「今日こそ、平和な一日を……」
瑠一は、いつものように校門をくぐりながら小さく祈った。文化祭も終わり、校内は少しだけ静けさを取り戻している。昨日の感謝状の余韻が、まだ胸の奥に残っていた。
「……まあ、今日は何も起きないだろ」
そう思った瞬間、背後から元気な声が響いた。
「瑠一先輩! 聞いてくださいっす!」
「……来たか」
振り返ると、蓮が満面の笑みで駆け寄ってくる。手には何やら紙袋。中から見えたのは、風船、紙吹雪、そしてなぜかスライムの材料。
「今日は何やらかすんだ?」
瑠一は苦笑しながら問いかけた。
「今日は何もしませんよ! ……多分!」
「多分って言うな!」
蓮は笑いながら、瑠一の隣に並んで歩き出す。
「でも、瑠一先輩がいるから、俺は安心して暴走できるっす!」
「安心して暴走するな!」
「じゃあ、ちょっとだけ暴走するっす!」
「ちょっともダメだ!」
二人の声が、朝の校舎に響く。いつもの日常。いつもの掛け合い。何も変わらないようで、どこか少しだけ変わった気がした。
瑠一は、蓮の横顔をちらりと見た。
「……まあ、今日も見張っててやるよ」
「さすがブラック見張り番っす!」
「その呼び方、やめろ」
蓮は笑った。
瑠一も、少しだけ笑った。
今日も平和は訪れないかもしれない。
けれど——明日もきっと、この日常は続いていく。
瑠一は、いつものように校門をくぐりながら小さく祈った。文化祭も終わり、校内は少しだけ静けさを取り戻している。昨日の感謝状の余韻が、まだ胸の奥に残っていた。
「……まあ、今日は何も起きないだろ」
そう思った瞬間、背後から元気な声が響いた。
「瑠一先輩! 聞いてくださいっす!」
「……来たか」
振り返ると、蓮が満面の笑みで駆け寄ってくる。手には何やら紙袋。中から見えたのは、風船、紙吹雪、そしてなぜかスライムの材料。
「今日は何やらかすんだ?」
瑠一は苦笑しながら問いかけた。
「今日は何もしませんよ! ……多分!」
「多分って言うな!」
蓮は笑いながら、瑠一の隣に並んで歩き出す。
「でも、瑠一先輩がいるから、俺は安心して暴走できるっす!」
「安心して暴走するな!」
「じゃあ、ちょっとだけ暴走するっす!」
「ちょっともダメだ!」
二人の声が、朝の校舎に響く。いつもの日常。いつもの掛け合い。何も変わらないようで、どこか少しだけ変わった気がした。
瑠一は、蓮の横顔をちらりと見た。
「……まあ、今日も見張っててやるよ」
「さすがブラック見張り番っす!」
「その呼び方、やめろ」
蓮は笑った。
瑠一も、少しだけ笑った。
今日も平和は訪れないかもしれない。
けれど——明日もきっと、この日常は続いていく。



