「なんかおっさんといるときって、ほとんど魔物と遭遇しないんだけど」
それから、俺たちはハイリザードがいるとされている岩山に向かっていた。
途中馬車を使って移動した後に山を登っていると、ノエルがそんな言葉を口にした。
「そりゃあ、そうだろ。魔物がいない道を進んでるんだから」
俺は何でもないことを言うようにそんな言葉を返す。
今、俺はスキル『おっさん』を使って、おっさん探検家の力を使っている。さすが探検家というだけあって、魔物の気配を感じ取ることができるので、魔物と接触する回数を極力少なくすることができていた。
すると、俺の言葉を聞いたノエルが驚いた顔で俺を見た。
「魔物がいない道? おっさん、そんなの分かるのか?」
「まぁな。だから、森の中でノエルに会った時、俺が丸腰だっただろ? 丸腰でもなんとかなった理由がそれだ」
「マジかよ、おっさんすげーな!」
「うおっ、やけに食いつきがいいな」
ノエルが両手の拳を握ってブンブンと振っていたので、俺は目をぱちぱちとさせる。
「当たり前じゃんかよ! それなら、目的の魔物だけ倒して帰れるし、余分な戦いをしないで済むじゃんか!」
「なるほど。確かにそうだな」
俺はノエルがやけに興奮していた理由に納得する。
別に魔物から逃げるためだけに使うスキルではないのか。
むしろ、このおっさん探検家の力は、効率的に依頼を達成するために上手く使えそうだ。
そう考えるとおっさん探検家の力は、冒険者からした喉から手が出るほど欲しいような力なのかもしれないな。
「おっさん、おっさん! そのやり方、うちにも教えてくれよ!」
「教えてやりたいのは山々だが、俺も分からん。ただスキルでそう言うのを使ってるだけだからな」
「スキル⁉ おっさん、スキル持ちなのか⁉」
また俺が軽く答えると、ノエルはさらに前のめりになった。
俺は目を輝かせながらぐいぐい近づいてくるノエルを落ち着かせようとするが、ノエルは目をキラキラとさせながらぐいっと近づいてくる。
いや、それにしても興奮し過ぎじゃないか?
「ス、スキルって、そんなに珍しいことなのか?」
「当たり前だろ! 数百とか数千分の一の確率だぞ!」
「そんなに珍しいものなのか?」
俺は思いもしなかったノエルの言葉に目を見開いた。
異世界アニメやラノベではスキルで無双するのが普通だっただけに、スキルがそんなに珍しいものだなんて思いもしなかった。
「それで、おっさんはどんなスキル持ってんだ?」
ノエルは俺がどんなスキルを持っていると思っているのか、やけに期待している眼差しを向けてきた。
俺は少し反応に困りながら、ノエルから視線を逸らす。しかし、ノエルはそんな俺の反応を気にすることなく、きらきらとした目を向けてくる。
「……『おっさん』」
「へ?」
「だから、『おっさん』って言うスキルだって。世の中のおっさんが使える力を何でも使えるスキルなんだ」
「『おっさん』? それがスキルなのか? どういうことだ?」
ノエルは頭に何個もはてなマークを浮かべていた眉を下げていた。
まぁ、急におっさんがスキルですと言われて呑み込むのは無理だろう。
「なんていえばいいか……ん?」
「おっさん、どうしたんだ?」
俺がそんなことを考えていると、少し遠くの方で魔物と数人の冒険者の気配が見えてきた。
よく目を凝らしていると、徐々に少し大きめの魔物と三人の冒険者と思われる人たちの気配が見えてきた。
ぼやーっと気配が見えているが、まともに動けているのは一人の冒険者だけみたいだ。
「人が魔物に襲われてるな。それも、ピンチみたいだ」
「まじかよ。おっさん、助けにいこうぜ!」
俺はノエルの言葉に頷いて、すぐに走って襲われている冒険者と思われる人たちの元へ走っていった。
……どうやら、おっさんになると困っている人を見捨てるということができなくなってくるらしい。
やっかいだなと思いながら、俺は魔物に襲われている冒険者たちのもとへと走って向かうのだった。
