【2話】


 少し時間が経って、落ち着いてきた。ドキドキも収まって、もう一度、深呼吸をした。
 幸い、さっきの奴、クラスは違うみたい。人がだいぶ増えてきて、集合時間も近づいてきたけど、今になってもまだ入ってこないし。
 別のクラスってことは、そもそも接点は少ないだろう。

 よかった。さっきのは完全に忘れて、リセットしよう。
 入学式の日から、すべて狂っちゃうところだった。危ない危ない。

 教室を振り返って、くるりと見回す。出席番号順みたいで、番号のシールが机についている。リュックは机のフックに掛けるらしい。リュックしょったままずっと外を眺めてるとか、オレ、変だったかも。反省しながら、自分の番号の席に座った時、前の席の奴が振り返った。オレと目が合うと、ニコッと笑った。

「なあ、名前、何?」
 そう聞いてくる。短めの黒髪。人懐こそうで、人の好さそうな笑顔と明るい声。直感的に、仲良くなれそうと思った。
 
「久藤 翠だよ。翠でいいよ」
「翠ね。オレ、鎌田 陸(かまたりく)
「陸って呼ぶね。よろしく」

 可愛い喋り方はしない。ちゃんと男っぽく。できてるよね? ていうか、元々オレ、中身は女の子っぽいってことはないはずだし。それに、陸はそういう心配はしなくて平気そう。……と言ってもなぁ。真意は分からないけど、亮介のこともあるしな。一瞬気持ちが落ちかけたけど、すぐに、陸が楽しそうに話し始めた。

「翠は何部に入るか、決めてる?」
「バスケに決めてる」
「え、オレも!」
「えー、ますますよろしく!」

 わー、マジで仲良くなれそう。と、喜んでいたところに先生が入ってきて、最初のホームルームが始まった。三十代くらいの男の先生だ。坂本先生と言うらしい。ちょっと丸っこいフォルムの、優しそうな人だ。良かった、怖そうじゃなくて、なんて思ったりする。

 クラスをくるっと見回すと、休みは居ないみたいで、全員座ってる。さっき廊下で会った奴は居ない。良かったよう。
 ……ってこんなの気にして、喜んでることがおかしい気もするけど、でも、なんか、とにかく、別のクラスで良かった! 

 先生の自己紹介、入学式のことについて、明日以降のことなど、いろいろ伝えられる。
 その間に、だんだん、気持ちが落ち着いていく。陸と普通に話せたのも良かったのかもしれない。

 よしよし。オッケー。
 しきり直しだ。

 見回した限り、すごい怖そうな人も居ないし、平和そう。
 偏差値高いし、不良とかは入れないしな。まあ話し出したら、頭がよすぎる故にちょっと変わってる人とかは居るかもしれないけど。いろいろ楽しみ!

 ……ってそういえば、さっきのあいつ、あの見た目で、頭もいいわけ? あの見た目でここに受かる頭を持ってるって、ずるい気がする。考えていたら自然に眉が寄ってきて、はっと気づいて、前髪を掻き上げながら、顔を元に戻す。
 絶対運動とかもできそうだったし、ちょっと、神様、不公平じゃないですかね。なんて。
 別に普段、神様を信じてもいないくせに、こんな時は、ちょっとそんなことも思ってしまう。

 そしてさらに、はっと気づく。
 なんであいつのこと、何回も考えてるんだってば。あーもう!

