だが、この数時間後予想だにしていなかった事が身に降りかかったのだ。その前兆は舞ぶれもなくいつもの日常である日直による、担任網谷の所へ足を運んだ時に起きた。
「都築君。どうあの一件から一週間だけど、どこか痛いとか違和感とかは?」
「特にない、と思う」
「なら良いんだけど、君もそうだけど定時制の生徒は昼間働いている人がほとんどだし、あっという間に期末テストでしょ。それに学校も全日制で文化祭あったりで校内も空気と違ってくるからね。いつもと比べて環境が違うと本人が気づかないとこで不調きたしたりするから。まあそれは大人も変わりませんけど、兎角都築君色々あったし、出来れば常日頃からベストコンディションでいて欲しいと言うか。なんせ都築君の場合、定時制の中でトップの成績だから。英語以外」
「何か棘ないっすかその言い方」
「そうかなーー でもそれは大目に見てよーー 担任の専攻科目がいつも赤点って。採点する僕はその点数を突きつけられて肩を落とさないとでも思ってる? 他の科目はほぼ満点なのに英語だけ……」
「だって、本当苦手で…… それなりに勉強はしてんっすよ」
すると、網谷が不気味な笑みを浮かべる。
「せ、先生?」
「ふふふ。そこで、君にちょっとしたミッションをお願いします。といっても、拒否権ないけど」
「はあ? 何それっ、しかも拒否権ないって!! それ大人の横暴っすよ!!」
「なんと言われようが、僕は構わない。これは都築君の事を思っての仕業だから、ここは心を鬼にしてね」
「はあ」
柔和な雰囲気を常日頃漂わせている網谷だが、いざとなると願として引かない傾向があり、こうなると、一歩も彼は意見を曲げないのだ。自分は一回深く息を吐く。
「わかりましたよ。で、自分何やるんっす」
その言葉を待ってましたとばかりに、机の横に積まれた書類の上の用紙を自分に渡す。
「二週間後、校内で英語スピーチコンテストをやるんです。以前は全日制の生徒だけだったけど、今回は定時制の生徒もエントリー出来るようになったんです」
「ふーん。でも何でここに来て定時制の自分等もエントリー可能になったんすか?」
「校長の方針が変わってね。同じ高校に在籍しているのに、生徒間の交流が少な過ぎるという事みたいですけど。まあ確かに、今までなかったですからね」
「そうだけど…… っていうか、自分それに出るの? わけわかんねー生徒の前で?」
「それはないかな。とりあえず、校内放送でやるらしいから。実際スピーチの席にはエントリー生徒と放送部員、後僕もいるよ」
「待て待て。コンテスト事態もそうだけど、完全アウェー感半端ないじゃないっすか!!」
「だね」
「だねって!!」
「初めての事だから色々あるよねきっと」
「そおっすよっ」
「まあある程度の事は予測済みだし、僕だってそうは鬼ではないよ。君の指導も勿論だけど、それなりの秘密兵器を投入する予定なんだけど…… 多分大丈夫なような気がする」
「秘密兵器って言っているわりに、確定じゃないって何なんっすか!!」
「兎に角。悪いようにしないから」
「いや自分は悪い予感しかしないんですけど」
丈夫肩を落とす自分に対し、網谷はいつもの表情で一言閉め括る。
「とりあえず、頑張ろうか」
「都築君。どうあの一件から一週間だけど、どこか痛いとか違和感とかは?」
「特にない、と思う」
「なら良いんだけど、君もそうだけど定時制の生徒は昼間働いている人がほとんどだし、あっという間に期末テストでしょ。それに学校も全日制で文化祭あったりで校内も空気と違ってくるからね。いつもと比べて環境が違うと本人が気づかないとこで不調きたしたりするから。まあそれは大人も変わりませんけど、兎角都築君色々あったし、出来れば常日頃からベストコンディションでいて欲しいと言うか。なんせ都築君の場合、定時制の中でトップの成績だから。英語以外」
「何か棘ないっすかその言い方」
「そうかなーー でもそれは大目に見てよーー 担任の専攻科目がいつも赤点って。採点する僕はその点数を突きつけられて肩を落とさないとでも思ってる? 他の科目はほぼ満点なのに英語だけ……」
「だって、本当苦手で…… それなりに勉強はしてんっすよ」
すると、網谷が不気味な笑みを浮かべる。
「せ、先生?」
「ふふふ。そこで、君にちょっとしたミッションをお願いします。といっても、拒否権ないけど」
「はあ? 何それっ、しかも拒否権ないって!! それ大人の横暴っすよ!!」
「なんと言われようが、僕は構わない。これは都築君の事を思っての仕業だから、ここは心を鬼にしてね」
「はあ」
柔和な雰囲気を常日頃漂わせている網谷だが、いざとなると願として引かない傾向があり、こうなると、一歩も彼は意見を曲げないのだ。自分は一回深く息を吐く。
「わかりましたよ。で、自分何やるんっす」
その言葉を待ってましたとばかりに、机の横に積まれた書類の上の用紙を自分に渡す。
「二週間後、校内で英語スピーチコンテストをやるんです。以前は全日制の生徒だけだったけど、今回は定時制の生徒もエントリー出来るようになったんです」
「ふーん。でも何でここに来て定時制の自分等もエントリー可能になったんすか?」
「校長の方針が変わってね。同じ高校に在籍しているのに、生徒間の交流が少な過ぎるという事みたいですけど。まあ確かに、今までなかったですからね」
「そうだけど…… っていうか、自分それに出るの? わけわかんねー生徒の前で?」
「それはないかな。とりあえず、校内放送でやるらしいから。実際スピーチの席にはエントリー生徒と放送部員、後僕もいるよ」
「待て待て。コンテスト事態もそうだけど、完全アウェー感半端ないじゃないっすか!!」
「だね」
「だねって!!」
「初めての事だから色々あるよねきっと」
「そおっすよっ」
「まあある程度の事は予測済みだし、僕だってそうは鬼ではないよ。君の指導も勿論だけど、それなりの秘密兵器を投入する予定なんだけど…… 多分大丈夫なような気がする」
「秘密兵器って言っているわりに、確定じゃないって何なんっすか!!」
「兎に角。悪いようにしないから」
「いや自分は悪い予感しかしないんですけど」
丈夫肩を落とす自分に対し、網谷はいつもの表情で一言閉め括る。
「とりあえず、頑張ろうか」
