***
僕と琉唯のことは宮永さんが車で送ってくれることになった。
宮永さんは近くのコインパーキングに自家用車を停めているらしく、シムプロ本社の車寄せまで車を持ってくるまでの間、琉唯と僕は会議室の一室で待っていた。
「――何で琉唯はこんなに僕にくっついてるの?」
僕は琉唯に後ろから抱き締められながらソファーに座っている。
「――俺がどれだけ我慢してたと思ってんだよ。周りも納得させられるような結果を仕事で残して早く優陽を迎えに行きたかった」
まるで僕の髪の匂いを嗅ぐように側頭部に琉唯の高い鼻が当たっていて、耳に程近い位置で艶やかな低音を落とされれば否が応でもドキドキしてしまう。
「僕は咲良菜緒の代わりだって琉唯は言ってたし」
「一度も思ったことねぇよ。あの時は一度離れないとノアに狙われてた優陽の身が本気で危なかった。優陽を傷つけて悪かった」
「……ううん。琉唯の本心じゃないってことは何となくわかってたけど……」
「初めて夜桜の下で出会った時から、優陽のことしか考えられねぇよ」
琉唯に切なげに言われたら、僕はもう心音の抑え方がわからなくて。
「――優陽が好き。この世から優陽以外、消えてほしいと思うくらい惚れてる」
「……それは怖いよ」
「俺の世界には優陽しかいなくていい」
「それも怖い」
「そのくらい優陽が好きだってこと」
今日の放課後になるまで琉唯に振られて、ずっと会えなかったのに、こんな重ための愛をぶつけられて、自分の父親のことまでわかって……。
濃密すぎて脳に引きづられるように身体も疲れていた。
けど、琉唯が隣に寄り添ってくれていたから僕は真実を受け止められた気がする。
僕一人だったら受け止められなかったと思う。
「――今度、俺の父さんにも会って」
「うん、もちろん。僕も会いたい」
「優陽ってノアと姉弟だったんだな」
「あ……、そういうことになるんだ」
「母親が違うとこうも違うのか……」
「ノアさんの母親のアンナさんってそんなに強いの?」
「あの人は無敵だって。ノアを100倍パワーアップさせた感じ」
「それは……」
恐ろしすぎるけど……。
ノアさんの去り際は潔かった。
絶対にノアさんに明かされることはないけど、僕と半分血の繋がってる人。
「優陽は滝川社長と会ってたんだな」
「うん。一回だけ偶然、宮長さんと食事してる時に会った。宮永さんには昔から良くしてもらってたから」
琉唯は後ろから僕の顎を指で掬うように自分の方へと振り向かせた。
僕の唇に琉唯の唇が接近する。
「――優陽にキスしていい?」
吐息のかかる距離で問いかけられて、余計に胸が高鳴ってしまう。
「わざわざ聞いてこないでよ」
「もう優陽に無理やりしたくねぇの」
「今されても無理やりだと思わないから」
「でも、言えよ」
「恥ずかしくて言えないし」
「優陽、照れてるのもかわいいけど聞かせて」
甘い毒を含んだ琉唯の瞳に射抜かれる。
急上昇した心拍に僕のキャパが超えそうになるけど。
「――大好き、琉唯。ずっと琉唯に会えなくて寂しかった。離れてた分だけ僕を琉唯でいっぱいにして……」
恥ずかしさを振り切って琉唯に伝えたのに、琉唯は目を見開いて、一時停止してしまう。
「――琉偉?」
「――それ反則。どこまで俺を夢中にさせるんだよ。もう絶対に優陽を離さねぇ」
「んっ……」
最初からフルスロットルな濃厚な口づけ。
僕の口内を味わい尽くされて、舌が絡み合うだけでいいしれない陶酔感で満たされて。
求め合うキスって信じられないくらい気持ちよくて。
僕も、きっと琉唯も互いにキスにのめり込んでいた。
「んっ……はっ……琉唯。宮永さんから連絡来てる」
車が到着したのだろう。
早く行かなければ宮永さんを待たせてしまう。
「今夜は帰らないで、優陽」
「え……?」
「俺の家に泊まっていけよ。まだ優陽と離れたくない」
濡れた唇で熱っぽい眼差しで琉唯に乞われて、気持ちが疼く。
僕も火がつき始めた心と身体をこのまま持て余すのはつらくて……。
「でも、帰らないと。たっちゃんたちを心配させたくないし」
「連絡いれておけば大丈夫だろ」
「それに心の準備がまだ……」
「――優陽。俺のために悪い子になりなよ」
琉唯の甘美な誘いに僕はもう抗うことなんて出来なくて。
何よりもっと琉唯と一緒にいたい……。
琉唯を知りたい。
琉唯といると自分の知らなかった一面をどんどん知っていく。
僕は小さくコクリと頷いた。
宮永さんが運転する車の後部座席に琉唯と乗り込む。
琉唯は自宅のマンションを伝え、宮永さんは指先でカーナビを操作していった。
暗い車内はカーナビの液晶モニターの明かりだけが照らしていて。
「――僕もそこで降ろしてほしい……」
宮永さんに伝えるのに顔から火が出そうなほど恥ずかしかった、
宮永さんはしばらく黙っていたけど、
「――優陽のアリバイ作りたいなら協力しようか?」
と、僕を肯定するように優しい声色で受け止めてくれた。
