誓約庁の刻印師は、紙の匂いと鉄の匂いをまとって現れた。
 常世の回廊の白布が朝の風に素直に揺れ、揺れの間から灰色の衣が見える。男は背をかがめずに歩く人だった。無駄のない運び。肩は細く、袖口から覗く手の骨ばっているところだけが年齢を示していた。指先に薄い火傷の痕がある。火ではなく、光に焼かれた痕だと綾女はすぐに思った。燃え跡ではない、光跡。
 刻印師は、門楼の拍に一礼し、次に常夜灯に一礼し、最後に凪雪と綾女に視線を落とした。目は刺さらない。読める目だった。読むためには、先に、置く。置かれた視線は、重さが少なくてよく、少ない重さは長く持つ。

「誓約庁・刻印師の圭(けい)と申す」

 声は低く、わずかに枯れている。墨をすっている人間の喉だ。
 篝が脇に控えてうなずく。圭は軽く顎を引き、白布の間へと足を進めた。
 誓印の儀を行う間は、扉は半開きにしておく。閉じれば沈み、開けすぎれば散る。半分がちょうどいい。半分で十分なことを、いつもより少しだけ丁寧にやる。

 白布の中央に、低い台。台には、透明な板が三つ。板には細い金線が走っていて、金線の交点に小さな白羽の刻(しるし)が据えられている。板の脇に、淡い青光を帯びた細い針が三本。針といっても先は丸く、皮膚を破らない。刺青ではない、と凪雪が昨夜言っていた。皮膚の下に「光の回路」を配線する。配線は血の川に抗わず、神経の流れを邪魔せず、骨の歌い方に耳を傾けて置く。
 圭は布手袋を外し、指の節をひとつずつ折り曲げて動きを確かめた。指の関節が鳴る。鳴る音は小さく、拍に逆らわない。

「三誓の刻み、承る。——第一紋、嘘を拒む印。第二紋、名の護り。第三紋、春の節」

 短い説明の間、綾女は息の速度を落とした。
 第一紋。嘘をついた瞬間、身体が強い痛みで警告する。痛みは罰ではなく、境の標(しるべ)。
 第二紋。本名は本人の意思なく外へ漏れず、偽名に異物感が走る。名を奪わぬ誓いは、自分の輪郭を守る誓いでもある。
 第三紋。季節配当の拍から逸脱しようとすると、心臓が拍落ちを起こす。拍落ちは倒れるための前触れではない。止まれ、という標識。止まれば戻れる。

 圭は、まず綾女の左の掌を取った。掌に白羽の透かしが、薄く浮かぶ。昨日の白羽は内側に沈み、今日の白羽は外側で道標になる。
 透明な板のうち、第一の板を掌の上に軽く乗せる。板の金線がわずかに光り、びり、と空気が薄く凪いだ。圭は針を取り、板の端に触れた。針先から、明るさが一滴だけ落ちて、皮膚の下へ沈む。沈むとき、痛みはない。代わりに、指の骨が一本ずつ名前を思い出す感覚が走る。示指、中指、環指、小指、拇指。骨に名前があることを、身体が復習する。名前は輪郭だ。
 板の金線は、綾女の皮膚の下に模様を描かない。走るのは見えない光だ。光は「嘘」という音にだけ反応する。嘘は、音だ。音で、身体は嘘を見分ける。

「痛んだら、言え」

 凪雪が言い、綾女はうなずいた。
 圭は第二の板を鎖骨のあたりに置き、針先で光を落とす。胸骨が、古い扉のように、ぎし、と内側で鳴る。鳴るのは痛みではない。記憶の蝶番の乾き。呼ばれたことのある名、呼ばれないまま忘れた名、呼んだことのある名、呼べなかった名。名のほうから身体を選ぶことだってある。名は、双方向だ。

「——名は、器の輪郭」

 綾女が小さく呟くと、圭の目が一瞬だけ綾女を見た。刻む手は止まらない。
 第三の板は、首筋の白羽痣の中心へ。白羽の輪郭の内側に、やわらかな熱が生まれる。熱は、すぐに音へと変わる。音は、心臓の打つ音と絡まり、やがて合う。合うとき、綾女の背骨に、春の初めの空気の匂いが立った。
 第三紋の説明を、圭が短くまとめる。早取りは、骨を折る。節(ふし)に指をかけすぎれば、撥(ばち)が弦を切る。待てば、音のほうが先にこちらへ来る。——待つ。待つことを、身体に刻む。

 刻みの手順は痛みを伴わなかった。けれど、終わる頃、綾女の胸の奥には、喉の奥に紙片が一枚引っかかったような感覚が残った。紙片は固くない。柔らかい。柔らかい紙片は、溶けるのに時間が要る。時間は、待つことでしか生まれない。