 心の中、じたばたしながらも、なんとか聞いていた担任の話が終わると、小さな花の飾りが配られて、胸元につけるように言われた。そういえば中学ん時も、こんなの、つけたっけ。あれからもう三年も経ったんだ。三年なんて、あっという間だもんな。色々頑張って、充実した三年間にしよう! なんて思っていると、近くに居た奴らが、オレを見て言った。

「なんか、花、超似合うね。顔、可愛すぎねぇ?」
「確かに! つか、アイドルとかしてたりする?」

 悪気はないのかもしれないけど、その言葉に、周りの奴らもオレを見て、ちょっとざわっと騒がれそうになった。思わずムッとしたその時。

「つか、オレのが似合うっしょ」

 陸が不意にそう言って、な? とオレに聞いてきた。ムッとした気を完全にそがれて、うん、と笑うと、陸は「でしょ」と笑う。それから、その二人に視線を向けて、ふ、と笑った。

「可愛いって褒め言葉ってのは分かるけどさ、初対面で言われたらびっくりするよな?」

 そんな風に陸が言うと、隣の二人も、あ、と気づいたみたい。
 ごめん、と言ってくれた。

「――オレ、あんま顔のこと言われるの好きじゃないかも。アイドルな訳、ないし」

 ムッとしてた気持ちは消えて、普通に言うと、そいつらも、普通に「分かった」「ごめん」と答えてくれる。なんだか嬉しくなって、オレは名前を名乗って、そいつらと、普通に話し出した。
 列は出席番号順だったから、前に居る陸に「さっき、ありがと」と伝える。すると、陸は、あはっと笑って、こそっと耳打ちしてくる。

「見た目で誤解されまくる幼馴染みが居るからさ。つい」
「へーそうなんだ。可愛いとか言われちゃう人?」
「いや。翠とは真逆なんだけど」

 真逆って? と聞こうとした時、先生が「出発します、静かにね」と言って歩き出したので、話は途中になってしまった。後で聞こうと思いながら、列に従って歩きだす。

 広い体育館。去年、学校説明会の時にも入ったけど、建て替えられたばかりで、すごく綺麗だ。保護者や先輩たちの席の真ん中に敷かれた、赤いカーペットの上を進み、一番前の一年生の席に並ぶ。
 バスケ部の活動場所ここだよなと思いながら、天井を見上げる。高い天井、その鉄骨に沿って、すごく大きなバスケゴールが見える。すごい頑丈そう。透明のバックボードと赤いリングが折りたたまれている。あれ、ボタンとか押すと下がってくるんだろうなぁ。すっごい、あれ見てるだけで、超わくわくする。
 上のバスケゴールを見て、浮かれていると、入学式が始まった。

 開式の言葉から始まって、まず一組から順に一人ずつ名前を呼ばれて立ち上がる。全員呼ばれても、全然覚えられないなぁなんて思いながらも、色んな人の名前が聞こえて楽しい。仲いい友達、いっぱいできるといいな。一組が全員終わるとまた揃って腰を下ろした。次は二組。
 後ろを振り返っていれば、さっきの奴も見つかるのだろうけど、でも、この状態でずっと後ろ見てるとかおかしいし。と、そこまで考えて、ぶるっと首を振った。

 何で気にしてるんだ。落ち着いて、オレ。
 校舎に入って数分で一目惚……とか、絶対無い。ありえない。
 こんなの、尊に言ったら、絶対また大笑いされるっつーの。

 隣に居た陸が、突然首を振ったオレに、どうしたの、と笑った。なんでもない、と答えたけど、なんだか心の中は、とてもざわざわする。

 校長、PTA会長、生徒会長がそれぞれ、短めにお祝いの言葉を言った。
 そして、次は、新入生代表の挨拶。ここで挨拶するってことは、受験でトップ合格した奴か。すご。どんな奴だろ。

 体育館の端の方、立ち上がって壇上に上る生徒に、目を向けた瞬間。心臓が止まりそうになった。
 え、さっきぶつかった、あいつじゃん。え、トップ入学ってこと?
 あのルックスで、トップ入学とか、信じられない。

 体育館は、ざわつき始めた。多分、相当柄が悪く見えるからかも。周りを見ると、ちょっと眉を寄せてる人も見える。多分「あれがトップ?」と、否定的な感じが、見てとれた。
 その一方で、カッコいいーって声も、聞こえる。先輩たちの方からも聞こえてきて、くすくす笑う人の声で、ますますざわついていた。

