俺が勢いよく扉から出ていったワードを見ていると、ノエルが興奮した様子で俺を見上げる。
「おっさん、やっぱり強いな!」
「ノエル、あんまり危なそうな人に喧嘩を売るもんじゃないぞ」
俺がノエルにそう言うと、ノエルはつまらなそうに俺から顔を逸らした。
今回は俺がいたから何とかなったが、一人でいるときにもあんなふうに喧嘩を売っているかもと考えると心配にもなる。
過保護なおっさんうざいと思われるかもしれないが、それがおっさんなのだ。
「喧嘩を売ってきたのはあっちじゃんか」
「まぁ、今回は確かにそうなんだけどな。いや、確かにそうだな。でも……あれだ、あのくらいの歳のああいうタイプは色々と面倒なんだよ」
多分、あのくらいの歳の子は、自分の周りだけの大人社会しか知らないのに、大人になった気でいるタイプだと思う。
それでいて、仲間内では誰も自分のことを否定しないから、子供に否定されただけでもカッとなってしまうのだろう。
俺はノエルの言っていることも一理あるなと思いながら、むくれてしまったノエルの頭を撫でた。
「俺のことを庇ってくれたのは嬉しいが、ほどほどにな」
「んっ、わかったよ」
ノエルは俺にお礼を言われて少しだけ機嫌を直したのか、俺をちらっと見てから頷いた。
すると、辺りが何やらざわついていることに気がついた。
どうしたのだろうかと思って見てみると、冒険者たちが俺を見ながら何かを話していた。
「あの人、B級冒険者を軽くぶん投げたぞ」
「ワードが全く相手にならなかったな。俺たちが思っている以上に強いんじゃないか?」
B級の冒険者って誰のことを言ってるんだ? 俺が投げたのはワードっていう田舎のヤンキーみたいな冒険者だけだぞ?
俺が首を傾げていると、ノエルが俺の服の裾を引いて口を開いた。
「おっさんは知らないと思うけど、ワードってB級の冒険者なんだよ。素行は悪いけど、実力はある冒険者なんだ」
「え? あいつ、B級だったのか?」
俺は思いもしなかったノエルの言葉に驚きを隠せずにいた。
思った以上に軽かったし、そんな実力者だとは思えないんだが……いや、逆にそんな実力者を簡単に吹っ飛ばすスキル『おっさん』が強すぎるのか。
なるほど。そりゃあ、ちょっとした騒ぎにもなるよな。
……ていうか、B級の冒険者を軽く投げるおっさんって、一体何者なんだよ。
俺は辺りを見渡してから、あまり長居するのは良くないかもしれないと思って、俺とワードのやり取りを見ていたギルド職員に手続きを急いでもらうことにした。
「あの依頼は達成したってことで平気ですよね? 依頼と素材のお金をいただいてもいですか?」
「あっ、そうでしたね! すぐに準備するので待っていてください!」
ギルド職員の女性はハッとしてから、バタバタとして依頼の達成報酬と素材の買い取り額を計算して、カウンターの上に置いた。
俺はノエルと半分ずつに報酬を分けて、足早に冒険者ギルドを後にするのだった。
俺たちが冒険者ギルド出てから、さらに冒険者ギルドが盛り上がった気がしたが、俺はそれに気づかないフリをして一刻も早く冒険者ギルドから離れるのだった。
「おっさん、やっぱり強いな!」
「ノエル、あんまり危なそうな人に喧嘩を売るもんじゃないぞ」
俺がノエルにそう言うと、ノエルはつまらなそうに俺から顔を逸らした。
今回は俺がいたから何とかなったが、一人でいるときにもあんなふうに喧嘩を売っているかもと考えると心配にもなる。
過保護なおっさんうざいと思われるかもしれないが、それがおっさんなのだ。
「喧嘩を売ってきたのはあっちじゃんか」
「まぁ、今回は確かにそうなんだけどな。いや、確かにそうだな。でも……あれだ、あのくらいの歳のああいうタイプは色々と面倒なんだよ」
多分、あのくらいの歳の子は、自分の周りだけの大人社会しか知らないのに、大人になった気でいるタイプだと思う。
それでいて、仲間内では誰も自分のことを否定しないから、子供に否定されただけでもカッとなってしまうのだろう。
俺はノエルの言っていることも一理あるなと思いながら、むくれてしまったノエルの頭を撫でた。
「俺のことを庇ってくれたのは嬉しいが、ほどほどにな」
「んっ、わかったよ」
ノエルは俺にお礼を言われて少しだけ機嫌を直したのか、俺をちらっと見てから頷いた。
すると、辺りが何やらざわついていることに気がついた。
どうしたのだろうかと思って見てみると、冒険者たちが俺を見ながら何かを話していた。
「あの人、B級冒険者を軽くぶん投げたぞ」
「ワードが全く相手にならなかったな。俺たちが思っている以上に強いんじゃないか?」
B級の冒険者って誰のことを言ってるんだ? 俺が投げたのはワードっていう田舎のヤンキーみたいな冒険者だけだぞ?
俺が首を傾げていると、ノエルが俺の服の裾を引いて口を開いた。
「おっさんは知らないと思うけど、ワードってB級の冒険者なんだよ。素行は悪いけど、実力はある冒険者なんだ」
「え? あいつ、B級だったのか?」
俺は思いもしなかったノエルの言葉に驚きを隠せずにいた。
思った以上に軽かったし、そんな実力者だとは思えないんだが……いや、逆にそんな実力者を簡単に吹っ飛ばすスキル『おっさん』が強すぎるのか。
なるほど。そりゃあ、ちょっとした騒ぎにもなるよな。
……ていうか、B級の冒険者を軽く投げるおっさんって、一体何者なんだよ。
俺は辺りを見渡してから、あまり長居するのは良くないかもしれないと思って、俺とワードのやり取りを見ていたギルド職員に手続きを急いでもらうことにした。
「あの依頼は達成したってことで平気ですよね? 依頼と素材のお金をいただいてもいですか?」
「あっ、そうでしたね! すぐに準備するので待っていてください!」
ギルド職員の女性はハッとしてから、バタバタとして依頼の達成報酬と素材の買い取り額を計算して、カウンターの上に置いた。
俺はノエルと半分ずつに報酬を分けて、足早に冒険者ギルドを後にするのだった。
俺たちが冒険者ギルド出てから、さらに冒険者ギルドが盛り上がった気がしたが、俺はそれに気づかないフリをして一刻も早く冒険者ギルドから離れるのだった。



