学食に集まった四人。俺、小林、瑞葉、ハルちゃん。
まず小林が言う。
小林
「義孝、反省するところはあるのか?」
俺
「反省ばかりです」
瑞葉・華
「「……」」
小林
「お前がやったのは、瑞葉ちゃんという彼女がいながら、ハルちゃんとも付き合ってしまった、男の風上にも置けない悪行だ」
俺
「はい、その通りです」
瑞葉
「もう義孝君、信じられない。ハルちゃんとキスまでしただなんて。ハルちゃんはファースト・キスだったのよ、ファースト・キス!」
華
「しぃ~~! ミ、ミズハちん、声が、声が大きいよぉ~」
瑞葉があまりにも普通の声量で話すものだから、ハルは恥ずかしくなり人差し指を唇の前に立てて、お願いだから声を落とすように目でも訴えた。ここは学生食堂、すでに周囲の視線が自分たちに集まってきているのをハルは感じていたが、そんな事はお構いなしに、瑞葉は相変わらず周囲に聞こえるような大きな声で話し続ける。
瑞葉
「いい、女の子にとってファースト・キスはとても大切なものなの! 男子が考えるよりも、もっと、ずっと。心の大切な思い出になるのが初めてのキスなの。純なハルちゃんが可哀想だと思わないわけ!?」
華
「ミ、ミズハち~~ん~~! 声大きいよぉ~」
ハルは既に涙目であった。
俺
「確かにキスしてしまったことは申し訳なかったけど、瑞葉とは一年に一回しかキスできないんだから、気持ちが抑えきれなかったんだ、言い訳でごめんだけど……」
瑞葉
「本当に言い訳、だけだよね」
俺
「申し訳ございませんでした」
華
「本当にミズハちんとは一年に一回だけなの? キス」
瑞葉
「結婚するまではダメなの。本来はキスも駄目なの。だって、未婚の男女が先に進んでしまうキッカケだもん」
俺
「僕が拝み倒して、一年に一回は出来るというルールを作って頂きました」
華
「恋人同士なのに、すごいルールね。通算何回なの?」
俺
「三回です」
小林
「ハルちゃん、彼らは付き合って四年目だそうだ」
華
「それでキス三回だけなの? 私の入れて四回……。私は一回だけ……」
俺
「はい」
ハルは唇を真横に結んで一回しかないキス経験を考え、何らかの決意を覚悟した顔で真っすぐに義孝を見つめながら言った。
華
「あ、あのですね、もし、もし良かったら、私が代わりにキスして、キスして欲しい……もいい、かもしれない……よ」
瑞葉
「ハルちゃん」
華
「ご、ごめんなさい」
速攻で瑞葉に叱られたハルだった。
小林
(サトシが食堂にいなくて良かった。嫉妬で死ねるだろ、間違いなく)
小林
「とにかくだな、二股は良くない。まだ高校生だからなオレたち。性に奔放になるには若すぎる」
俺
「はい。まだ僕たち高校生です」
瑞葉
「なに言ってるの、高校生じゃなくても二股はダメだよ!」
◇
俺はベッドの上で寝転んで考えていた。
一年に一回のキス、そりゃ、高校生でキスが出来るだけで上出来だよな。
同じストローで間接キスだの、幻のあーんで箸の間接キスだの、彼女が座っていた椅子に座るとドキドキするだの、甘酸っぱい世界なんだから思春期って。
でも俺は瑞葉と一年に一回とはいえ、キス出来てしまうと先に進みたくなってしまう。健全な高校男児、男の子だもんなぁ。
瑞葉が俺の腕をとって、組んだ時に胸の柔らかさというか、腕のぬくもりとか、伝わってくるのは正直とても嬉しい。しかし、キスが一年に一回という制約のせいで欲求不満がたまるというか、加速してしまうというか、こうモンモンしてしまうよな。
一瞬でも胸触った日にゃ、瑞葉は怒るよな。きっと十日は口をきいてくれないな。
うーむ。そうだ、ウジウジしてても始まらない。丁度バイト料も入ったばかりだし、コンビニでも行って、スナックやパン、妹の由愛の好きなイチゴケーキでも買ってくるか。
