【祝!登録者100万人】
『境界線ラボ』ついにここまで来ました!
これまで応援してくれた皆さん、本当にありがとうございます!!!
来週の土曜、夜22時から──チャンネル登録者数100万人突破を記念して、特別な心霊生配信をやります。
「ここに行ってほしい!」という場所があれば、ぜひコメントで教えてください。
二人で禁断の場所に挑戦してきます。
これからも、よろしくお願いします!
投稿日時:〇年〇月〇日 19:00
コメント件数:1,482件
資料2:コメント抜粋(ランダム10件ほど)
「境ラボ100万人おめでとう!!!!」
「最初の頃から見てました、ほんと感動してます」
「犬●峠リベンジ希望!!!」
「●●の廃病院、まだ行ってなかったよね?」
「この二人なら、どこ行っても安心して見てられる」
「地元のトンネル来てほしい!絶対ヤバいから!」
「100万人の節目なら、やっぱ本当に怖いとこでしょw」
「いつもとは違う鳥肌が!! 神回の予感」
「他の配信者が行ってない場所あれば、誰か教えてやれ?」
「白い車で行くと、必ずなにかが起こるやばい場所があるって噂聞いたことがあります……●●県境の●●ダム」
「生きて帰ってこいよwww」
♢
投稿からわずか数時間でコメントは千件を超え、祝福とリクエストで埋め尽くされた。
彼らのSNSの投稿の拡散が落ち着いた頃、私のスマホに連絡が入った。コウから「お祝いに飲みませんか?」と、祝杯の誘いだった。
指定された居酒屋に着くと、奥の個室に通された。
「田中さん、お疲れーーっす!!」
「ついに俺達やっちゃいましたね! 底辺からの成り上がりですよ」
冷えたビールをカチンと合わせ、一気に飲み干す。それから、私は彼らに尋ねた。
「特別な心霊配信って言ってたけど、何するの?」
アキは少し渋い顔をしながら、大ぶりな唐揚げを口に運ぶ。
「それなんすよねー……有名な心霊スポットは、他の配信者に荒らされてるし。そうだ、田中さんコメント欄見ました? ●●県境の●●ダムって知ってます?」
彼らと仕事をしているのは、私もオカルト好きな一人だからだ。しかし、聞いたこともないその場所に、私は小さく首を横に振る。ただ、ほかの祝福コメントや、リクエストに比べて異様に具体的で生々しかった記憶はある。他のファンからも、コメントで否定的な意見も出ていた。
アキは話を続ける。
「ちょっと調べたんすけどね、かなりヤバそうで……」
アキは自分のスマホを手早く操作し、私に画面を向ける。
それは、あるオカルト愛好家の個人ブログだった。
『境界線ラボ』ついにここまで来ました!
これまで応援してくれた皆さん、本当にありがとうございます!!!
来週の土曜、夜22時から──チャンネル登録者数100万人突破を記念して、特別な心霊生配信をやります。
「ここに行ってほしい!」という場所があれば、ぜひコメントで教えてください。
二人で禁断の場所に挑戦してきます。
これからも、よろしくお願いします!
投稿日時:〇年〇月〇日 19:00
コメント件数:1,482件
資料2:コメント抜粋(ランダム10件ほど)
「境ラボ100万人おめでとう!!!!」
「最初の頃から見てました、ほんと感動してます」
「犬●峠リベンジ希望!!!」
「●●の廃病院、まだ行ってなかったよね?」
「この二人なら、どこ行っても安心して見てられる」
「地元のトンネル来てほしい!絶対ヤバいから!」
「100万人の節目なら、やっぱ本当に怖いとこでしょw」
「いつもとは違う鳥肌が!! 神回の予感」
「他の配信者が行ってない場所あれば、誰か教えてやれ?」
「白い車で行くと、必ずなにかが起こるやばい場所があるって噂聞いたことがあります……●●県境の●●ダム」
「生きて帰ってこいよwww」
♢
投稿からわずか数時間でコメントは千件を超え、祝福とリクエストで埋め尽くされた。
彼らのSNSの投稿の拡散が落ち着いた頃、私のスマホに連絡が入った。コウから「お祝いに飲みませんか?」と、祝杯の誘いだった。
指定された居酒屋に着くと、奥の個室に通された。
「田中さん、お疲れーーっす!!」
「ついに俺達やっちゃいましたね! 底辺からの成り上がりですよ」
冷えたビールをカチンと合わせ、一気に飲み干す。それから、私は彼らに尋ねた。
「特別な心霊配信って言ってたけど、何するの?」
アキは少し渋い顔をしながら、大ぶりな唐揚げを口に運ぶ。
「それなんすよねー……有名な心霊スポットは、他の配信者に荒らされてるし。そうだ、田中さんコメント欄見ました? ●●県境の●●ダムって知ってます?」
彼らと仕事をしているのは、私もオカルト好きな一人だからだ。しかし、聞いたこともないその場所に、私は小さく首を横に振る。ただ、ほかの祝福コメントや、リクエストに比べて異様に具体的で生々しかった記憶はある。他のファンからも、コメントで否定的な意見も出ていた。
アキは話を続ける。
「ちょっと調べたんすけどね、かなりヤバそうで……」
アキは自分のスマホを手早く操作し、私に画面を向ける。
それは、あるオカルト愛好家の個人ブログだった。



