次の日から日常が変わっていった。

学校の最寄りの駅につき、歩いていると
後ろから大きな声が近づいてくる。
「先輩~!!!おはようございます!!」

振り向かずとも佐伯くんだと分かった。

一度話したからもう終わりだと思っていた
けれど、どうやら違ったらしい。

「おはよう、、」

「偶然ですね!会えて嬉しいです!
一緒に行きましょ??」
佐伯くんは笑顔で答える。

目的地は一緒だから断る理由もなく
僕はコクっと頷いた。

「先輩も電車通なんですね」

「うん」

「毎日会えたらいいな~」

「えっ、、、毎日?」

「はい!」 

「朝から先輩に会えたら俺1日頑張れそうです!」

朝から佐伯くんは元気一杯に答え、
僕の隣を歩く。


お昼になれば当然のように
空き教室にきて、お昼を食べ始める。

佐伯くんは、話すことが好きらしい。
学校の事、趣味、部活の話など色々。 

数学が苦手。部活は軽音部。
趣味はギターを弾くこと。

それも決まって僕の隣に座りながら。

僕は口下手だから下手な相づちを
打つことくらいしか出来ない。

それでも嬉しそうに話しかけてくる
佐伯くんに、少しずつ緊張がほどけていった。