まず小林が言う。
小林
「義孝、反省するところはあるのか?」
俺
「反省ばかりです」
瑞葉・華
「「……」」
小林
「お前がやったのは、瑞葉ちゃんという彼女がいながら、ハルちゃんとも付き合ってしまった、男の風上にも置けない悪行だ」
俺
「はい、その通りです」
瑞葉
「もう義孝君、信じられない。ハルちゃんとキスまでしただなんて。ハルちゃんはファースト・キスだったのよ、ファースト・キス!」
華
「しぃ~~! ミ、ミズハちん、声が、声が大きいよぉ~」
瑞葉があまりにも普通の声量で話すものだから、ハルは恥ずかしくなり人差し指を唇の前に立てて、お願いだから声を落とすように目でも訴えた。ここは学生食堂、すでに周囲の視線が自分たちに集まってきているのをハルは感じていたが、そんな事はお構いなしに、瑞葉は相変わらず周囲に聞こえるような大きな声で話し続ける。
瑞葉
「いい、女の子にとってファースト・キスはとても大切なものなの! 男子が考えるよりも、もっと、ずっと。心の大切な思い出になるのが初めてのキスなの。純なハルちゃんが可哀想だと思わないわけ!?」
華
「ミ、ミズハち~~ん~~! 声大きいよぉ~」
ハルは既に涙目であった。
俺
「確かにキスしてしまったことは申し訳なかったけど、瑞葉とは一年に一回しかキスできないんだから、気持ちが抑えきれなかったんだ、言い訳でごめんだけど……」
瑞葉
「本当に言い訳、だけだよね」
俺
「申し訳ございませんでした」
華
「本当にミズハちんとは一年に一回だけなの? キス」
瑞葉
「結婚するまではダメなの。本来はキスも駄目なの。だって、未婚の男女が先に進んでしまうキッカケだもん」
俺
「僕が拝み倒して、一年に一回は出来るというルールを作って頂きました」
華
「恋人同士なのに、すごいルールね。通算何回なの?」
俺
「三回です」
小林
「ハルちゃん、彼らは付き合って四年目だそうだ」
華
「それでキス三回だけなの? 私の入れて四回……。私は一回だけ……」
俺
「はい」
ハルは唇を真横に結んで一回しかないキス経験を考え、何らかの決意を覚悟した顔で真っすぐに義孝を見つめながら言った。
華
「あ、あのですね、もし、もし良かったら、私が代わりにキスして、キスして欲しい……もいい、かもしれない……よ」
瑞葉
「ハルちゃん」
華
「ご、ごめんなさい」
速攻で瑞葉に叱られたハルだった。
小林
(サトシが食堂にいなくて良かった。嫉妬で死ねるだろ、間違いなく)
小林
「とにかくだな、二股は良くない。まだ高校生だからなオレたち。性に奔放になるには若すぎる」
俺
「はい。まだ僕たち高校生です」
瑞葉
「なに言ってるの、高校生じゃなくても二股はダメだよ!」
◇
俺はベッドの上で寝転んで考えていた。
一年に一回のキス、そりゃ、高校生でキスが出来るだけで上出来だよな。
同じストローで間接キスだの、幻のあーんで箸の間接キスだの、彼女が座っていた椅子に座るとドキドキするだの、甘酸っぱい世界なんだから思春期って。
でも俺は瑞葉と一年に一回とはいえ、キス出来てしまうと先に進みたくなってしまう。健全な高校男児、男の子だもんなぁ。
瑞葉が俺の腕をとって、組んだ時に胸の柔らかさというか、腕のぬくもりとか、伝わってくるのは正直とても嬉しい。しかし、キスが一年に一回という制約のせいで欲求不満がたまるというか、加速してしまうというか、こうモンモンしてしまうよな。
一瞬でも胸触った日にゃ、瑞葉は怒るよな。きっと十日は口をきいてくれないな。
うーむ。そうだ、ウジウジしてても始まらない。丁度バイト料も入ったばかりだし、コンビニでも行って、スナックやパン、妹の由愛の好きなイチゴケーキでも買ってくるか。



