前半は洋介視点、後半から純視点に切り替え
漫画原稿30〜35ページ想定
地の文:ト書き
「」:発話フキダシ
():思考フキダシ
ーーーー:視点者のモノローグ
冒頭、洋介の自宅の部屋。
ベッドの上に私服を何枚も広げ、何を着ようか真剣に悩んでいる洋介。
洋介の妹(葵)「洋兄ーーーお母さんが早く朝ごはん食べちゃってだってーー」
部屋のドアが開いて、洋介の妹の葵が声をかける。
葵「おや? おやおや?」洋介の様子や散らかった服を見て何かに気付いた様子で
葵「もしかしてデートですか?」いたずらっぽい笑顔でたずねる
洋介「あー……うん」
葵「へええええ」「よかったね洋兄ーー」まじまじと洋介を見ながら言う葵
洋介「……なんだよ」
葵「だってすごい嬉しいオーラ溢れてるんだもん洋兄」「だからよかったなーって」
洋介「……っ」動揺する洋介
葵「へーーなんか意外」「洋兄って あんまり彼女とかそーゆーの興味ないのかと思ってた」
洋介「……あっても家族に言わねーわ」痛いところを突かれて気まずそうに言う
葵「いつか私も会いたいなー洋兄の彼女」
純粋な笑顔の葵に、うっすらと罪悪感が湧く洋介
洋介「まあ いつかね……」
ーーーー今日がデートなのは正解
ーーーーただ 相手は彼女(偽装)で しかも
ーーーー女装男子です
ここから回想シーン(1話ラスト直後の場面から)
ーーーー黙ってる代わりに彼女のふりして
絶句している純と真面目な顔の洋介の対比になるコマ
純「……は……?」唖然とした表情の純
驚きすぎて固まっている純に気付き、慌てて弁解(?)を始める陽介
洋介「あーだからつまり 彼女……は、今はほしいと思わないんだけど、周りがうるさくて面倒でさ」
洋介「ならもう いっそいることにしたら楽かもなと」
洋介「でも女友達に頼んでゴタってもだるいからさ」「東がやってくれたら丁度いいなーって」
洋介の話を聞きながら、だんだん表情が曇る純。←女友達とはゴタりたくないけど俺とは構わないってことかよ、と自分が軽んじられていると感じて嫌悪感を覚えている表情
ーーーーあ 今の言い方は ちょっと感じ悪かった かも
純の顔を見てなんとなく察する洋介
純「つまりモテすぎて面倒だから偽装彼女作って黙らせたいってこと?」
嫌悪感を覚えつつも、冷静に言う純
洋介「あーー まあ 語弊を恐れず言えばそう」
純「……わかったよ」
洋介「え やってくれんの?」意外そうに驚く洋介
純「俺に拒否権ないじゃん」
純「やらないと言いふらすって脅してんでしょ」
洋介「まあ……そう、だね」
純「で」気だるげに頭を掻く純「彼女のふりって、具体的になにすりゃいいの」
洋介「えーーーと とりあえず じゃあ」
ーーーーデートしよ
このコマで場面転換 デート当日の待ち合わせの駅っぽい場所
待ち合わせ場所に先に待っている洋介
男友達と遊んでいた時の服装と系統は同じだが、ネックレスをつけている(デートなので意識した)
壁に寄りかかって立って、純を待っている洋介。
通行人の女性が頬を赤らめながらちらちらと洋介を見ているが、洋介は気づいていない。
「桃田……」
名前を呼ばれて、声のした方に目を向ける洋介
女装姿の純が小走りで洋介に近づいてきている
ゆったりしたシルエットのシャツにデニムスカート、足元はローファーというコーデ
純「待たせてごめん……」焦った様子の純
洋介「まだ時間なってないよ 俺が早く来すぎただけだから」優しく笑う洋介
純「あ、ああ……」思いの外優しい反応が返ってきて、少し戸惑う純
改めて純の格好をよく見る洋介
洋介「日を改めて見ると すっげーーーね」
洋介「どっから見ても女の子だわ」
純「……どーも」褒められ慣れていないので上手く反応できない純
洋介「前の時も可愛かったけど 今日もすげー可愛い」
素直に気持ちを伝える洋介。かっこつけていたり、純を喜ばせようとしているのではなく、本心からの気持ちが溢れた感じの表情。
純「…………」気まずそうに目を背ける純
(なんでこんなに褒めてくるんだ?と疑心暗鬼な気持ち)
洋介「じゃあ行こっか」
当たり前のように純と手を繋ぐ洋介
純「!?」「繋ぐの?」驚く純
洋介「当たり前じゃん デートなんだから」
当然のように笑顔で言う純。
純はびっくりするも拒絶はしない
横に並んでいる二人の身長差は普通の男女くらい(洋介が180センチ、純が165センチ)
純(慣れてんな……こいつ)
横にいる洋介をちらりと見上げる純
純(まあ そりゃそうか こんだけ男前で)
純(物腰も柔らかくて いつも人に囲まれてて)
純(なんでこんな奴が 俺に構うんだ?)
