「千納時。今日はありがとな。郁もちゃんとお礼言ったか?」
「うん。言ったよね琉叶お兄ちゃん」
「ああ」
「ああって、な、何。どうなってんだよ郁。俺がにーちゃんだぞっ」
「そんなの当たり前じゃん。大体私が何て呼ぼうがおにーちゃんには関係ないでしょ? それよりさっきお店で琉叶お兄ちゃん宿題教えてくれたんだよ」
「よ、良かったな郁」
すると彼がクスクスと笑う。
「肩書きにこだわらなくても、正真正銘君が郁ちゃんの兄だし、そこに固執してると器の小さい人間に見えてしまうよ」
「っておい、そんな自分器とか小さくないしっ」
「はははは。お兄ちゃん言い訳してるーー」
「そうだな」
「2人共ーー マジ勘弁っ」
仕事も終わり、帰路につきつつ、只今商店街に向かっている。今夜、妹と一緒に夕食を作る為、材料を購入し帰宅する予定なのだ。また千納時はその先の駅で電車に乗るとの事で、3人で赤く染まる空の下を歩いている。
(にしても今日は本当助かった)
目の前に歩く2人が親しげに話す姿を二三歩引いた所で見つめた。それに気づいた、郁が振り返る。
「お兄ちゃん早くっ、私お腹ぺこぺこ」
「はいはいっ、今、いっ」
小走りで駆け寄ろうとした時、いきなり膝に力がはいらなくなり、視界が一気に地面に切り替わる。
「都築!!」
千納時の聞いた事のない大声と同時に片方の手首に冷たい感覚を覚えると、引き上げられ、自分の肩が抱かれた。
「お兄ちゃん!!」
郁の声が耳を掠める中、自分は丈夫両膝を地面に付く。すると目の前に目を見開き、明らかにテンパっている千納時の顔が視界に入った。
(へーー 千納時もこんな顔すんだな)
そんな事を思った矢先、彼が再度自分の名前を呼ぶ。
「都築っ!!」
彼の声は自分の耳に届いていた。だが、それに応える事なく、視界が途切れた。
「うん。言ったよね琉叶お兄ちゃん」
「ああ」
「ああって、な、何。どうなってんだよ郁。俺がにーちゃんだぞっ」
「そんなの当たり前じゃん。大体私が何て呼ぼうがおにーちゃんには関係ないでしょ? それよりさっきお店で琉叶お兄ちゃん宿題教えてくれたんだよ」
「よ、良かったな郁」
すると彼がクスクスと笑う。
「肩書きにこだわらなくても、正真正銘君が郁ちゃんの兄だし、そこに固執してると器の小さい人間に見えてしまうよ」
「っておい、そんな自分器とか小さくないしっ」
「はははは。お兄ちゃん言い訳してるーー」
「そうだな」
「2人共ーー マジ勘弁っ」
仕事も終わり、帰路につきつつ、只今商店街に向かっている。今夜、妹と一緒に夕食を作る為、材料を購入し帰宅する予定なのだ。また千納時はその先の駅で電車に乗るとの事で、3人で赤く染まる空の下を歩いている。
(にしても今日は本当助かった)
目の前に歩く2人が親しげに話す姿を二三歩引いた所で見つめた。それに気づいた、郁が振り返る。
「お兄ちゃん早くっ、私お腹ぺこぺこ」
「はいはいっ、今、いっ」
小走りで駆け寄ろうとした時、いきなり膝に力がはいらなくなり、視界が一気に地面に切り替わる。
「都築!!」
千納時の聞いた事のない大声と同時に片方の手首に冷たい感覚を覚えると、引き上げられ、自分の肩が抱かれた。
「お兄ちゃん!!」
郁の声が耳を掠める中、自分は丈夫両膝を地面に付く。すると目の前に目を見開き、明らかにテンパっている千納時の顔が視界に入った。
(へーー 千納時もこんな顔すんだな)
そんな事を思った矢先、彼が再度自分の名前を呼ぶ。
「都築っ!!」
彼の声は自分の耳に届いていた。だが、それに応える事なく、視界が途切れた。