「終わりだ」

 圭が板を外すと、皮膚には跡ひとつ残らなかった。残らないことが、かえって重い。見えないものは、あとで効く。
 常夜灯が二拍三連を刻む。拍は途切れない。途切れないのに、その合間合間に、綾女の内側で、別の拍が小さく起こる。嘘を拒む拍、名を守る拍、春を待つ拍。拍が三つ、骨の縁に沿って置かれた。

 儀の後、綾女は深く息を吐いた。吐いた息の端に、幼い日の土の匂いが混じっているのに気づく。
 春の始め、孤児院の庭で花を植えた日。小さな手で土をほぐし、柚の古いスコップで畝をつくり、種を指で押し込む。わずかな温かさを奪わないように、そっと。
 咲き急いだ花は長持ちしなかった。日当たりのよい場所に先に芽吹いた苗は、嬉しくて、綾女は毎朝毎朝見に行き、毎朝水をやり、ついに、茎は柔らかいうちに折れた。急いだのは花ではなく、見守るこちらの拍だったのだ。
 第三紋の説明は、記憶の裏面にすでに書き込まれていたのだ、と遅れて気づく。身体で先に知っていた、というやつ。

「大丈夫か」

 凪雪が尋ね、綾女はうなずいた。涙は出ない。涙の代わりに、首筋の内側で、白羽が片方だけ、ふわりと浮いて、また沈んだ気がした。

      *

 儀の後の短い試食は、台所の隅で行う。
 常世の台所は、木と紙と、薄い鉄でできている。床は白布ではなく、踏みしめると音のする木。音は小さい。小さい音は、鍋の音を邪魔しない。
 凪雪が手際よく鍋を置き、火をつける。火は勢いよく上がりすぎない。白羽の陰で、炎は細く揺れ、鍋底全体に同じ熱を渡す。
 だしの香りがふっと立つ瞬間、綾女は自分の舌が鳥のように首をひねるのを感じた。塩の輪郭はまだ掴めない。けれど、香りの層は読める気がする。香りは層で届く。層は順番で届く。順番は拍で届く。

「塩を使わずに輪郭を作る」

 凪雪は、澄んだ汁を小さな椀に注ぎ、綾女の前に置いた。
 湯気が髪を撫でる。湯気に触れた髪は、香りを少しだけ残す。
 椀を鼻に寄せる。まず、出汁の陰影。最初に顔を出すのは、薄い甘み。次に、干したものの香りが低く出て、最後に、青い葉の気配が後ろから追いかけて来る。
 口に含む。温度は舌の上を滑り、舌の後ろへ行く前に、上顎で音を立てる。音は、骨に届く。
 塩の形はない。けれど、輪郭は感じられた。輪郭は、塩ではなく、陰影で作られている。周りの影を濃くすることで、中央を浮かび上がらせる。絵と同じだ。

「塩気の代わりに、出汁の“陰”を濃くする」

 凪雪が説明する。
 陰を濃くするなら、光もいる。光は香りだ。鼻の奥で立ち上がる香りを、口の中の温度で受け止める。受けて、束ねて、寝かせる。ここでも手順は同じだ。
 彼は薄く削った昆と、ほぐした干し魚、少しのきのこを使い、表立って主張しないものばかりを重ねていく。表立たないものが重なるとき、場は静かに厚みを増す。厚みが出れば、そこに塩がなくても、輪郭は立つ。

「味は、温度で輪郭を思い出すことができる」

「温度、ですか」

「うむ。温度は、拍だ。拍が揃えば、輪郭が起き上がる」

 綾女は、湯気の白さを目で追いながら、その言葉を骨の中に置いた。骨の中の管に、湯気の温度が少しだけ張りつく。
 彼が小さな皿を取り、刻んだ柑の皮をひとかけら落とす。香りがふっと整列し、汁の輪郭が一段階、はっきりした。
 塩は、なくてもよい日のために、別の輪郭を準備しておく。別の輪郭は、急場のためではない。いつか、誰かのために必要になる。

「……わかります」

 綾女は小さく笑った。笑うには、体力が要る。笑いは、仕事だ。
 凪雪は頷き、篝のほうを見た。篝は戸口に立って、紙束を小さく動かしていた。紙は重そうに見えないのに、手の筋が薄く浮いている。紙の重さは、数字ではなく、呼吸の数で測るのだと綾女は思った。

「篝、君も」

「後で」

 篝は短く答え、紙束の上の一枚を抜き取った。
 帝都・配水局より。文面は——丁寧だ。丁寧で、柔らかい言葉が多い。柔らかい言葉ほど、骨が目立つ。
 太政の名を騙る署名が、そこにあった。印影は確かに朱で、朱の芯は太く見える。けれど、呼吸がない。押した手の拍が、紙に残っていない。呼吸のない印は浮く。浮いた印は、後ろの紙に朱を移さず、表面で乾く。乾いた朱は、恥だ。
 篝の顔色は変わらない。変わらないこと自体が変化のサインだ。普段の篝は、紙にだけ顔色を見せる。いまは、顔に紙の色が薄く乗っている。

