「最近少し気持ちが楽になったのかねぇ。凪ちゃん」

「おばあちゃん、、」

帰宅後、祖母が僕をみてそっと呟く。

「爺さんが亡くなってから
凪ちゃん元気無かったからねぇ。」

「そう、、見える?」

「そうさ。凪ちゃんは優しいから
ずっと悩んでる事知っとるよ。」

「、、、、。」

「爺さんのことで凪ちゃんはなーんも悪くない
だから好きなことも辞めないで欲しい」

「おばあちゃん心配かけてごめん。」
今はまだそれ以上言える言葉が見つからなかった。

「いいさ、いいさ。」

「それより花火大会にいくんだろう?」

「何で分かったの?」

「おばあちゃんねぇ凪ちゃんの事なら
何でも分かるんだよ」

「うん、、。初めて友達と行くんだ。」
少し恥ずかしそうに小さな声で答える。

「そっか、そっか、良いことやねぇ。」

「そうだ。爺ちゃんのお下がりで良ければ浴衣着ていくかい?凪ちゃんにとってもお似合いだと思うよ」

大好きなお爺ちゃんの浴衣。
着ない理由なんて無い。

「うん着たい、、。張りきりすぎかな?」

「そんなことないさぁ。とっても良いことだよ。
おばあちゃん張りきって着付けしてあげるねぇ」

「ありがとうおばあちゃん。」

そんな会話を交わしながら、僕は心の中がほんの少しだけ暖かくなる気がした。