洋介の綺麗な横顔をじっと見上げながら考える純
場面転換 洋服屋の店内
洋介「レディースの服ってどこで買ってんの?」
純「ネットとか……こういう店来て買ったりもする」
洋介「へえ〜〜」
洋介「東スタイル良いから 何着ても似合いそう」
棚にあったマフラーを手に取って純の首にふわりと巻く洋介
洋介「可愛い」
純「…………っ」動揺する純
場面転換 公園ぽい場所
洋介「結構歩いたし 疲れてない?」
純「大丈夫」
洋介「飲み物買ってきていい? ちょっとここで待ってて」
目についたベンチに座るよう促す洋介
純「うん……」
ベンチに純を座らせ、一人でその場を離れる洋介
移動販売車でコーヒーを買いながら、ベンチに座っている純を遠目から見る
遠目で見ても、儚い雰囲気の美少女の純。純は洋介が見ていることには気づかず、ぼんやりと遠くを見ている。
洋介(弱みを握って無理矢理してるデートだって わかってるけど)
洋介(楽しい……)
純を愛おしそうに見つめる洋介の横顔。
ーーーー向こうはやっぱ 嫌なだけなのかな
コーヒーを買って純の元に戻る洋介。
洋介「おまたせ」
両手に1つずつカップを持っている洋介
洋介「コーヒー買ってきた。嫌いじゃない?」
純「嫌いじゃない、けど……俺のはいいのに」
洋介「俺が一緒に飲みたかったんだよ」「甘いとの甘くないの、どっちがいい?」
純「…………」優しくされて嬉しいのを隠すように俯く純
純「……甘くないの」
嬉しそうに微笑み「どーぞ」とカップを純に手渡す洋介。
それから二人で並んでベンチに座ってるコーヒーを飲む
洋介「その格好はさ いつからしてんの?」「答えなくなかったら 別に言わなくていいけど」
少しだけ黙った後、答える純
純「……2年、とか そんくらい」どこか曇った表情で答える純。この話題はあまり触れたくないと思っている
洋介「へえ 結構長いことやってんのな」
洋介「バレたくないとか言う割に その格好でガンガン外出してるし 結構大胆だよな東」
純「見られてもバレないと思ってたから」即答する純
純「同じ学校の奴にガン見されてもバレない自信あった」
洋介「あー まあ……確かに」
女装の純を初めて見た時、洋介以外の男子はまったく純だと気づいていなかったのを思い出す洋介
洋介「他の奴はぜんぜん気づいてなかったな」
純「逆に桃田にバレてショックだったくらいだよ」
洋介のほうを向く純
純「よく気づいたよね 俺だって」
洋介「や わかるよだって」「目が」
その瞬間、突然強い風が吹いて 洋介の言葉が遮られる。
純「わっ……」
目にゴミが入った純が 手で目を覆う
洋介「ゴミ入った? 見せて」
純の頬に触れて 純の顔を自分の方に向かせる洋介
至近距離で見つめ合う2人の横顔アップ
洋介「目 きれいだよな……東」
純「あ……生まれつき色素が……薄くて…」
突然見つめられて 動揺する純
洋介「こんなきれいな目 見間違うわけねーよ」
真剣な表情で純を見つめる純
純「え……」
洋介「大丈夫! ゴミ入ってなかったよ」
パッと元の笑顔に戻り、明るい口調で言う洋介
洋介「そろそろ映画始まるな いこーぜ」
純「あ、ああ……」
