ゲーム世界の悪役貴族に転生した俺、最弱の【闇魔法】が実は最強だったので、破滅回避の為に死ぬ気で鍛えまくっていたら、どうやら鍛えすぎてしまったようです~なぜかメインイベントを俺がクリアしてしまうのだが~

 「フハ、今更何かをしても遅いわい! さあ~~こちらも片をつけてやる! アイアンゴーレム、そのチビ娘から潰してしまえ! 最大出力じゃ!」

 ゴーレムの巨大な拳が、ひときわ輝きを増してララに襲い掛かる。

 「フハハハ~~跡形もなくつぶれるがいい!」

 ズンと強烈な一撃が炸裂して、地面を激しく揺らした。
 地下室全体がミシミシと悲鳴をあげる。

 「よ~~しこれでチビ娘は片付いたわい。さて、お次は―――!?」


 「―――なにが片付いたんだ?」


 ララにゴーレムの一撃は届いていない。

 当然だ。


 俺が止めているからな――――――


 「―――馬鹿なぁあ! 最大出力の打撃だぞ! 人間の手で止められるはずがない! いかなる付与魔法をもってしてもあり得ん!」

 止めるに決まってるだろ……ステラとララ、俺の大事な2人に手を出すんじゃねぇええ!

 「おい、クソ司教がぁあああ! 覚悟しやがれ――――――

 漆黒の闇よ、その禍々しき黒で押しつぶせ、
 ―――重力増魔法(グラビティアップ)!」

 詠唱が【深淵闇魔法】に書き換わる。

 「深淵の闇よ! その無限の深みで押しつぶせぇええ!
 ――――――深淵の終焉重力増魔法(アビスグラビティアップエンド)!!」

 ゴーレムを中心に強力な重力フィールドが広がり、フィールド内のGが急加速をはじめる。

 ……ミシミシ

 「フハ~~、無駄だじゃわい! アイアンゴーレムの防御は無敵! 多少重くしたところでなにもかわらんわい!」

 ………ミシミシミシ

 「フハ? なんだこの音は……まさか!?」

 …………ミシミシミシミシミシ

 この世にはな―――

 ゴーレムの身体に次々と亀裂が走り、破片がバラバラと落ち始めた。


 「潰れないものなんてないんだよ!
 ―――――――――押しつぶせぇええええ!」


 黒い重力に耐え切れなくなり、粉々に粉砕されるアイアンゴーレム。


 「フハぁあああ!? あ、あり得ん! ライトシールドでコーティングされた鉄のボディを押しつぶすだとぉおおおお! フハッ―――ぷぎゃあぁあああ!!」

 アイアンゴレームの粉砕された瓦礫が降り注ぎ、埋まっていく司教。


 「おまえはそこで黙って反省してろ」


 決着はついた。

 そこには瓦礫の山しか残っていない。

 「ふぅ……」

 相変わらず魔力消費量がけた違いだ。ほとんどの魔力を持っていかれたな。


 バフっ!

 「ご主人様~~やっぱり凄いです~~!」
 「わ~~ん、アビロス君~~怖かったよぉおお~~!」

 ララとブレイルが飛びついてきた。
 ララはいいとして、ブレイル……おまえはもうちょっと主人公らしいセリフないのか……
 なぜヒロイン枠ムーブなんだよ。

 「さて……まだ終わってないぞ」
 「ハイです! ご主人様!」
 「ララ、おまえなら絶対にできる。頼んだぞ!」
 「ハイです! お任せあれです!」

 ララが素早くステラたちの方へ走っていった。

 「アビロス君、ララさんは何をするの?」

 何をするって……決まっている。
 ここでステラたちを救えるのはララだけだ。


 ララが元気よくステラの両肩を掴んで、そのかわいい顔をグイグイ近づける。

 「ちょっ……ララ……ちゃん? なに……を……」

 むちゅ~~~~~~

 「ちょっ……ん、んん……」

 ステラの顔から毒気がどんどんなくなっていくと同時に、その綺麗な顔はトマトのように真っ赤に染まっていった。
 かわいい顔同志が密着してやがる……

 「ぷはぁ~~ステラさまの毒は完全に吸い取ったです~~美味しい~~です!」

 ララの毒耐性はここにきてさらに極められたようだ。
 ステラの解毒魔法ですら対処できない毒をやすやすと……まあ過程はなんともいえんけど。

 「さあ~~~次行くです~~!」
 「ふあっ! ララかぁ……な、なにを……ん、んん……」
 「こら! マリーナさま暴れちゃだめです~~むちゅ~~~~~~」
 「ひ、ひあ……ん、んん……はぁはぁ……んんんんっ!」

 「最後は~~~第4王女のエリスさまです~~~~」
 「ええ……どちらさまですか……わたくしのはじめて……ん、んんんっ……」
 「死んだらこれから楽しい事なしになっちゃうです~~だから我慢するです~~むちゅ~~~~~~」
 「ふやぁああん……ん、もう許して……んん……んんんんっ!」


 しかし……うわぁあ……すごいなこれ。


 4人の美少女が……いやいや、やらなきゃ死んでしまうんだ。


 「うわ、アビロス君……す、凄いよ! 女の子同士でムチュ~~って、うわうわ」
 「ブレイル! 見るんじゃない。これは必要な事なんだ」

 顔を真っ赤にして、うわうわ言ってるゲーム主人公の肩を掴んでまわれ右させる。

 おい、モジモジするんじゃない! おまえ覚醒してから変だぞ。

 そこへ2つの足音が近づいてきた。

 「あ、アビロス君……え? え? これ……なに!?」
 「うわうわ~~王女さまたちなにやってるの、アビロっち……あんたまさか全員無理やり!?」
 「ウルネラ! アビロス君はそんな人じゃないもん! そうだよね! ねえ! ウソだよね!」


 ナリサとウルネラだ。
 ああ~~このタイミングで登場かよ……完全にドン引きじゃねぇか……


 よし、2人にはしっかり説明しよう。
 変な誤解は絶対に解かなければならない。