      *

 午後、刻印の余韻が骨の中で馴染む頃、第二紋が、ほんのさざ波のように疼いた。
 疼きは痛みではない。針先で“ここ”と告げる合図。
 綾女は首筋に軽く触れ、拍に合わせて数えた。四、八、十二。疼きは短い周期で戻る。周期は、遠くで誰かが“名”に触れているサインだ。名は呼ばれ、呼ばせられ、時に、借りられる。借りたなら、返せ。返せないなら、借りるな。
 昨日、篝が言った「名は、書き換えられる」という言葉が、喉の奥の紙片を湿らせた。湿った紙片は、まだ溶けない。

 凪雪が近寄り、白羽の栓に指を当てる。瓶の中は安定している。怒りは底で丸まり、哀しみは座り、恐れは長い揺れを保ち、恥は乾いたまま隅で光る。
 篝が紙束を一枚抜き、綾女に見せずに、声だけで読む。

「……『善意の先払い』。新しい言い換えだ」

 先払い。
 春の先払い。
 花を咲かせるために、冬を短くする。——その日の夕方は、花は派手に咲く。明くる朝に、茎が折れ、葉が乾き、根が浅くなる。
 子どものときの庭が、胸の奥でぱきっと鳴った。茎が折れる音は、骨の音に似ている。骨は、折れる前に一度だけ高い音を出す。高い音は、美しい。美しいから、怖い。

「灯下で読むか」

 凪雪が問う。
 綾女はうなずいた。読む。読むことで、名の輪郭を灯の下に呼び戻す。読み上げる声は、押印の声だ。押すのは手だけではない。声も押す。
 刻印師の圭は、薄い箱に道具を戻し、静かに言った。

「灯の下で。——名は灯下で強い」

 短い言葉が、白布の光りの縁で止まり、そこに座った。
 圭は深く礼をして、回廊の向こうへ消えた。消えるときまで背を曲げない。去る姿勢が、来た姿勢と同じであることは、物事の信頼の半分だ。

      *

 夕刻、常世の内庭。
 願い札の棚の前で、綾女は香り包みをほどいた。柑の皮、焙じた出汁、香の薄片。香りは、拍を整列させる脇役だ。主役ではない。主役を支えるのが、いちばん難しいときがある。
 第二紋がまた、さざ波のように疼く。疼くたびに、偽の息遣いが遠くで立つ。名が、誰かの舌で位置を見失っている。
 白羽の小旗を子どもに渡し、数え歌を始めた。四、八、十二。合間に短い「いち」を混ぜる。混ぜることで、拍に遊びが生まれる。遊びは余白。余白があれば、列は折れにくい。
 篝は帳面の端に、「善意の先払い」の字の息継ぎを朱で囲む。囲まれた字は、逃げ場が減って、声に出したときに躓きやすくなる。躓きは、恥だ。恥は、灯下で乾かす。

 そこへ、配水局の使いが駆け込んだ。裾は濡れていない。濡れていない足は、遠くから来ていない。近くから、急いで来た足。
 使いは篝を見るのではなく、凪雪を見た。凪雪を見たのは、凪雪のほうが怖いからではない。拍がそこにあるからだ。拍に向かって報せると、報せは短くなる。短い報せは届く。

「太政の名の署名、配水局の受理簿に多数。印影は朱、芯太。……ですが、呼吸が——」

「ない」

 篝が代わりに言った。
 綾女は喉の奥の紙片が、ふやけて形を変えるのを感じた。形を変える紙片は、まだ飲み込めない。
 第二紋の疼きが一瞬だけ鋭くなり、すぐに収まった。鋭さの方向はわかる。帝都の南、配水局の裏口。裏口の板札に、新しい言い換え。——善意の先払い。善意が悪意のふりをする日もあり、悪意が善意のふりをする日もある。ふりは、名に最初に触れる。

「読み上げだ」

 凪雪が短く言い、常夜灯の格子をひとつ増やす。光は少し強くなるが、眩しくはならない。眩しい灯は、読み上げには向かない。文字が白飛びする。
 広場に板が運ばれ、白羽の刻印が押され、二頁三行が掲げられる。言葉は短い。短さは、場の重さを薄くする。薄くすれば、たくさんの足音が通れる。
 読みにくい言葉は、灯の下で音がひっかかる。ひっかかったところに朱が落ちる。落ちた朱は、誰の指にもつかない。指につかない朱は、紙だけを染める。染まった紙は、次に読む子の指で乾く。乾いた恥は、風に弱い。弱ければ、飛ぶ。