純(目なんていつ見たんだよ)顔を伏せて動揺を隠す純
時間経過+場面転換
平日の学校 洋介と同級生男子数人がだべっている。
モブ男子1「昼休み明けの現国の殺傷能力やばすぎん」
モブ男子2「俺後ろから見てたけど クラスの半分は寝てたぜあれ」
モブ男子3「いや半分は盛りすぎ(笑)」
モブ男子1「あー可愛い彼女に優しく起こしてもらいてー」
モブ男子3「そんなお前に朗報! Y女と合コン企画しまーす!」
モブ男子「いや神か!」「救世主!」口々に盛り上がる男子たち
モブ男子1「モモ! 可愛い子の集客のためには お前の参加が不可欠だ! 頼む来てくれ!」
洋介は突然話を振られて驚いた顔をした後、
洋介「あー……実は」
場面転換 ここ以降、純視点に切り替え
モブ女子「モモ 彼女できたんだって!!」勢いのあるフキダシのみのコマから始まる
モブ女子2「さっき聞いた 泣いたーーーー」
女子数人が教室内で集まって話している
女子数人が洋介の話で盛り上がっているすぐ横の席には純が座って本を読んでいる(ように見えるが実際は女子たちの話で気が散っている)
女子たちはもちろん純の存在は気にも止めずに話に盛り上がっている
どこか気まずそうに背中を丸めて座り、机に広げた文庫本を読むふりをする純
モブ女子「彼女何者!? え、まさかうちの学校!?」
モブ女子2「いやそれはないぽい。もしうちの学校の人だったら周りの女子からの嫉妬だけで たぶん呪い殺されるよね」
モブ女子「それは間違いない」
純(呪……?)女子たちの話を聞きながら一人で青ざめる純
モブ女子「なんか聞いた話だと、彼女、タレントとからしい」
モブ女子2「ひえーーやばすぎ」
純(!?!?)心の中で動揺する純
モブ女子「事務所のこととかあるから 付き合ってることとか あんまり詳しいことは口外しちゃだめなんだって」
モブ女子2「やばーーーもう異世界じゃんそれ」
純(どーゆー説明したんだよあいつ……!?)
ここで実際のところは…のコマを1コマ挿入
洋介が周りに彼女のことを問い詰められて
洋介「あんまり詳しいことは話せないんだよね……」←こう言っただけ
モブ女子2「でも なんかそれ 逆にほっとしたかも」
モブ女子「ね そこらへんの奴にモモの彼女ですとか言われても なんでお前?としかなんない」
なんでお前?のセリフのコマをやや大きめに。純の絵と被らせるように置いて、まるで純が言われているかのように演出
モブ女子2「わかるー」
女子の話を聞きながら、複雑な気持ちの純。なんでお前?と一番思っているのは純本人だから。
場面転換
校舎の裏庭の外階段に一人で座っている純
女子が噂話をしている教室にいるのが気まずくて一人で逃げてきた。
純(教室戻りづら……)
ついさっき女子が言っていたことを思い出す純
『なんでお前?』
純(いや それは俺が一番聞きたい……)
ーーーー巻き込まないでほしい お願いだから
純(解放してくんねーかな)
膝を抱えて、頭を突っ伏す純
ーーーー手遅れになる前に
洋介「東!?」
声に反応して、純が頭を上げると、目の前に心配そうな顔の洋介がいた
洋介の顔を見た瞬間の純の瞳のアップのコマ。ヘーゼルアイが美しく輝く(洋介を見て無意識に心が動いていることを表現)
