「はあぁあああ」
底なし沼のような溜息を吐きながら、机に突っ伏す。そんな自分の周りに、ドレッドヘアーで、ピアスをそこかしこにあけた橘伸也が喉で笑う。
「笑い事じゃあねーんだぞ伸」
「だってよーー おもしれー事に巻き込まれてるからつい」
「橘やめな茶化すの」
自分の席前で座る黒髪ロングの日本人形な顔立ちの田沢美野里が橘に叱りの言葉を掛ける。定時制クラスは基本一クラスで、20人。それなりに皆とは仲良くやっている中、この二人は特に連む事が多い。そんな間柄もあり昨日の網谷の話しを2人にして一日が経った。勿論昨夜も担任が熱心に英語を教えてくれたものの、やはり記憶に残らず、全く手応えも無ければ、どう対策すべきかもわからないまま一日目が終了した。明らかにこのままだと、ほぼ詰み。しかも日にちもこんな感じで時が過ぎて行く事を考えると、全然時間が足りない。
「何で受けちゃったのかなーー すげー後悔しかなんだけどっ、でもなーー」
「断れねーよ。押しすげーし」
「だよな」
「でも優どうするの?」
「うん。何でも秘密兵器あるとか言ってたけど、教えてくれなくてさ」
「秘密兵器って」
きゃはははと伸也が笑い、自分は彼を見た。
「笑うな」
「橘。ふざけてないで、多少はちゃんと愚痴聞いてあげないと優可愛そうだよ」
「田沢ーー 何かその言い回し、伸と大差なくない?」
「そう。でも、確かに秘密兵器って何かしらね」
「俺だけど」
いきなり廊下から回答が聞こえたと同時に、予想だにしてなかった事で、自分も顔を一気に上げ教室出入り口を見た。その直後、絶句で息が止まり目を見開く。というのも、全日制の制服を来た千納時が立っていたのだ。それは、クラスにいた全員も全日制の生徒が定時制の時間に訪れる事などない為、言葉を失い、一気に教室が静まりかえる。そんな中、異様な空気が流れる教室を何食わぬ顔で、入ってくると、自分の横に立つ。
「網谷先生から都築の英語教える手助けをして欲しいと要請があったので、承諾したから」
「は?」
「明日から、コンテスト迄日にちないから、結構過密になるけど、覚悟しといてくれるかな。とりあえず今日は、HR始まる前の時間に明日の予定の件つめたいから一緒に職員室に来て」
言いたい事を一頻り言い切った千納時はスタスタと廊下へと向かう。が、自分はその状況が理解出来ず、椅子に座ったまま彼を見つめる。すると、そんな自分を目にし、千納時はニヤリと笑う。
「どうしたの? 立てない? 手貸してあげようか?」
「は? そ、そんな事ねーし!! っていうか普通に立てますーー」
「じゃあ早くおいでよ」
「ぁあああ、もうっ」
苛立ちを隠す事なく、声を上げ立ち上がると、自分は教室出入り口へと足を進める。そして、すぐさま千納時を横を通り過ぎると廊下をズカズカと歩いた。
底なし沼のような溜息を吐きながら、机に突っ伏す。そんな自分の周りに、ドレッドヘアーで、ピアスをそこかしこにあけた橘伸也が喉で笑う。
「笑い事じゃあねーんだぞ伸」
「だってよーー おもしれー事に巻き込まれてるからつい」
「橘やめな茶化すの」
自分の席前で座る黒髪ロングの日本人形な顔立ちの田沢美野里が橘に叱りの言葉を掛ける。定時制クラスは基本一クラスで、20人。それなりに皆とは仲良くやっている中、この二人は特に連む事が多い。そんな間柄もあり昨日の網谷の話しを2人にして一日が経った。勿論昨夜も担任が熱心に英語を教えてくれたものの、やはり記憶に残らず、全く手応えも無ければ、どう対策すべきかもわからないまま一日目が終了した。明らかにこのままだと、ほぼ詰み。しかも日にちもこんな感じで時が過ぎて行く事を考えると、全然時間が足りない。
「何で受けちゃったのかなーー すげー後悔しかなんだけどっ、でもなーー」
「断れねーよ。押しすげーし」
「だよな」
「でも優どうするの?」
「うん。何でも秘密兵器あるとか言ってたけど、教えてくれなくてさ」
「秘密兵器って」
きゃはははと伸也が笑い、自分は彼を見た。
「笑うな」
「橘。ふざけてないで、多少はちゃんと愚痴聞いてあげないと優可愛そうだよ」
「田沢ーー 何かその言い回し、伸と大差なくない?」
「そう。でも、確かに秘密兵器って何かしらね」
「俺だけど」
いきなり廊下から回答が聞こえたと同時に、予想だにしてなかった事で、自分も顔を一気に上げ教室出入り口を見た。その直後、絶句で息が止まり目を見開く。というのも、全日制の制服を来た千納時が立っていたのだ。それは、クラスにいた全員も全日制の生徒が定時制の時間に訪れる事などない為、言葉を失い、一気に教室が静まりかえる。そんな中、異様な空気が流れる教室を何食わぬ顔で、入ってくると、自分の横に立つ。
「網谷先生から都築の英語教える手助けをして欲しいと要請があったので、承諾したから」
「は?」
「明日から、コンテスト迄日にちないから、結構過密になるけど、覚悟しといてくれるかな。とりあえず今日は、HR始まる前の時間に明日の予定の件つめたいから一緒に職員室に来て」
言いたい事を一頻り言い切った千納時はスタスタと廊下へと向かう。が、自分はその状況が理解出来ず、椅子に座ったまま彼を見つめる。すると、そんな自分を目にし、千納時はニヤリと笑う。
「どうしたの? 立てない? 手貸してあげようか?」
「は? そ、そんな事ねーし!! っていうか普通に立てますーー」
「じゃあ早くおいでよ」
「ぁあああ、もうっ」
苛立ちを隠す事なく、声を上げ立ち上がると、自分は教室出入り口へと足を進める。そして、すぐさま千納時を横を通り過ぎると廊下をズカズカと歩いた。
