***
「あっ、一条琉唯だ!」
クリスマスが過ぎ、冷気に包み込まれる祝福すべき年明けへの準備が詰まった街並み。
制服の上から黒いマフラーを巻いて、ベージュのダッフルコートを羽織った僕は交差点で信号待ちをしていて、その声にビクッと身体を震わせた。
交差点では信号待ちをしている数名の高校生くらいの女の子たちが目線を上昇させて、はしゃいでいた。
ビルに掲げられた大画面のデジタルサイネージには琉唯が起用されている紅茶のCMが繰り返し流されていた。
「琉唯くん、やばい! かっこいい!」
「あの紅茶のCM、一条琉唯になったんだー。買っちゃおー」
「一条琉唯主演のロングラン上映になっている映画観た?」
「私、2回観に行った!」
「一条琉唯の恋人ってどんな子なんだろう?」
「えー彼女いたら萎える」
「絶対モテるから遊びまくってるんじゃん」
「私はバレないようにしてくれてるならいいかなー」
「私も! これだけイケメンで一条琉唯が恋人に一途だったら、めっちゃ良くない?」
彼女たちは知らない。
僕以外は誰も知らない。
琉唯が甘く重く深い愛で僕を大切にしてくれていることも。
二人で達する時に琉唯が見せる快感に歪む苦しげで色っぽい表情も。
――僕だけが知っていたい。
あの時の琉唯から齎された熱が呼び覚まされて、冬なのに顔がほてる。
永遠なんてわからないけど、この先ずっと琉唯のそばにいられますように。
琉唯との出会いは咲良菜緒……お母さんがくれた奇跡だと信じている。
僕は鼻の頭が赤くなったのを冬のせいにして、僕は信号が青に変わった交差点に一歩を踏み出した。
【桜月夜に、言葉よりも強く君を抱き締めて。】end
「あっ、一条琉唯だ!」
クリスマスが過ぎ、冷気に包み込まれる祝福すべき年明けへの準備が詰まった街並み。
制服の上から黒いマフラーを巻いて、ベージュのダッフルコートを羽織った僕は交差点で信号待ちをしていて、その声にビクッと身体を震わせた。
交差点では信号待ちをしている数名の高校生くらいの女の子たちが目線を上昇させて、はしゃいでいた。
ビルに掲げられた大画面のデジタルサイネージには琉唯が起用されている紅茶のCMが繰り返し流されていた。
「琉唯くん、やばい! かっこいい!」
「あの紅茶のCM、一条琉唯になったんだー。買っちゃおー」
「一条琉唯主演のロングラン上映になっている映画観た?」
「私、2回観に行った!」
「一条琉唯の恋人ってどんな子なんだろう?」
「えー彼女いたら萎える」
「絶対モテるから遊びまくってるんじゃん」
「私はバレないようにしてくれてるならいいかなー」
「私も! これだけイケメンで一条琉唯が恋人に一途だったら、めっちゃ良くない?」
彼女たちは知らない。
僕以外は誰も知らない。
琉唯が甘く重く深い愛で僕を大切にしてくれていることも。
二人で達する時に琉唯が見せる快感に歪む苦しげで色っぽい表情も。
――僕だけが知っていたい。
あの時の琉唯から齎された熱が呼び覚まされて、冬なのに顔がほてる。
永遠なんてわからないけど、この先ずっと琉唯のそばにいられますように。
琉唯との出会いは咲良菜緒……お母さんがくれた奇跡だと信じている。
僕は鼻の頭が赤くなったのを冬のせいにして、僕は信号が青に変わった交差点に一歩を踏み出した。
【桜月夜に、言葉よりも強く君を抱き締めて。】end