洋介「教室にいなかったからさ……なんか探した」
よく見たらうっすらと汗をかいている洋介。必死に純を探し回っていたことが伺える。
洋介「でも いたからよかったわ」嬉しそうな笑顔の洋介
笑顔の洋介を見てドキッと胸が鳴る純。
純「……お前、タレントの彼女と極秘交際中なんだってな」
心が弾んだことを隠すように、わざと低いトーンで言う純
洋介「あーーーごめん! なんか周りが勝手に想像して噂して おひれはひれが付きまくり……」
慌てて弁解する洋介
洋介「嫌だった……? 写真とかは見せてねーよ?」
純の顔色をうかがうように、純の顔を覗き込む洋介。上目遣いの洋介を見て動揺する純
純「いや……別に嫌とかじゃ……」
動揺を隠すように ぱっと洋介から視線を逸らす純
純「元々偽装彼女なんだから 嘘の噂が回っても問題ないだろ」
洋介「まあ そーなんだけどさ……」
洋介「あまりにも東からかけ離れた噂流されるのが なんか釈然としないとゆーか……」
純「なにそれ……」内心嬉しい気持ちを押し隠すように、つっけんどんに言う
洋介「いや! 噂と東が違うってことじゃないからな!? 東だってめちゃくちゃ可愛いからね! 俺的にはタレントとかより東の方がぜんぜん可愛いと思うし なんなら東のほうが」
純「もういいから!」思わず叫ぶ純。照れて顔が赤くなっている。
照れている純を見て、愛おしそうに微笑む洋介
洋介「今週もデートしようね」
純「…………っ!」顔を真っ赤にして言葉に詰まる純
ーーーー手遅れになる前に?
純「ま、まだすんのかよ デート……」
洋介「もちろんです まだまだ全然足りません」
照れて目を伏せる純
ーーーーたぶんもう とっくに手遅れ
長い髪の隙間から、頬を赤らめた純の横顔が覗くコマでラスト引き
漫画原稿30〜35ページ想定
地の文:ト書き
「」:発話フキダシ
():思考フキダシ
ーーーー:視点者のモノローグ
冒頭、洋介の自宅の部屋。
ベッドの上に私服を何枚も広げ、何を着ようか真剣に悩んでいる洋介。
洋介の妹(葵)「洋兄ーーーお母さんが早く朝ごはん食べちゃってだってーー」
部屋のドアが開いて、洋介の妹の葵が声をかける。
葵「おや? おやおや?」洋介の様子や散らかった服を見て何かに気付いた様子で
葵「もしかしてデートですか?」いたずらっぽい笑顔でたずねる
洋介「あー……うん」
葵「へええええ」「よかったね洋兄ーー」まじまじと洋介を見ながら言う葵
洋介「……なんだよ」
葵「だってすごい嬉しいオーラ溢れてるんだもん洋兄」「だからよかったなーって」
洋介「……っ」動揺する洋介
葵「へーーなんか意外」「洋兄って あんまり彼女とかそーゆーの興味ないのかと思ってた」
洋介「……あっても家族に言わねーわ」痛いところを突かれて気まずそうに言う
葵「いつか私も会いたいなー洋兄の彼女」
純粋な笑顔の葵に、うっすらと罪悪感が湧く洋介
洋介「まあ いつかね……」
ーーーー今日がデートなのは正解
ーーーーただ 相手は彼女(偽装)で しかも
ーーーー女装男子です
ここから回想シーン(1話ラスト直後の場面から)
ーーーー黙ってる代わりに彼女のふりして
