12月のある日。私が一番嫌いな母親が死んだ。
理由は自殺だった。罪悪感に耐えられなくて、自ら命を絶ったそうだ。
ざまあみろ。あんなにたくさんの男を騙して罰が当たったんだ。
私は、泣かなかった。あの女のために泣く奴なんかいない。
みんな、お疲れさまでした、という呆れた眼で死体を見つめている。
本当にもう、大嫌い。良い母親なんかじゃなかった。
葬式にきた奴は、全員、あの女の遺族かあの人が騙した男たちだ。愚かな男。
死体のそばに、花束が一つだけ、置いてあった。ラベンダーの花束。
手紙も添えてあった。「ありがとう。」と書いてある。
この女に感謝している人がいるのか。私は驚きを隠せなかった。
愚かな男たちは泣いている。後悔の涙か。悲しみの涙か。呆れの涙か。
私は花束を手に取った。花屋で買ったものなのか、少しだけ濡れている。
この人は、どんな気持ちでこの花束を置いたのだろう。
スマホでラベンダーの花言葉を調べてみた。
「期待と疑惑。優美と許しあう愛」。花束を置いた人はどうも、優しい人だったらしい。
ここにいる全員が黒い服を着ている中、私は一人だけピンクのパーカーを着ている。
黒いものと言えば、靴下と帽子だけだ。
明らかに目立っている。しかも悪目立ちをしている。そんなこと気にしなかった。
堂々としてこそ人間だ。私はそう思っている。
もう、高校生か。16歳にもなって、私は一度も男と関係をもったことがない。
もちろん、付き合ったこともない。
友達も小学生の頃の友達しかいないし、高校では嫌われている。
偏見ばかりのこの世界では、自分の「身分・イメージ」を気にするやつらばかりだ。
私も経験したことがある。
他人に評価され、価値を決められ、真面目でない者は落とされる。
こんな世界だったら、昔のようにサバンナやジャングルでターザンとして生きたい。
タイムスリップして、スマホとか布団とか、持っていけばなんとかなる。
あ、でも、電気繋がってないしWi-Fiも使えないか。
足を組んだ。偉そうに中央に座る。母親が生きていたら叱られていただろう。
私は自分の父親を捜している。母親が死んだのならば、次は父親だ。
自ら殺すわけではない。あの人が死ぬまで、永遠に待つのだ。
毎日、毎日、洗脳を続けて。
理由は自殺だった。罪悪感に耐えられなくて、自ら命を絶ったそうだ。
ざまあみろ。あんなにたくさんの男を騙して罰が当たったんだ。
私は、泣かなかった。あの女のために泣く奴なんかいない。
みんな、お疲れさまでした、という呆れた眼で死体を見つめている。
本当にもう、大嫌い。良い母親なんかじゃなかった。
葬式にきた奴は、全員、あの女の遺族かあの人が騙した男たちだ。愚かな男。
死体のそばに、花束が一つだけ、置いてあった。ラベンダーの花束。
手紙も添えてあった。「ありがとう。」と書いてある。
この女に感謝している人がいるのか。私は驚きを隠せなかった。
愚かな男たちは泣いている。後悔の涙か。悲しみの涙か。呆れの涙か。
私は花束を手に取った。花屋で買ったものなのか、少しだけ濡れている。
この人は、どんな気持ちでこの花束を置いたのだろう。
スマホでラベンダーの花言葉を調べてみた。
「期待と疑惑。優美と許しあう愛」。花束を置いた人はどうも、優しい人だったらしい。
ここにいる全員が黒い服を着ている中、私は一人だけピンクのパーカーを着ている。
黒いものと言えば、靴下と帽子だけだ。
明らかに目立っている。しかも悪目立ちをしている。そんなこと気にしなかった。
堂々としてこそ人間だ。私はそう思っている。
もう、高校生か。16歳にもなって、私は一度も男と関係をもったことがない。
もちろん、付き合ったこともない。
友達も小学生の頃の友達しかいないし、高校では嫌われている。
偏見ばかりのこの世界では、自分の「身分・イメージ」を気にするやつらばかりだ。
私も経験したことがある。
他人に評価され、価値を決められ、真面目でない者は落とされる。
こんな世界だったら、昔のようにサバンナやジャングルでターザンとして生きたい。
タイムスリップして、スマホとか布団とか、持っていけばなんとかなる。
あ、でも、電気繋がってないしWi-Fiも使えないか。
足を組んだ。偉そうに中央に座る。母親が生きていたら叱られていただろう。
私は自分の父親を捜している。母親が死んだのならば、次は父親だ。
自ら殺すわけではない。あの人が死ぬまで、永遠に待つのだ。
毎日、毎日、洗脳を続けて。