 あんなかっこじゃないほうがいいのに。いくらここが自由だからって、挨拶の時くらい、ちゃんとした格好してくればいいのに。
 なんだかおかしいけど、オレは、心配になって、脚の上の手をぎゅっと握り締める。

 あんまりよろしくない雰囲気が、体育館を占めた中。
 マイクをセットしてもらうと、あいつは、まっすぐ前を見て、一度お辞儀をした。
 そして、まっすぐに瞳を上げる。

 ――体育館が、シン、と静まり返った。

 見た目と、お辞儀の綺麗さに、ギャップがありすぎる。
 ――合気道の時に、いつもしっかり礼をするんだけど。そういう、武道の礼みたい。
 綺麗で、びっくりした。

 皆がそれを思ったのかは、分からないけれど。

 あいつが、前をまっすぐに見据えて、何を言うのか。
 多分、皆、聞きたくなったんじゃないだろうか。と、思った。

 静かにはなったけど、それでもなぜか、オレが緊張して、ぎゅっと拳を握り締めてしまう。


「新入生を代表し、一言ご挨拶申し上げます。清宮 碧斗(きよみや あおと)と申します」

 きよみやあおと。清宮。なぜかその名前を、噛みしめていると。
 背筋を伸ばし、まっすぐ前を見据えたまま、あいつは、話し始めた。

「春の眩しい日差しの中、私たち新入生は本日、伝統ある神陵高校の門を叩くことができました。温かくお迎えくださり、心より感謝申し上げます」

 その声は、迷いもなく、よく通って、言葉の一つ一つが、体育館の中に響いてくる。
 普通、何か紙を読むと思うのだけれど、清宮は、何も持たず、前を見据えていた。

 体育館は、静かだった。もう、眉を顰めている人は、いなかった。
 そこまで、綺麗な言葉で伝えた後、一拍息をついた。

「ここからは、自分の言葉で話させてください。先生方にも、ご了承いただいているので、どうぞ、肩の力を抜いて、聞いてください」

 ふ、と笑った。
 あんなところで。こんなに大勢の人の前で。あんな風に笑えるのって――すごい。

「実は今日、わざとこの格好で来ました。もしかしたら注意されるかと思いましたが、まあいいか、行ってこいと送り出してくださった先生方に、まず感謝したいと思います」

 体育館の中に、くすくすと、笑いが起こる。

「私が神陵高校を選んだのは、学力を重視したうえで、自分らしさを大切にできる校風に惹かれたからです。校則が緩く、でも、部活や行事は全力投球という特色が、絶対に面白いと信じています。勉強はもちろんすべての活動も、そして、人との関わりも」

 清宮はそう言って、視線を動かす。

「――友達や仲間、そして、恋も。全部、本気で楽しみましょう。ちなみに明日からはもう少しアクセサリーは外します。私は、空手部に入る予定です」

 そんな挨拶にところどころ笑いが起こっていたけれど、意外だったのか「空手部」のところで「おぉ」とざわついた。その中で、清宮は、少し悪戯っぽく笑った。

「さっき、とても興味を惹かれる人と出会いました。名前を聞いたら教えないと言われて、逃げられました」

 そんな言葉に、笑いが起こる中、力強く、はっきりと言葉を並べていく。

「高校の友達や人間関係は、人生で宝になる。中学の先生の言葉です。本日より始まる高校生活が、私たちそれぞれの未来を形作る大切な時間となるよう、全力で楽しんで前へと進んでいくことを誓い、挨拶といたします。新入生代表 清宮碧斗」