絶句している純と真面目な顔の洋介の対比になるコマ
純「……は……?」唖然とした表情の純
驚きすぎて固まっている純に気付き、慌てて弁解(?)を始める陽介
洋介「あーだからつまり 彼女……は、今はほしいと思わないんだけど、周りがうるさくて面倒でさ」
洋介「ならもう いっそいることにしたら楽かもなと」
洋介「でも女友達に頼んでゴタってもだるいからさ」「東がやってくれたら丁度いいなーって」
洋介の話を聞きながら、だんだん表情が曇る純。←女友達とはゴタりたくないけど俺とは構わないってことかよ、と自分が軽んじられていると感じて嫌悪感を覚えている表情
ーーーーあ 今の言い方は ちょっと感じ悪かった かも
純の顔を見てなんとなく察する洋介
純「つまりモテすぎて面倒だから偽装彼女作って黙らせたいってこと?」
嫌悪感を覚えつつも、冷静に言う純
洋介「あーー まあ 語弊を恐れず言えばそう」
純「……わかったよ」
洋介「え やってくれんの?」意外そうに驚く洋介
純「俺に拒否権ないじゃん」
純「やらないと言いふらすって脅してんでしょ」
洋介「まあ……そう、だね」
純「で」気だるげに頭を掻く純「彼女のふりって、具体的になにすりゃいいの」
洋介「えーーーと とりあえず じゃあ」
ーーーーデートしよ
このコマで場面転換 デート当日の待ち合わせの駅っぽい場所
待ち合わせ場所に先に待っている洋介
男友達と遊んでいた時の服装と系統は同じだが、ネックレスをつけている(デートなので意識した)
壁に寄りかかって立って、純を待っている洋介。
通行人の女性が頬を赤らめながらちらちらと洋介を見ているが、洋介は気づいていない。
「桃田……」
名前を呼ばれて、声のした方に目を向ける洋介
女装姿の純が小走りで洋介に近づいてきている
ゆったりしたシルエットのシャツにデニムスカート、足元はローファーというコーデ
純「待たせてごめん……」焦った様子の純
洋介「まだ時間なってないよ 俺が早く来すぎただけだから」優しく笑う洋介
純「あ、ああ……」思いの外優しい反応が返ってきて、少し戸惑う純
改めて純の格好をよく見る洋介
洋介「日を改めて見ると すっげーーーね」
洋介「どっから見ても女の子だわ」
純「……どーも」褒められ慣れていないので上手く反応できない純
洋介「前の時も可愛かったけど 今日もすげー可愛い」
素直に気持ちを伝える洋介。かっこつけていたり、純を喜ばせようとしているのではなく、本心からの気持ちが溢れた感じの表情。
純「…………」気まずそうに目を背ける純
(なんでこんなに褒めてくるんだ?と疑心暗鬼な気持ち)
洋介「じゃあ行こっか」
当たり前のように純と手を繋ぐ洋介
純「!?」「繋ぐの?」驚く純
洋介「当たり前じゃん デートなんだから」
当然のように笑顔で言う純。
純はびっくりするも拒絶はしない
横に並んでいる二人の身長差は普通の男女くらい(洋介が180センチ、純が165センチ)
純(慣れてんな……こいつ)
横にいる洋介をちらりと見上げる純
純(まあ そりゃそうか こんだけ男前で)
純(物腰も柔らかくて いつも人に囲まれてて)
純(なんでこんな奴が 俺に構うんだ?)
