…笹林を子ども達がかけてゆき、
秋の実りの稲穂の続く田畑の道を行く。
宮中から歩いて30分程、
糺の道を通り、山ぎ端を歩いて、
コトコト行くと、李ノ花殿につく。
離れの李ノ花殿は、細道を通り抜けて、
近くにある杏ノ花屋敷の裏のくぐり戸を
通って、中庭を突っ切ると
花灯ロウの続く道から花小町にゆく。
…その、小高い丘にある神社の
橋のふもとに駄菓子屋さんがあった。…
…その日の夕方…
妖たちが夕日を背に、影をうつしたり、
消したりしながら、追いかけっこしていた。
「…わ‐い!」
店内を子ども達が走り回る。
妖駄菓子を子ども達が選んでゆく。
カラオケからあノ世の喫茶店に行き、
駄菓子まで九人で行った。
「…橘ちゃん♪」
天狗の天ノ河が橘ノ君に声を掛ける。
天狗の天ノ河は天ノ若彦と
呼ばれるほど美男で、
紅梅の直衣に髪はショートドライカットだった。
橘ノ君が夢の甘ダレ君を片手に、
棚出しの前に座る。
5円で買った甘ダレ君の袋を破り、甘い皮を食べた。
「…おいしい。」
…夢の味がする…。
「…みつけた。」
平家の三人が内輪もめしながら、
橘ノ君に言った。
「…ゐすゞ。」
…橘ノ君が見上げる。
「…どうして、いなくなったの。」
…若彦がそっとたずねた。
「…幽世に行くの?」
…橘ノ君は聞く。
「…僕が結婚相手だよ。」
「…竜(りつ)。」
…橘ノ君の前に竜が現れる。
子ども達が妖メンコをしている
笑い声が周りに響く。
「…一緒に行こう。」
「…行って。」
…もなみが言う。
妖のティアラから連絡が届いて、
ドロン!て白い煙と共にやってきた。
「…幽花世行かなくっちゃ!」
「…替え玉ってこと。」
「…ごめんね。」
…橘ノ君が言う。
「…お幸せに。」
「…いいの。」
「…幽花世の舟がでるぞ‐!」
…火海が灯台に立って言った。
秋風が肌にしみる海辺のそばを
歩いて、花海に舟を出す。
白い砂浜があって、
海岸線に人が集まって、
みんなで貝掘りする。
「…縁結び。」
…もなみが言う。
「…素戔嗚尊殿、
ありがとうございます。」
ティアラが恭しくお辞儀する。
「…いいよ。」
…若宮が言った。
「…行こう!」
…竜が橘ノ君の手を引く。
…村の鎮守の森に太鼓の音が響く
秋の夕方に、祭り近くの妖たちの
笑い声が聞こえていた…。
…秋の芒野の穂の揺れる夕映えのなかを
二人、手をつないでかけていった…。
秋の実りの稲穂の続く田畑の道を行く。
宮中から歩いて30分程、
糺の道を通り、山ぎ端を歩いて、
コトコト行くと、李ノ花殿につく。
離れの李ノ花殿は、細道を通り抜けて、
近くにある杏ノ花屋敷の裏のくぐり戸を
通って、中庭を突っ切ると
花灯ロウの続く道から花小町にゆく。
…その、小高い丘にある神社の
橋のふもとに駄菓子屋さんがあった。…
…その日の夕方…
妖たちが夕日を背に、影をうつしたり、
消したりしながら、追いかけっこしていた。
「…わ‐い!」
店内を子ども達が走り回る。
妖駄菓子を子ども達が選んでゆく。
カラオケからあノ世の喫茶店に行き、
駄菓子まで九人で行った。
「…橘ちゃん♪」
天狗の天ノ河が橘ノ君に声を掛ける。
天狗の天ノ河は天ノ若彦と
呼ばれるほど美男で、
紅梅の直衣に髪はショートドライカットだった。
橘ノ君が夢の甘ダレ君を片手に、
棚出しの前に座る。
5円で買った甘ダレ君の袋を破り、甘い皮を食べた。
「…おいしい。」
…夢の味がする…。
「…みつけた。」
平家の三人が内輪もめしながら、
橘ノ君に言った。
「…ゐすゞ。」
…橘ノ君が見上げる。
「…どうして、いなくなったの。」
…若彦がそっとたずねた。
「…幽世に行くの?」
…橘ノ君は聞く。
「…僕が結婚相手だよ。」
「…竜(りつ)。」
…橘ノ君の前に竜が現れる。
子ども達が妖メンコをしている
笑い声が周りに響く。
「…一緒に行こう。」
「…行って。」
…もなみが言う。
妖のティアラから連絡が届いて、
ドロン!て白い煙と共にやってきた。
「…幽花世行かなくっちゃ!」
「…替え玉ってこと。」
「…ごめんね。」
…橘ノ君が言う。
「…お幸せに。」
「…いいの。」
「…幽花世の舟がでるぞ‐!」
…火海が灯台に立って言った。
秋風が肌にしみる海辺のそばを
歩いて、花海に舟を出す。
白い砂浜があって、
海岸線に人が集まって、
みんなで貝掘りする。
「…縁結び。」
…もなみが言う。
「…素戔嗚尊殿、
ありがとうございます。」
ティアラが恭しくお辞儀する。
「…いいよ。」
…若宮が言った。
「…行こう!」
…竜が橘ノ君の手を引く。
…村の鎮守の森に太鼓の音が響く
秋の夕方に、祭り近くの妖たちの
笑い声が聞こえていた…。
…秋の芒野の穂の揺れる夕映えのなかを
二人、手をつないでかけていった…。


