婚約破棄されましたが、こちらから破棄します!〜第二王子と手を組んで復讐しますわ〜

雨はやみ、朝日が王都を薄紅色に染め始めていた。

 だがその静かな光の裏で、運命は激しく交差し、闇は一層深まっていた。



 クラリッサとレオニスの盟約は、ただの契約書や言葉ではなかった。

 それは心と心の結びつきであり、過去の傷を互いに理解し、未来への希望を抱く瞬間でもあった。



 「私たちは同じ運命に縛られているのよ、レオニス」

 クラリッサは静かに言った。



 「王家の呪縛、そして嘘と偽りの中で生きる苦しみ……でも、ここから変えてみせる」



 レオニスはゆっくりと頷いた。

 「君の想いは痛いほどわかる。だが、同時にそれが恐ろしいほど強い力になる」



 「だからこそ、我々は同盟を結ぶ意味があるのだ」



 彼は城の見晴らし台に立ち、遠く燃えさかる王都を見据えた。



 「この戦いは王家を揺るがし、国の未来を決める。だが、同時に我々自身の未来も決まる」



 一方、王宮の奥深くでは、ミリアが暗躍していた。

 彼女の表情は険しく、指先には魔力の青い炎が揺らめく。



 「クラリッサが盟約を結んだことで、計画が狂い始めた」

 だが、冷徹な瞳は揺るがない。



 「だが、私は王家のために命を捧げる覚悟だ。彼女を倒し、この国に平和を取り戻すのは私しかいない」



 ミリアは深く息を吸い込み、静かに呟いた。



 「覚悟はできている」



 そんな時、城門が激しく叩かれた。

 侍女が駆け寄り、知らせる。



 「陛下、緊急の報告です。新たな勢力が王都へ侵入しました!」



 王太子は眉をひそめ、厳しい表情で言った。



 「敵か、味方か?」



 侍女は震える声で答えた。



 「まだ判明していませんが、彼らは黒いマントをまとい、非常に強力な魔術を使っています」



 城の外では、黒いマントを翻す一団が静かに進んでいた。

 そのリーダーは顔をフードで隠し、低い声で指示を出している。



 「この戦乱に乗じて、我々の目的を果たす時が来た」



 仲間たちは無言で頷き、闇の中へと進む。



 クラリッサとレオニスは、今後の作戦会議を開いていた。

 暗く狭い部屋に二人きり。



 「新たな敵……これはただの偶然ではない」

 レオニスは眉をひそめた。



 「我々の同盟を引き裂くための刺客かもしれない」



 クラリッサは鋭く答えた。



 「ならば、彼らを先手必勝で潰すのみよ」



 その言葉には、確かな覚悟が込められていた。



 夜、王都の裏通りでは、闇の取引が行われていた。

 情報屋、盗賊、魔術師が集まり、嘘と真実が交錯する。



 「黒いマントの連中は、古代魔導書を狙っているらしい」

 「それが手に入れば、国の均衡は崩れる」



 噂は徐々に広まり、民衆の不安は増していった。



 翌朝、クラリッサは静かに目を開けた。

 鏡の中の自分を見つめ、言葉を紡ぐ。



 「これからは、誰も信じられない。味方も、敵も、すべてが疑わしい」



 その瞳には、かつての少女の影はもうなかった。