洋介の綺麗な横顔をじっと見上げながら考える純
場面転換 洋服屋の店内
洋介「レディースの服ってどこで買ってんの?」
純「ネットとか……こういう店来て買ったりもする」
洋介「へえ〜〜」
洋介「東スタイル良いから 何着ても似合いそう」
棚にあったマフラーを手に取って純の首にふわりと巻く洋介
洋介「可愛い」
純「…………っ」動揺する純
場面転換 公園ぽい場所
洋介「結構歩いたし 疲れてない?」
純「大丈夫」
洋介「飲み物買ってきていい? ちょっとここで待ってて」
目についたベンチに座るよう促す洋介
純「うん……」
ベンチに純を座らせ、一人でその場を離れる洋介
移動販売車でコーヒーを買いながら、ベンチに座っている純を遠目から見る
遠目で見ても、儚い雰囲気の美少女の純。純は洋介が見ていることには気づかず、ぼんやりと遠くを見ている。
洋介(弱みを握って無理矢理してるデートだって わかってるけど)
洋介(楽しい……)
純を愛おしそうに見つめる洋介の横顔。
ーーーー向こうはやっぱ 嫌なだけなのかな
コーヒーを買って純の元に戻る洋介。
洋介「おまたせ」
両手に1つずつカップを持っている洋介
洋介「コーヒー買ってきた。嫌いじゃない?」
純「嫌いじゃない、けど……俺のはいいのに」
洋介「俺が一緒に飲みたかったんだよ」「甘いとの甘くないの、どっちがいい?」
純「…………」優しくされて嬉しいのを隠すように俯く純
純「……甘くないの」
嬉しそうに微笑み「どーぞ」とカップを純に手渡す洋介。
それから二人で並んでベンチに座ってるコーヒーを飲む
洋介「その格好はさ いつからしてんの?」「答えなくなかったら 別に言わなくていいけど」
少しだけ黙った後、答える純
純「……2年、とか そんくらい」どこか曇った表情で答える純。この話題はあまり触れたくないと思っている
洋介「へえ 結構長いことやってんのな」
洋介「バレたくないとか言う割に その格好でガンガン外出してるし 結構大胆だよな東」
純「見られてもバレないと思ってたから」即答する純
純「同じ学校の奴にガン見されてもバレない自信あった」
洋介「あー まあ……確かに」
女装の純を初めて見た時、洋介以外の男子はまったく純だと気づいていなかったのを思い出す洋介
洋介「他の奴はぜんぜん気づいてなかったな」
純「逆に桃田にバレてショックだったくらいだよ」
洋介のほうを向く純
純「よく気づいたよね 俺だって」
洋介「や わかるよだって」「目が」
その瞬間、突然強い風が吹いて 洋介の言葉が遮られる。
純「わっ……」
目にゴミが入った純が 手で目を覆う
洋介「ゴミ入った? 見せて」
純の頬に触れて 純の顔を自分の方に向かせる洋介
至近距離で見つめ合う2人の横顔アップ
洋介「目 きれいだよな……東」
純「あ……生まれつき色素が……薄くて…」
突然見つめられて 動揺する純
洋介「こんなきれいな目 見間違うわけねーよ」
真剣な表情で純を見つめる純
純「え……」
洋介「大丈夫! ゴミ入ってなかったよ」
パッと元の笑顔に戻り、明るい口調で言う洋介
洋介「そろそろ映画始まるな いこーぜ」
純「あ、ああ……」
純(目なんていつ見たんだよ)顔を伏せて動揺を隠す純
時間経過+場面転換
平日の学校 洋介と同級生男子数人がだべっている。
モブ男子1「昼休み明けの現国の殺傷能力やばすぎん」
モブ男子2「俺後ろから見てたけど クラスの半分は寝てたぜあれ」
モブ男子3「いや半分は盛りすぎ(笑)」
モブ男子1「あー可愛い彼女に優しく起こしてもらいてー」
モブ男子3「そんなお前に朗報! Y女と合コン企画しまーす!」
モブ男子「いや神か!」「救世主!」口々に盛り上がる男子たち
モブ男子1「モモ! 可愛い子の集客のためには お前の参加が不可欠だ! 頼む来てくれ!」
洋介は突然話を振られて驚いた顔をした後、
洋介「あー……実は」
場面転換 ここ以降、純視点に切り替え
モブ女子「モモ 彼女できたんだって!!」勢いのあるフキダシのみのコマから始まる
モブ女子2「さっき聞いた 泣いたーーーー」
女子数人が教室内で集まって話している
女子数人が洋介の話で盛り上がっているすぐ横の席には純が座って本を読んでいる(ように見えるが実際は女子たちの話で気が散っている)
女子たちはもちろん純の存在は気にも止めずに話に盛り上がっている
どこか気まずそうに背中を丸めて座り、机に広げた文庫本を読むふりをする純
モブ女子「彼女何者!? え、まさかうちの学校!?」
モブ女子2「いやそれはないぽい。もしうちの学校の人だったら周りの女子からの嫉妬だけで たぶん呪い殺されるよね」
モブ女子「それは間違いない」
純(呪……?)女子たちの話を聞きながら一人で青ざめる純
モブ女子「なんか聞いた話だと、彼女、タレントとからしい」
モブ女子2「ひえーーやばすぎ」
純(!?!?)心の中で動揺する純
モブ女子「事務所のこととかあるから 付き合ってることとか あんまり詳しいことは口外しちゃだめなんだって」
モブ女子2「やばーーーもう異世界じゃんそれ」
純(どーゆー説明したんだよあいつ……!?)
