｢うっ、うん大丈夫。ごめんね焼きそば
ありがとう。｣

｢店員さんがおまけって言って
大盛りにしてくれたんです！｣

｢すっ凄い量、、｣

｢えへへ、俺の手に掛かれば
おまけをつけてもらうことなんて朝飯前です！｣
と佐伯くんは得意げに話す。


｢頂きます。｣

｢頂きます～！｣
２人は近くのベンチに腰おろし、
並んで焼きそばを食べる。

｢美味しいですね！先輩｣

｢、、、。｣

その味はあの日祖父が買ってくれた
焼きそばの味がした。


どうしてだろう。今日は祖父との思い出が
溢れてくる。
どうしよう。抑えなきゃ。
込み上げくる涙をこらえて
佐伯くんに話しかけようとするけれど、
上手く出来なくて言葉がでない。

｢人に酔ったかも。ちょっとあっちで飲み物
買ってくるね。｣
僕は立ち上がりその場を離れようとすると、

｢先輩待って。｣
僕の腕をつかんだ。

｢、、、。｣

｢先輩がずっと悩んでいることは
気付いていました。力になりたいです。
僕に話してくれませんか？｣

真っ直ぐに見つめてくる。
その眼差し、声が優しくて僕は、
佐伯くんになら、、そう思い
小さく頷いた。

｢ここは人が多いし、
話しづらいと思うから
俺良い所知ってるんで、移動しませんか？｣

｢うんっ。｣
僕は泣くのを我慢しているせいで
震えている声で答える。

そしてなにも言わず佐伯くんは
手を差し伸べる。

僕はそっと手を重ねた。

あの日無意識に手を繋いだ時より
ずっと暖かかった。

少し歩いてたどり着いた先は
祖父との思い出の場所、
小さな祠のある神社だった。

｢ここ俺大好きな場所なんです。
まだ誰にも言ったことはなくて、｣

｢、、。ぼっ僕もここが大切な場所｣

僕は震える声でそっと話し始めた。