 大きな拍手。保護者や先生たちまで、楽しそうに拍手してる。

 ――とりあえず、どんな学校かはよく分かった。こんな感じが歓迎される学校。
 そして、さっき、出会ったあいつが、どんな奴かも。すごく、分かった気がした。

 ていうか、あいつ。
 興味を惹かれるって――オレのこと?
 名前聞いて教えないって逃げる奴、オレ以外に居るだろうか。

 なんだか、胸が、ものすごくドキドキする。絶対あいつ、心臓に良くない。

 でもあいつ、クラスも違うし、部活も空手らしいし、関わり無さそう。

 ふ、とそう思った瞬間。
 ちょっと俯いてしまったオレ。……なんかオレ。残念に思ってる? ってそんな訳ないし。と、顔を上げた時。

「あれが、幼馴染みだよ」
 不意に隣で陸が言った。え? と首を傾げると。

「さっき言った、見た目で誤解されまくる幼馴染みって、あいつ」
「――えっ。あいつ、どう誤解されるの?」

 誤解って何。見たまんま、あのまんまな感じがするけど。

「見た目が派手だからって、中身もそうって思われがち。まあ……今みたいなこともしちゃうから余計だけど」
「――中身、派手じゃないの?」

 オレが意図せず眉を寄せながら聞くと、陸は笑った。

「言ってることだけ考えたら、真面目なこと、言ってなかった?」

 陸がくすくす笑ったところで、音楽がかかって、退場が始まる。
 真面目、か。真面目とは正反対な見た目だけど。……って、これが見た目で判断ってことになるのか。

 見た目で判断されたくないのは、オレも同じだけどさ。
 複雑な気持ちになりながら歩いていると、母さんが見えた。ふ、と笑って見せると、母さんは小さく手を振ってくる。

 母さん。
 人との出会い、大切にって――なんかオレ。すごく強烈な奴に、会ってしまったかも。
 まあでも。関わりも無さそうだけど。

 ……ほんと、強烈。
 もう今ので、かなり有名人になっただろうな。……モテそう。

 そう思った瞬間。
 ちく、と胸の奥に刺さる変な感覚。

 何これ?
 納得できないまま歩き、校庭に出て、クラスごとに集合写真の撮影で並ぶ。

「なー、陸」
「ん?」
「清宮あおとって、どんな字?」
「え? ああ。碧斗。紺碧(こんぺき)の碧と、北斗七星の斗」
「ふうん」

 清宮碧斗、か。
 頷いていると、陸がくすっと笑った。

「なんで聞くの? 碧斗、気になる?」
「いや。朝、ちょっとぶつかっただけ」
「え、名前聞かれて逃げたのって、翠なの?」
「……っ」

 なんか陸って鋭い? っていうか、分かるのか、これって? でもさっきの話だと、興味惹かれるとか言ってたし、普通は女の子だと思うんじゃ……。

「一組は教室に戻ってー」
 担任が声を上げてるので、校舎に向かって歩いていると、陸が面白そうにオレの隣で言った。

「碧斗が興味あんのって、翠なんだ?」
「ち、ちがうし」
「違うの?」
「逃げたのは、オレかもだけど……興味って。あいつ、男が好き、なの?」

 そう聞くと、陸は、んー? と首を傾げた。

「男が好きってことはないかも。というか、今まで誰かとつきあったこと、ないし。つか、めっちゃくちゃモテるけどな」
「ないの? つきあったこと」
「ないよ。中学はバスケ部だったけど、空手も習ってて、部活の後も行ってたし。神陵受けるって決めてからは、オレと二人でめっちゃ勉強してたし」
「――意外」