ここで実際のところは…のコマを1コマ挿入
洋介が周りに彼女のことを問い詰められて
洋介「あんまり詳しいことは話せないんだよね……」←こう言っただけ
モブ女子2「でも なんかそれ 逆にほっとしたかも」
モブ女子「ね そこらへんの奴にモモの彼女ですとか言われても なんでお前?としかなんない」
なんでお前?のセリフのコマをやや大きめに。純の絵と被らせるように置いて、まるで純が言われているかのように演出
モブ女子2「わかるー」
女子の話を聞きながら、複雑な気持ちの純。なんでお前?と一番思っているのは純本人だから。
場面転換
校舎の裏庭の外階段に一人で座っている純
女子が噂話をしている教室にいるのが気まずくて一人で逃げてきた。
純(教室戻りづら……)
ついさっき女子が言っていたことを思い出す純
『なんでお前?』
純(いや それは俺が一番聞きたい……)
ーーーー巻き込まないでほしい お願いだから
純(解放してくんねーかな)
膝を抱えて、頭を突っ伏す純
ーーーー手遅れになる前に
洋介「東!?」
声に反応して、純が頭を上げると、目の前に心配そうな顔の洋介がいた
洋介の顔を見た瞬間の純の瞳のアップのコマ。ヘーゼルアイが美しく輝く(洋介を見て無意識に心が動いていることを表現)
洋介「教室にいなかったからさ……なんか探した」
よく見たらうっすらと汗をかいている洋介。必死に純を探し回っていたことが伺える。
洋介「でも いたからよかったわ」嬉しそうな笑顔の洋介
笑顔の洋介を見てドキッと胸が鳴る純。
純「……お前、タレントの彼女と極秘交際中なんだってな」
心が弾んだことを隠すように、わざと低いトーンで言う純
洋介「あーーーごめん! なんか周りが勝手に想像して噂して おひれはひれが付きまくり……」
慌てて弁解する洋介
洋介「嫌だった……? 写真とかは見せてねーよ?」
純の顔色をうかがうように、純の顔を覗き込む洋介。上目遣いの洋介を見て動揺する純
純「いや……別に嫌とかじゃ……」
動揺を隠すように ぱっと洋介から視線を逸らす純
純「元々偽装彼女なんだから 嘘の噂が回っても問題ないだろ」
洋介「まあ そーなんだけどさ……」
洋介「あまりにも東からかけ離れた噂流されるのが なんか釈然としないとゆーか……」
純「なにそれ……」内心嬉しい気持ちを押し隠すように、つっけんどんに言う
洋介「いや! 噂と東が違うってことじゃないからな!? 東だってめちゃくちゃ可愛いからね! 俺的にはタレントとかより東の方がぜんぜん可愛いと思うし なんなら東のほうが」
純「もういいから!」思わず叫ぶ純。照れて顔が赤くなっている。
照れている純を見て、愛おしそうに微笑む洋介
洋介「今週もデートしようね」
純「…………っ!」顔を真っ赤にして言葉に詰まる純
ーーーー手遅れになる前に?
純「ま、まだすんのかよ デート……」
洋介「もちろんです まだまだ全然足りません」
照れて目を伏せる純
ーーーーたぶんもう とっくに手遅れ
長い髪の隙間から、頬を赤らめた純の横顔が覗くコマでラスト引き
