…halloween lunch…
…ビスケットパイにチェリー
ジャムをしぼったプディング、
ティラミスクリームにアイスクリームを
おいたコーヒーなど♥
たくさんのデザートがでた
メニューが並んで、彼は満足していた。
…花血蜜を手に入れるには、どうすればいいのか…
…永遠に恋が叶う秘薬…
…どうしても、手に入れたい…
「…花血蜜の噂話は聞いたことある?」
「…知らないわ。」
…彼女が顔を背ける。
「…知らない、なんて…」
彼は一度口を紬ぐと、
「…知らないとでも?」
と、答えた。
「…知らないわ。」
…彼は、ふぅっとため息をつくと、
彼女の栗色の髪の毛にさわった。
「…まぁ、考えといて。」
…花淡香楼…
…この香楼の噂話は、妖の尾花から聞いたわ…
…彼女が髪の毛を振り払う。
…彼が手を離すと、
愛しそうに手を握りしめた。
…何としても、手に入れたい…
…そのためには、どうすればいいのか…
❀❀❀
「…ついてきて。」
「…嫌よ。」
「…どうしても。」
「…やめてったら!」
…そんなに、嫌?…
…そんなことも、ないよ…
「…嘘!」
「…ほんと。」
…カンカン。…カン。
…昼食が終わって、
…白い洞窟のもとへと
続く石畳の螺旋階段をおりてゆく。
もめる王女の手を引いて、
彼は下へと降りていった。
…洞窟の奥から鬼の咆号が聞こえてくる…
花茨ノ君は、階段から
潮の香りのする洞窟に降りた。
そこには、血のついた
壊れた土人形があった。
くぐつ人形を横目に、
若野道を掻き分けかきわけ、
妖が道の先頭に立って、
桃色のリボンを巻き付けて
回収しながら行くと、
「…待って。」
「…こっちだ。」
リボンを追いかけながら
鬼ノ城の大手通りから
真っ直ぐ行ったところの
happy halloween仕様の
キャンディポップアイス広場へ着いた。
キャンディポップアイス広場には、
夕木瓜村の人々が集められていた。
キャンディの星空の広がるドームの
上からちらばったポップキャンディをみた。
真ん中を突っ切る花道を行くと、
たくさんの人に囲まれて声援のなか
彼女は、手を引かれて走っていった。
真っ直ぐ行って、広いステージの上に
躍り立つと、マイクを持って、彼はこう言った。
「…みんなを呼んだのは、言うまでもない。」
…一瞬、しんと場内が静まり返る…
「…結婚、してほしい。」
「…嫌よ!」
…彼女が暴れながら言った。
…すると、スタンバイしていた、人気ボーカルの
ライブのドラムの音が会場内に響いた。
「…happy halloween!」
…ポン!ッとクラッカーが鳴る。
会場が拍手と喝采と大きな声に包まれる。
照明が落ちて、キラキラと
光と音が交錯して飛んでゆく。
「…返事は?」
…彼が言う。
「…誰なの。」
「…ほんと、のこと…教えて。」
彼が上の方を見て、ん‐と、
と言って少し考える。
「…だめ。」
「…教えてやんない。」
…彼女が言った…。
「…意地悪!」
…ずるい…
…ハロウィンの音楽が流れる…。
…音楽が流れるなか、二人は、
キャンディドームをかけていった…。
…… ……
… …
…ライブ会場を抜けて、彼が彼女を鏡の間に
通すと、ダンスホールに招待した…。
どこを見ても鏡で覆われたダンスホールは
ここもハロウィンの仕様になっていた。
…遠くでライブ会場の音楽が聞こえてくる…。
「…私と踊ってくれますか、姫。」
彼がお辞儀をして、ダンスに誘う。
「…それは、ちょっと!」
…妖たちが冷やかしてゆく…。
「…音楽をかけます。」
執事さんがアンティークのアコーディオンを
引いて、メイドさんがオルガンを…
そして、蓄音機をかけて、音楽が聞こえ始めた。
「…ちょっと!ちょっと!」
…彼が、お姫様だっこをして、くるくる回っていく…。
「…僕が誰だったか、知りたい?」
「…ん‐…。」
…彼のほうをみて、少し考える。
「…少し。」
「…秘密。」
…し‐っと、指に手を当てて
彼女をエスコートする。
ダンスの途中で、置いてあった
しめじとアスパラところっとした
鯛のコンソメスープをそそっと飲んで、
のポテトチップスを食べた。
後は、まっか瓜のジュースを飲んで、
ダンスに戻った。
彼の手を引いてくるくる回ると、