それから、俺たちはハイリザードがいるとされている岩山に向かっていた。
途中馬車を使って移動した後に山を登っていると、ノエルがそんな言葉を口にした。
「そりゃあ、そうだろ。魔物がいない道を進んでるんだから」
俺は何でもないことを言うようにそんな言葉を返す。
今、俺はスキル『おっさん』を使って、おっさん探検家の力を使っている。さすが探検家というだけあって、魔物の気配を感じ取ることができるので、魔物と接触する回数を極力少なくすることができていた。
すると、俺の言葉を聞いたノエルが驚いた顔で俺を見た。
「魔物がいない道? おっさん、そんなの分かるのか?」
「まぁな。だから、森の中でノエルに会った時、俺が丸腰だっただろ? 丸腰でもなんとかなった理由がそれだ」
「マジかよ、おっさんすげーな!」
「うおっ、やけに食いつきがいいな」
ノエルが両手の拳を握ってブンブンと振っていたので、俺は目をぱちぱちとさせる。
「当たり前じゃんかよ! それなら、目的の魔物だけ倒して帰れるし、余分な戦いをしないで済むじゃんか!」
「なるほど。確かにそうだな」
俺はノエルがやけに興奮していた理由に納得する。
別に魔物から逃げるためだけに使うスキルではないのか。
むしろ、このおっさん探検家の力は、効率的に依頼を達成するために上手く使えそうだ。
そう考えるとおっさん探検家の力は、冒険者からした喉から手が出るほど欲しいような力なのかもしれないな。
「おっさん、おっさん! そのやり方、うちにも教えてくれよ!」
「教えてやりたいのは山々だが、俺も分からん。ただスキルでそう言うのを使ってるだけだからな」
「スキル⁉ おっさん、スキル持ちなのか⁉」
また俺が軽く答えると、ノエルはさらに前のめりになった。
俺は目を輝かせながらぐいぐい近づいてくるノエルを落ち着かせようとするが、ノエルは目をキラキラとさせながらぐいっと近づいてくる。
いや、それにしても興奮し過ぎじゃないか?
「ス、スキルって、そんなに珍しいことなのか?」
「当たり前だろ! 数百とか数千分の一の確率だぞ!」
「そんなに珍しいものなのか?」
俺は思いもしなかったノエルの言葉に目を見開いた。
異世界アニメやラノベではスキルで無双するのが普通だっただけに、スキルがそんなに珍しいものだなんて思いもしなかった。
「それで、おっさんはどんなスキル持ってんだ?」
ノエルは俺がどんなスキルを持っていると思っているのか、やけに期待している眼差しを向けてきた。
俺は少し反応に困りながら、ノエルから視線を逸らす。しかし、ノエルはそんな俺の反応を気にすることなく、きらきらとした目を向けてくる。
「……『おっさん』」
「へ?」
「だから、『おっさん』って言うスキルだって。世の中のおっさんが使える力を何でも使えるスキルなんだ」
「『おっさん』? それがスキルなのか? どういうことだ?」
ノエルは頭に何個もはてなマークを浮かべていた眉を下げていた。
まぁ、急におっさんがスキルですと言われて呑み込むのは無理だろう。
「なんていえばいいか……ん?」
「おっさん、どうしたんだ?」
俺がそんなことを考えていると、少し遠くの方で魔物と数人の冒険者の気配が見えてきた。
よく目を凝らしていると、徐々に少し大きめの魔物と三人の冒険者と思われる人たちの気配が見えてきた。
ぼやーっと気配が見えているが、まともに動けているのは一人の冒険者だけみたいだ。
「人が魔物に襲われてるな。それも、ピンチみたいだ」
「まじかよ。おっさん、助けにいこうぜ!」
俺はノエルの言葉に頷いて、すぐに走って襲われている冒険者と思われる人たちの元へ走っていった。
……どうやら、おっさんになると困っている人を見捨てるということができなくなってくるらしい。
やっかいだなと思いながら、俺は魔物に襲われている冒険者たちのもとへと走って向かうのだった。



