婚約破棄されましたが、こちらから破棄します!〜第二王子と手を組んで復讐しますわ〜

戦火に包まれた王都の夜は、冷たい雨が降りしきっていた。

 街の灯は消え、静寂の中でさえ、遠くから砲声と叫び声が聞こえてくる。



 地下牢に閉じ込められた男が、静かに指を組んでいた。

 レオニス、第二王子、彼は牢の壁にもたれかかり、冷静に思考を巡らせている。



「表向きは王家の忠義者として振る舞う……だが、内心は違う」



 彼の瞳は暗く沈み、胸中に秘めたる計略の炎が燃えていた。



「クラリッサと組むしか、我が国を救う道はない。そう信じている」



 一方、城外の森の奥深く。



 そこにはクラリッサが待っていた。



 レオニスが牢から解放されるや否や、彼女は静かに言った。



「お久しぶりね、第二王子」



 彼女の声は冷たくも温かい。



「あなたの決断、聞いたわ」



 レオニスは微かに微笑み、手を差し伸べた。



「我らの盟約をここに結ぼう。王国のために、そして新たな未来のために」



 二人の手が固く握り合われる。



 その瞬間、空気が変わった。



「これで、全てが動き出す……」



 しかし、王都では新たな陰謀の影が忍び寄っていた。



 ミリアは王宮の奥深くで密かに動いていた。



「クラリッサ殿下の動きは計算外だった……だが、我が忠誠は揺るがぬ」



 彼女は暗い目を光らせ、剣を握り締めた。



「王家のために、全てを賭ける」



 クラリッサとレオニスの盟約は、ただの取引ではなかった。

 それは、お互いが抱える傷と、絶望と、希望を共有する約束でもあった。



「あなたは、私の過去の亡霊。だが同時に、未来の光でもある」



 クラリッサの言葉に、レオニスは静かに頷いた。



「これからは共に歩もう誰も私たちを止められない」



 だが、その裏で。

 王宮の奥深く、黒い影が二人の動きを密かに見つめていた。



「ふふ……これで、我が計画も加速するわ」



 その人物の笑みは不気味に輝いていた。