鏡の間にあるからくり鏡扉の前で、
鏡をくるりんと回すと、王女がでてきて
花茨ノ君が彼女の手を取る。
また、向こう側きの鏡をくるりんと回すと、
花茨ノ君がでてきて、王女が手を取る。
…花茨ノ君と王女…二人、対になる。
ステップを踏んで、ドレスのフリルが
くるくる回ると花が咲くように
ダンスホールを飾った。
…花傘が開くように雨音が
し始めるなか踊り続ける…。
アコーディオンの音楽とオルガンが
流れていて、淡みたいな恋が熱に溶けて
消えてゆくように…心ノ臓が揺れていた。
❀❀❀
…ミーン、ミンミンミン…
…鈴蝉の声… …鳴り響く…
…向かう坂道を抜けて…
…ミーン、ミンミンミン…
…蒸し暑い夏の日…
…夕立の香り。
…蛙の響く天雨音
(あまあまおと)が花夕紅に色づく。
…足早に誘う雨音が、ゆっくりとした
室内のメロディに流れてゆく。
…鏡の間のダンスホールから
走ってきた二人がベッドに倒れ込む…。
お姫様抱っこしていた彼が、
ベッドに王女を運ぶ。
「…ちょっと!」
「…言い訳、しない。」
…だまって…。
…王女が彼の目をじっとみる…。
「…俺の名、教えてあげる。」
「…え?」
…彼女の胸に光る黄色の
ハートのペンダント…
…田イ矢の杏心愛(しんしんる)…
が愛瞳の奥で揺れる。
「…私は瓊瓊杵尊。」
黒いマントを閃かせて、
彼女の恋涙をそのハートのペンダントに
閉じ込めてゆく。
「…嫌ッ!」
…パシ!っと、手を振り払う。
…やめて…
「…どうして。」
「…どうしても。」
…田イ矢の杏心愛…
…俺だけのものに、なって…
…ハートが話しかける…
…ゆゆら… …ゆゆら…
…揺れる杏心愛…
…止めないで…
…やっぱり、…止めて…
彼女の胸元に光る杏心愛に
彼が甘くkissすると、
首に飾ってゆゆらと眺めた。
「…チェックメイト。」
机に置いてあったチェス盤の
駒がカタン!と倒れた。
バイオリンとコントラバスの
音が響いて、クラッシックのメロディが
二人を、包んでゆく。
静かな秋空に紅葉のふる天雨音が続いて、
杏心愛に揺れる涙の恋音がしとしとと…
胸に降り積もっていた。
…ビスケットパイにチェリー
ジャムをしぼったプディング、
ティラミスクリームにアイスクリームを
おいたコーヒーなど♥
たくさんのデザートがでた
メニューが並んで、彼は満足していた。
…花血蜜を手に入れるには、どうすればいいのか…
…永遠に恋が叶う秘薬…
…どうしても、手に入れたい…
「…花血蜜の噂話は聞いたことある?」
「…知らないわ。」
…彼女が顔を背ける。
「…知らない、なんて…」
彼は一度口を紬ぐと、
「…知らないとでも?」
と、答えた。
「…知らないわ。」
…彼は、ふぅっとため息をつくと、
彼女の栗色の髪の毛にさわった。
「…まぁ、考えといて。」
…花淡香楼…
…この香楼の噂話は、妖の尾花から聞いたわ…
…彼女が髪の毛を振り払う。
…彼が手を離すと、
愛しそうに手を握りしめた。
…何としても、手に入れたい…
…そのためには、どうすればいいのか…
❀❀❀
「…ついてきて。」
「…嫌よ。」
「…どうしても。」
「…やめてったら!」
…そんなに、嫌?…
…そんなことも、ないよ…
「…嘘!」
「…ほんと。」
…カンカン。…カン。
…昼食が終わって、
…白い洞窟のもとへと
続く石畳の螺旋階段をおりてゆく。
もめる王女の手を引いて、
彼は下へと降りていった。
…洞窟の奥から鬼の咆号が聞こえてくる…
花茨ノ君は、階段から
潮の香りのする洞窟に降りた。
そこには、血のついた
壊れた土人形があった。
くぐつ人形を横目に、
若野道を掻き分けかきわけ、
妖が道の先頭に立って、
桃色のリボンを巻き付けて
回収しながら行くと、
「…待って。」
「…こっちだ。」
リボンを追いかけながら
鬼ノ城の大手通りから
真っ直ぐ行ったところの
happy halloween仕様の
キャンディポップアイス広場へ着いた。
キャンディポップアイス広場には、
夕木瓜村の人々が集められていた。
キャンディの星空の広がるドームの
上からちらばったポップキャンディをみた。
真ん中を突っ切る花道を行くと、
たくさんの人に囲まれて声援のなか
彼女は、手を引かれて走っていった。
