連絡先を交換した夜、
スマホの着信がなった。

スマホを見れば佐伯くんから。

僕は急いで通話ボタンを押す。

「こんばんは!凪先輩今なにしてますか??」

連絡先を交換した事がなかったのだから
もちろん通話をすることも初めて。

「えっと本を読んでた。」

「俺はギター弾いてました。」

「部活の練習?」

「はい!今年の文化祭でやる曲で、、」

「そっそうなんだ。佐伯くん凄いなぁ。
僕邪魔してない?」

「そんなことないです!むしろ急に電話
してしまってすみません、、。
その、先輩が良ければ聴いて欲しくて」

「うんっ。僕で良いなら。」

「良かった、、。少し弾いてもいいですか?」

「うん」
そう言うと佐伯くんはギターの音色を
奏ではじめた。

知らない曲なのに
心に暖かい風が吹き込むような気がした。 
心地よい。

「素敵な曲だね。ゆっくりで落ち着いてて、
何か心地良い気がする。」

「本当ですか!」

「実はこれ俺が勝手に弾き語りにしているだけで バントでやると結構盛り上がる感じなんです!
楽しみにしててください!」

「うん楽しみにしてるよ」

「えへへ嬉しいなぁ。今日は良く眠れそうです!
お休みなさい。凪先輩」

「お休み」

そう答えると電話が切れる。


佐伯くんとの過ごす日々は
たった数分間の時間でさえ、
初めての事と沢山出会う。
沢山の感情を知れる。

僕はそう思い始めていた。