 読了のあと、綾女は息を整えた。首筋の内側の白羽は、大人しく、浅い呼吸をしている。
 圭の針が置いた光の回路は、皮膚に跡を残さず、骨の縁に沿って淡く鳴り続けている。嘘を拒む印は静かで、名の護りは時折さざ波を立て、春の節は深く深く、土の方角で眠っている。眠りは仕事だ。目覚めたときに使えるように、眠る。
 香り包みからもう一度、焙じた出汁の薄片を取り、綾女は鼻の奥で受けた。受けて、束ねて、寝かせる。食べもののためだけではない。声のためにも、名のためにも、拍のためにも。

      *

 夜の前、短い間。
 台所に戻ると、凪雪は湯を細く落としていた。湯は音を立てない。音を立てない湯は、皿の上に乗りやすい。皿の上に乗りやすい音は、声の隣で邪魔をしない。
 綾女は、昼に聞いた「温度は拍」という言葉を思い出し、椀を両手で包んだ。温度をまず手で受け、次に鼻で受け、最後に舌で受ける。順番を変えると、輪郭は変わる。順番は、拍の別名だ。

「塩は、まだ」

「はい」

 塩はまだ遠い。遠いのは、悪ではない。遠いから、手順が要る。
 凪雪は、椀に細い柑の皮を落とし、香りの細い梯子を舌にかけてくれた。梯子があれば、登る順番ができる。順番があれば、怖くない。

「——ありがとう」

 綾女は小さく言った。言いながら、首筋の白羽の内側で第二紋がふっと波打つのを感じる。波は一回で、すぐに消えた。
 遠くで、篝の筆が止まった。止まったのは、書くことをやめたからではない。書けない言葉に当たったからだ。書けない言葉は、灯の下に出す。出せば、誰かが読む。読む声が躓き、躓いた場所に朱が落ちる。

      *

 夜更け。
 刻印師の圭は、常夜灯に向かって深く礼をし、門楼のほうへ戻って行った。去る背中は、来た背中と同じだった。
 綾女は、瓶を胸に抱き、白布の床に座る。瓶の黒は落ち着いている。怒りの粒は二段目の棚に寝かされ、哀しみは一番下で静かに座り、恐れは上段でゆっくり揺れ、恥は壁際で乾き、光っている。
 第二紋が微かに、微かに疼く。遠くの〈名〉が、まだ舌の上で位置を見失っている。
 篝が戸口に立った。影が薄い。紙の人間は、光の側に立つ。影が薄いとは、そこに紙があるということ。

「大事にしろ。——名を」

 短い言葉。短い言葉は、長い言葉より長く残ることがある。
 綾女はうなずいた。名は輪郭。輪郭があるから、器は器でいられる。器が器でいられるから、配れる。配れるから、支配ではなく配当でいられる。
 凪雪は白羽栓に軽く触れ、綾女の肩に手を置いた。その手の温度は、昼の汁の温度と同じだった。温度は拍だ。拍は、眠りを呼ぶ。

 綾女は横になり、呼吸を四、八、十二に整える。
 ——嘘をつかぬ。
 ——名を奪わぬ。
 ——春を急がぬ。
 三つの誓いは、もう文ではなかった。骨の側に刻まれた回路で、皮膚には痕ひとつなく、しかし、息のたびに淡く点滅する灯になっている。
 眠りに落ちる直前、孤児院の庭の花壇が、春の夜の薄い光で見えた。花は咲いていない。芽だけが出ている。芽の周りの土は、ほんの少し湿って、温い。
 咲き急がないと決めることは、咲かないと決めることではない。
 待つ。
 待つことの拍は、ひとりで刻むより、ふたりで刻むほうが、楽だ。

      *

 帝都の夜。
 配水局の灯は遅くまでついている。薄い紙障子の向こうで、筆が走る音。筆の音は、呼吸の音と同じで、嘘がつけない。
 役人は、偽の署名入りの書類を回していた。太政の名を騙る署名。印影は朱で、芯は太く見える。だが、指の重みが紙に残っていない。残らない重みは、すぐに乾く。乾く朱は、夜の風で粉になる。粉は、灯の下で舞う。舞えば、見える。
 篝が運んだ帳面は、二重行政の穴を広げたのではなく、穴の輪郭をはっきりさせた。輪郭がはっきりすれば、穴は穴の仕事をやめる。穴は、仕事をやめたくない。やめたくない穴は、名前を変える。——「節の調整」から「善意の先払い」へ。
 誰かが笑った。笑いは低く、短い。低く短い笑いは、恥の匂いがする。
 常世の第二紋が、遠くで一度だけ、綾女の首筋をつついた。つついて、やめた。
 灯の下で、読む番は、明日だ。
 明日は、今日より少し長い。長いぶんだけ、待てる。
 待てるぶんだけ、配れる。
 配れるぶんだけ、花は、咲く。急がずに。長く。長く残る形で。