真っ直ぐ行って、広いステージの上に
躍り立つと、マイクを持って、彼はこう言った。
「…みんなを呼んだのは、言うまでもない。」
…一瞬、しんと場内が静まり返る…
「…結婚、してほしい。」
「…嫌よ!」
…彼女が暴れながら言った。
…すると、スタンバイしていた、人気ボーカルの
ライブのドラムの音が会場内に響いた。
「…happy halloween!」
…ポン!ッとクラッカーが鳴る。
会場が拍手と喝采と大きな声に包まれる。
照明が落ちて、キラキラと
光と音が交錯して飛んでゆく。
「…返事は?」
…彼が言う。
「…誰なの。」
「…ほんと、のこと…教えて。」
彼が上の方を見て、ん‐と、
と言って少し考える。
「…だめ。」
「…教えてやんない。」
…彼女が言った…。
「…意地悪!」
…ずるい…
…ハロウィンの音楽が流れる…。
…音楽が流れるなか、二人は、
キャンディドームをかけていった…。
…… ……
… …
…ライブ会場を抜けて、彼が彼女を鏡の間に
通すと、ダンスホールに招待した…。
どこを見ても鏡で覆われたダンスホールは
ここもハロウィンの仕様になっていた。
…遠くでライブ会場の音楽が聞こえてくる…。
「…私と踊ってくれますか、姫。」
彼がお辞儀をして、ダンスに誘う。
「…それは、ちょっと!」
…妖たちが冷やかしてゆく…。
「…音楽をかけます。」
執事さんがアンティークのアコーディオンを
引いて、メイドさんがオルガンを…
そして、蓄音機をかけて、音楽が聞こえ始めた。
「…ちょっと!ちょっと!」
…彼が、お姫様だっこをして、くるくる回っていく…。
「…僕が誰だったか、知りたい?」
「…ん‐…。」
…彼のほうをみて、少し考える。
「…少し。」
「…秘密。」
…し‐っと、指に手を当てて
彼女をエスコートする。
ダンスの途中で、置いてあった
しめじとアスパラところっとした
鯛のコンソメスープをそそっと飲んで、
のポテトチップスを食べた。
後は、まっか瓜のジュースを飲んで、
ダンスに戻った。
彼の手を引いてくるくる回ると、
鏡の間にあるからくり鏡扉の前で、
鏡をくるりんと回すと、王女がでてきて
花茨ノ君が彼女の手を取る。
また、向こう側きの鏡をくるりんと回すと、
花茨ノ君がでてきて、王女が手を取る。
…花茨ノ君と王女…二人、対になる。
ステップを踏んで、ドレスのフリルが
くるくる回ると花が咲くように
ダンスホールを飾った。
…花傘が開くように雨音が
し始めるなか踊り続ける…。
アコーディオンの音楽とオルガンが
流れていて、淡みたいな恋が熱に溶けて
消えてゆくように…心ノ臓が揺れていた。
❀❀❀
…ミーン、ミンミンミン…
…鈴蝉の声… …鳴り響く…
…向かう坂道を抜けて…
…ミーン、ミンミンミン…
…蒸し暑い夏の日…
…夕立の香り。
…蛙の響く天雨音
(あまあまおと)が花夕紅に色づく。
…足早に誘う雨音が、ゆっくりとした
室内のメロディに流れてゆく。
…鏡の間のダンスホールから
走ってきた二人がベッドに倒れ込む…。
お姫様抱っこしていた彼が、
ベッドに王女を運ぶ。
「…ちょっと!」
「…言い訳、しない。」
…だまって…。
…王女が彼の目をじっとみる…。
「…俺の名、教えてあげる。」
「…え?」
…彼女の胸に光る黄色の
ハートのペンダント…
…田イ矢の杏心愛(しんしんる)…
が愛瞳の奥で揺れる。
「…私は瓊瓊杵尊。」
黒いマントを閃かせて、
彼女の恋涙をそのハートのペンダントに
閉じ込めてゆく。
「…嫌ッ!」
…パシ!っと、手を振り払う。
…やめて…
「…どうして。」
「…どうしても。」
…田イ矢の杏心愛…
…俺だけのものに、なって…
…ハートが話しかける…
…ゆゆら… …ゆゆら…
…揺れる杏心愛…
…止めないで…
…やっぱり、…止めて…
彼女の胸元に光る杏心愛に
彼が甘くkissすると、
首に飾ってゆゆらと眺めた。
「…チェックメイト。」
机に置いてあったチェス盤の
駒がカタン!と倒れた。
バイオリンとコントラバスの
音が響いて、クラッシックのメロディが
二人を、包んでゆく。
静かな秋空に紅葉のふる天雨音が続いて、
杏心愛に揺れる涙の恋音がしとしとと…
胸に降り積もっていた。