 上履きに履き替えて、階段を上りながら、つい言ってしまった一言に、陸はくすっと笑った。

「そう、意外なんだよねー。見た目とは違うと思うよ。まあでも、鬼のようにモテてたけど」
「鬼のようにって」

 まあでも、モテるだろうなとは思うけど。

「翠って、家どこ? 電車?」
「あ、オレ、川沿い歩いて二十分くらい」
「おーそうなんだ、いいね、近くて」
「陸は遠いの?」
「まあ、電車で十五分くらい」

 教室に戻って、全員が揃うと、先生が明日の話をして、すぐに解散になった。
 陸が、くるっと後ろを振り返ってくる。

「やっぱああいう式とかって疲れるよなー」
「ん、分かる」

 とくに、新入生挨拶が疲れた。とか、思いながら、今日は早く帰ろと思った。
 尊に話したいことがいろいろある気がする。

「翠、昼ごはんとか、食べてく?」
「ん、ごはん? どうしようかな」

 ちょっと行きたい気もするけど、気持ち的にはものすごーく疲れたから。と言いかけた時。

「陸」

 凛とした声が突然響いて――ぱっと視線を向けると、ドアのところに、清宮碧斗が立っていた。
 ドキン、と心臓が大きな音を立てた。そのことにびっくりして、オレは慌てて視線を逸らした。

「あー碧斗。どしたん? つか、お前の代表挨拶、アレどうなの? いいの?」
「良いんじゃねえ? 先生には、よかったぞって言われた」
「うわーマジで? やばいね、この学校」

 近づいてきた清宮に、くすくす笑いながら陸が言ってる。オレは、ただ硬直。

「何か用?」
「あー。うん。つか、今は陸に、じゃなくて」
「ん?」
「さっき、陸の隣に座ってんのが見えたからさ」
「え?」

 不思議そうな声を出した陸には答えず、清宮は「こっちに、用事があって」と言いながら、オレの机を、とんとん、と指で叩いた。咄嗟に顔を上げると、強烈に整った顔がオレを見て、また微笑む。

「ちょっと、オレと話してくれない?」
「え、翠?」

 陸は清宮を見た後、オレを見て、なんだか考え深げに顎に手を当てた。

「オレもそれ、居た方が良い?」
「いや。とりあえず、二人で話してみたいんだけど」
「ふーん。えーと、翠?」

 助けを求めるように陸を見つめ返したオレに、陸はくすくす笑った。

「翠は話したい? 怖いなら、オレも行くけど」
「なんでだよ。お前はいらないって」
「だって、怖がってるじゃん」
「怖がるようなことしねーし」
「いや、碧斗はぱっと見で怖いからね?」
「失礼だな」

 目の前でポンポンと飛ぶやりとり。
 オレと尊みたい。仲いいんだなと思ったら、ちょっと安心した。

 ……オレは、覚悟を決めた。
 ここで、話さず帰ったら、絶対、帰ってから、このことばかり考えてしまいそう。


「いいよ。話す」

 ちょっと喧嘩を売るみたいな気持ちで、オレは、清宮を見上げた。
 ……可愛いなんて、思われないように、なんなら、睨むような感じで。

 すると、オレと視線を合わせた清宮は、にや、と笑った。


「じゃあ、自転車出してくから、正門のとこに居てよ」
「うん」

 頷くと、やたら目立ってる清宮はクラスの視線を集めたまま、その中を平然と歩いて出て行った。
 出てくと同時に、陸が、ぷは、と笑った。

「――碧斗、翠のこと、気に入ったんだな。何かあったの?」
「何も。ぶつかっただけ」
「んー、まあ悪い奴じゃないことは保証する。急に何かされるとかもないと思うよ。話したいみたいだから、話してやって」
「オレも、話してすっきりしたいから」
「何を?」
「わかんないけど。なんか、いろいろ」

 そう言うと、陸が「ふうん」と、くすくす笑った。

「じゃあオレとのごはんはまた次ね」
「あ、うん」

 とにかくこの、さっきからずっと誤作動してる心臓も。あまりにあいつが強烈だから、いけないのかも。
 話して、普通だって分かれば、大丈夫になるかもだし。
 あいつの、一目惚れとかいうのも、否定しとかないと!

 顔が好きとか、信じないし、どうでもいいし。
 オレは。ゆっくり、恋するんだから。


 ――オレは、決死の覚悟で、清宮と、話すことを決めた。