僕と琉唯のことは宮永さんが車で送ってくれることになった。
宮永さんは近くのコインパーキングに自家用車を停めているらしく、シムプロ本社の車寄せまで車を持ってくるまでの間、琉唯と僕は会議室の一室で待っていた。
「――何で琉唯はこんなに僕にくっついてるの?」
僕は琉唯に後ろから抱き締められながらソファーに座っている。
「――俺がどれだけ我慢してたと思ってんだよ。周りも納得させられるような結果を仕事で残して早く優陽を迎えに行きたかった」
まるで僕の髪の匂いを嗅ぐように側頭部に琉唯の高い鼻が当たっていて、耳に程近い位置で艶やかな低音を落とされれば否が応でもドキドキしてしまう。
「僕は咲良菜緒の代わりだって琉唯は言ってたし」
「一度も思ったことねぇよ。あの時は一度離れないとノアに狙われてた優陽の身が本気で危なかった。優陽を傷つけて悪かった」
「……ううん。琉唯の本心じゃないってことは何となくわかってたけど……」
「初めて夜桜の下で出会った時から、優陽のことしか考えられねぇよ」
琉唯に切なげに言われたら、僕はもう心音の抑え方がわからなくて。
「――優陽が好き。この世から優陽以外、消えてほしいと思うくらい惚れてる」
「……それは怖いよ」
「俺の世界には優陽しかいなくていい」
「それも怖い」
「そのくらい優陽が好きだってこと」
今日の放課後になるまで琉唯に振られて、ずっと会えなかったのに、こんな重ための愛をぶつけられて、自分の父親のことまでわかって……。
濃密すぎて脳に引きづられるように身体も疲れていた。
けど、琉唯が隣に寄り添ってくれていたから僕は真実を受け止められた気がする。
僕一人だったら受け止められなかったと思う。
「――今度、俺の父さんにも会って」
「うん、もちろん。僕も会いたい」
「優陽ってノアと姉弟だったんだな」
「あ……、そういうことになるんだ」
「母親が違うとこうも違うのか……」
「ノアさんの母親のアンナさんってそんなに強いの?」
「あの人は無敵だって。ノアを100倍パワーアップさせた感じ」
「それは……」
恐ろしすぎるけど……。
ノアさんの去り際は潔かった。
絶対にノアさんに明かされることはないけど、僕と半分血の繋がってる人。
「優陽は滝川社長と会ってたんだな」
「うん。一回だけ偶然、宮長さんと食事してる時に会った。宮永さんには昔から良くしてもらってたから」
琉唯は後ろから僕の顎を指で掬うように自分の方へと振り向かせた。
僕の唇に琉唯の唇が接近する。
「――優陽にキスしていい?」
吐息のかかる距離で問いかけられて、余計に胸が高鳴ってしまう。
「わざわざ聞いてこないでよ」
「もう優陽に無理やりしたくねぇの」
「今されても無理やりだと思わないから」
「でも、言えよ」
「恥ずかしくて言えないし」
「優陽、照れてるのもかわいいけど聞かせて」
甘い毒を含んだ琉唯の瞳に射抜かれる。
急上昇した心拍に僕のキャパが超えそうになるけど。
「――大好き、琉唯。ずっと琉唯に会えなくて寂しかった。離れてた分だけ僕を琉唯でいっぱいにして……」
恥ずかしさを振り切って琉唯に伝えたのに、琉唯は目を見開いて、一時停止してしまう。
「――琉偉?」
「――それ反則。どこまで俺を夢中にさせるんだよ。もう絶対に優陽を離さねぇ」
「んっ……」
最初からフルスロットルな濃厚な口づけ。
僕の口内を味わい尽くされて、舌が絡み合うだけでいいしれない陶酔感で満たされて。
求め合うキスって信じられないくらい気持ちよくて。
僕も、きっと琉唯も互いにキスにのめり込んでいた。
「んっ……はっ……琉唯。宮永さんから連絡来てる」
車が到着したのだろう。
早く行かなければ宮永さんを待たせてしまう。
「今夜は帰らないで、優陽」
「え……?」
「俺の家に泊まっていけよ。まだ優陽と離れたくない」
濡れた唇で熱っぽい眼差しで琉唯に乞われて、気持ちが疼く。
僕も火がつき始めた心と身体をこのまま持て余すのはつらくて……。
「でも、帰らないと。たっちゃんたちを心配させたくないし」
「連絡いれておけば大丈夫だろ」
「それに心の準備がまだ……」
「――優陽。俺のために悪い子になりなよ」
琉唯の甘美な誘いに僕はもう抗うことなんて出来なくて。
何よりもっと琉唯と一緒にいたい……。
琉唯を知りたい。
琉唯といると自分の知らなかった一面をどんどん知っていく。
僕は小さくコクリと頷いた。
宮永さんが運転する車の後部座席に琉唯と乗り込む。
琉唯は自宅のマンションを伝え、宮永さんは指先でカーナビを操作していった。
暗い車内はカーナビの液晶モニターの明かりだけが照らしていて。
「――僕もそこで降ろしてほしい……」
宮永さんに伝えるのに顔から火が出そうなほど恥ずかしかった、
宮永さんはしばらく黙っていたけど、
「――優陽のアリバイ作りたいなら協力しようか?」
と、僕を肯定するように優しい声色で受け止めてくれた。



