テストも終わり、あっという間に花火大会の日に。

「よしっこれで終わりだよ」

「ありがとう。おばあちゃん」

「やっぱり凪ちゃんにとっても似合うねぇ。」

紺色の生地に大輪の花火が入った浴衣。
お爺ちゃんの思いが感じられる
そんなデサインだった。

「うんと楽しんできなさいねぇ」

「うん行ってきます」

そう言うと待ち合わせの場所へと急いだ。



花火を楽しみに待つ
人達の会話が行き交う場所で佐伯くんを待った。

「先輩~!!すみません!混んでて遅れちゃって」
佐伯くんいつものように走って僕のところへ
向かってくる。 けれど僕をその目に写した瞬間
ピタリと止まる彼の足。
心配になって僕の方から駆け寄る。

「どうしたの?体調で悪い?」

「いやっ先輩の浴衣が姿が
俺には刺激が強いと言うか、、」

「あっごめん!変だよね」

「変な訳ないじゃないですか!
似合いすぎてて俺、もう、
いやっ行きましょ!花火までまだ時間あるから屋台で何か買いましょう?」

「うん、そうしよう。」
似合うと言われて、照れくさい気持ちになる。
少し赤くなった頬をさますように、
両手を頬に当てた。
そして佐伯くんの半歩後ろを歩き始めた。