体育倉庫の奥、誰も気づかない棚の下。
そこに転がる二つの球体――バレーボールの白(しろ)と、テニスボールの緑(みどり)。
彼らは言葉を持たない。ただ、空気圧と表面温度、そして微かな振動で互いを感じていた。
白は、柔らかくて大きい。緑は、小さくて弾む。
サイズも用途も違う。でも、夜になると、倉庫の静寂の中で、彼らはそっと寄り添った。
「君は今日、少し擦れてるね」
白は、緑の表面にできた小さな傷を感じ取る。
「君の空気、少し減った?」
緑は、白の内圧のわずかな変化に気づく。
言葉ではない。
それは、摩擦と反発の間に生まれる、無機物の共鳴。
そこに転がる二つの球体――バレーボールの白(しろ)と、テニスボールの緑(みどり)。
彼らは言葉を持たない。ただ、空気圧と表面温度、そして微かな振動で互いを感じていた。
白は、柔らかくて大きい。緑は、小さくて弾む。
サイズも用途も違う。でも、夜になると、倉庫の静寂の中で、彼らはそっと寄り添った。
「君は今日、少し擦れてるね」
白は、緑の表面にできた小さな傷を感じ取る。
「君の空気、少し減った?」
緑は、白の内圧のわずかな変化に気づく。
言葉ではない。
それは、摩擦と反発の間に生まれる、無機物の共鳴。



