「網谷先生。マジ緊張しかないんっすけどっ」
小声で網谷に耳打ちする。
数日で文面を仕上げ、ひたすら読む練習を千納時と、網谷の前でやると同時に、彼の録った椿姫をひたすら聞く日々を過ごした英語づけの二週間。それもどうんか解放される日と共に、その前にはとてつもない難所が待ちかまえている。それが今だ。先程放送室に網谷と到着し、室内に入った。その時には既に半数以上のコンテストにエントリーした者達が椅子に座っていたのだ。そこかしこから緊張感が漂うと共に、自分に冷めた視線が送られた。当初から想定されていたが、やはり実際に浴びせられると精神的に堪える。
(やばいな。かなり飲み込まれてる)
いくら担任がいるとはいえ、この空気感の中で平常心ではいられない。目を瞑り、椅子に座り時を待つ事暫し。エントリーの生徒が全員集まり、コンテストが始まった。耳に入ってくる筈の声は緊張のあまり入ってこない。そんな中、刻々と自分の番が近づいてくる。そして、自分の順番になった時、放送室が一瞬ざわめく。何が起きたのかと思い顔を上げ、周りを見渡すと放送室内に千納時がいたのだ。いきなりの事で瞬きしながら、彼に視線を向ける。すると、それに気づいた彼が、口を動かす。
『大丈夫だ』
声を出す事無く口開き、親指を彼自身の胸元に指し示した。
(わかったよ)
自分はうっすら笑みを浮かべ、ゆっくり立ち上がる。さっきまでの緊張感が少し和らぐのを感じつつ、カメラの前に立った。そして、背後にいた担任を見て頷づき、一回大きく息を吐いた。その直後、放送委員からの、放送開始の合図がでる。自分はカメラを見つめ、一声を放つ。
『Never regret anything that made you smile』
その言葉にカメラの奥で待機していた千納時が目を見開く。と言うのも、自分一人ではここまで出来なかったわけで、些細ではあるが彼に感謝の意を込めて、タイトルを名言に変更したのだ。勿論放送室に入る直前に、網谷の了承も得ている。まあそんな背景もあり、彼は今回の事は知らない。自分は一瞬シタリ顔をし、スピーチを始める。目線の先には常に千納時がおり、少し笑みを称えたいる姿を目にしつつ、先までの緊張が嘘のように皆無になり、読み進める自分がそこに居た。
小声で網谷に耳打ちする。
数日で文面を仕上げ、ひたすら読む練習を千納時と、網谷の前でやると同時に、彼の録った椿姫をひたすら聞く日々を過ごした英語づけの二週間。それもどうんか解放される日と共に、その前にはとてつもない難所が待ちかまえている。それが今だ。先程放送室に網谷と到着し、室内に入った。その時には既に半数以上のコンテストにエントリーした者達が椅子に座っていたのだ。そこかしこから緊張感が漂うと共に、自分に冷めた視線が送られた。当初から想定されていたが、やはり実際に浴びせられると精神的に堪える。
(やばいな。かなり飲み込まれてる)
いくら担任がいるとはいえ、この空気感の中で平常心ではいられない。目を瞑り、椅子に座り時を待つ事暫し。エントリーの生徒が全員集まり、コンテストが始まった。耳に入ってくる筈の声は緊張のあまり入ってこない。そんな中、刻々と自分の番が近づいてくる。そして、自分の順番になった時、放送室が一瞬ざわめく。何が起きたのかと思い顔を上げ、周りを見渡すと放送室内に千納時がいたのだ。いきなりの事で瞬きしながら、彼に視線を向ける。すると、それに気づいた彼が、口を動かす。
『大丈夫だ』
声を出す事無く口開き、親指を彼自身の胸元に指し示した。
(わかったよ)
自分はうっすら笑みを浮かべ、ゆっくり立ち上がる。さっきまでの緊張感が少し和らぐのを感じつつ、カメラの前に立った。そして、背後にいた担任を見て頷づき、一回大きく息を吐いた。その直後、放送委員からの、放送開始の合図がでる。自分はカメラを見つめ、一声を放つ。
『Never regret anything that made you smile』
その言葉にカメラの奥で待機していた千納時が目を見開く。と言うのも、自分一人ではここまで出来なかったわけで、些細ではあるが彼に感謝の意を込めて、タイトルを名言に変更したのだ。勿論放送室に入る直前に、網谷の了承も得ている。まあそんな背景もあり、彼は今回の事は知らない。自分は一瞬シタリ顔をし、スピーチを始める。目線の先には常に千納時がおり、少し笑みを称えたいる姿を目にしつつ、先までの緊張が嘘のように皆無になり、読み進める自分がそこに居た。
