお友達が欲しいの!)
「そうかもね……いっつも私達、仕事でいない時間が長いからね……」
「確かにな。遊ぶ兄弟がいた方が良いのかもな」
わたしの思惑通りに、パパたちが考え始めてくれた。あとは……ハチを見つけてもらえれば上手く行きそうな気がする。
「ちょっと考えてみようか」
わたしはそれからも、ひたすら外に向かって鳴き続けた。
チャンスは日曜日。パパとママのお仕事がお休みの日が勝負!ずっと2人ともお家にいるからね……。
お昼過ぎ。わたしはハチが来るのを待っていた。いつもは何となくパトロールをしているけど……この日の目的は「ハチ」。夕方近くまで、ずっと外を見続けているけど……ハチは姿を現さない。
(……こういう日に限って)
「はぁ」とため息をついたその時、向かいの家からハチが姿を見せた。
(あっ……! ハチ! ハチ! ねえ!)
(ちょっと……こっち来てよ!)
わたしの呼びかけにハチも気付いたようで、ゆっくりとわたしのお家に近づいてくる……
(……えっ?)
(どうしたの……ハチ……)
前回怪我をしていた右腕。弱々しく左右に揺れながら歩いている……
それに……お腹……何だか赤くなってない……?
「にゃーー!!」
「にゃーー!!」
「にゃーーー!!」
わたしは叫んだ。力の限り。パパとママに向かって。……最初で最後のチャンスだと、どこかで感じていた。
「ん? どうした……にゃーちゃん」
普段と全然違う鳴き声に、パパがわたしの方に歩いてきた。
「にゃー!(パパ!)」
「にゃああーーー!!(外見てーーー!!)」
「にゃーー!!(お願い!!)」
窓の外に向かって……気力を振り絞って鳴く。お願いパパ。……外を見て。
「ん? 外に誰かいるのか?」
パパが窓の外に目を向けた。
「あっ……」
「猫ちゃんだね」
(やった……気付いてくれた!!)
「ん? ……様子が変だな」
「にゃーちゃん、ちょっとここにいて」
そう言うと、パパは外に出ていき、ハチに近づいていった。
(よし……上手く行った……)
お家の中から、外に出ているパパとハチを見守る。パパはハチに近づくと、そのまま片膝をついて、ハチに何か話かけているように見える。
(お願いパパ……お家に入れてあげて)
急いでお家に入ってくるパパ。慌ててタオルと鍵を手に取った。
「にゃーちゃん、お留守番お願いな」
「にゃあー?(どうしたの……?)」
「……ちょっと病院に連れて行ってくるよ。あの子」
「凄い怪我してる」とママに言い残し、パパはハチをタオルで包み車へと乗せた――
「にゃーーーん!!」
「あおーん」
「あおーん」
「あおおおーーーん……」
次の日から、窓の外に向かって叫び続けた。声が枯れるまで。わたしの予想通り、パパたちの様子が少し変わりだしたのが分かった。
「にゃーちゃん? どうしたの?」
「お外に何か……いるの?」
いつもと違うわたしの行動を見て、「何でそんなことしているの?」って考え始めてもらうことができた。
(よし……いいぞ……)
(もっと……!)
毎日毎日……パパたちがお家にいる時、外に向かって寂しそうに鳴き続ける。
「どうしちゃったんだろうね……?」
「分からないな……もしかして、寂しいのかな」
(来た……!)
(そうだよ、パパ! わたしはお友達が欲しいの!)
「そうかもね……いっつも私達、仕事でいない時間が長いからね……」
「確かにな。遊ぶ兄弟がいた方が良いのかもな」
わたしの思惑通りに、パパたちが考え始めてくれた。あとは……ハチを見つけてもらえれば上手く行きそうな気がする。
「ちょっと考えてみようか」
わたしはそれからも、ひたすら外に向かって鳴き続けた。
チャンスは日曜日。パパとママのお仕事がお休みの日が勝負!ずっと2人ともお家にいるからね……。
お昼過ぎ。わたしはハチが来るのを待っていた。いつもは何となくパトロールをしているけど……この日の目的は「ハチ」。夕方近くまで、ずっと外を見続けているけど……ハチは姿を現さない。
(……こういう日に限って)
「はぁ」とため息をついたその時、向かいの家からハチが姿を見せた。
(あっ……! ハチ! ハチ! ねえ!)
(ちょっと……こっち来てよ!)
わたしの呼びかけにハチも気付いたようで、ゆっくりとわたしのお家に近づいてくる……
(……えっ?)
(どうしたの……ハチ……)
前回怪我をしていた右腕。弱々しく左右に揺れながら歩いている……
それに……お腹……何だか赤くなってない……?
「にゃーー!!」
「にゃーー!!」
「にゃーーー!!」
わたしは叫んだ。力の限り。パパとママに向かって。……最初で最後のチャンスだと、どこかで感じていた。
「ん? どうした……にゃーちゃん」
普段と全然違う鳴き声に、パパがわたしの方に歩いてきた。
「にゃー!(パパ!)」
「にゃああーーー!!(外見てーーー!!)」
「にゃーー!!(お願い!!)」
窓の外に向かって……気力を振り絞って鳴く。お願いパパ。……外を見て。
「ん? 外に誰かいるのか?」
パパが窓の外に目を向けた。
「あっ……」
「猫ちゃんだね」
(やった……気付いてくれた!!)
「ん? ……様子が変だな」
「にゃーちゃん、ちょっとここにいて」
そう言うと、パパは外に出ていき、ハチに近づいていった。
(よし……上手く行った……)
お家の中から、外に出ているパパとハチを見守る。パパはハチに近づくと、そのまま片膝をついて、ハチに何か話かけているように見える。
(お願いパパ……お家に入れてあげて)
急いでお家に入ってくるパパ。慌ててタオルと鍵を手に取った。
「にゃーちゃん、お留守番お願いな」
「にゃあー?(どうしたの……?)」
「……ちょっと病院に連れて行ってくるよ。あの子」
「凄い怪我してる」とママに言い残し、パパはハチをタオルで包み車へと乗せた――



