P1(扉絵/1コマ)
大コマ:夕影の書庫。行灯の灯。朔真が千歳の耳元に口を寄せ、“息返し”をする直前。千歳の鎖骨の輪紋が淡く輝き、朔真の喉紋には砂時計と小さな「明」。机には小さな盃と薄い湯気。
T:第5話「初めての声」
P2(4コマ)
1 書庫の机上、勅使の公文(前話ラストのもの)と旅程表。
桂庵:『王城“沈黙の間”——参列は明後日。準備は今日・明日で詰める』
2 千歳、共語ノートを開く。〈双拍〉〈抱〉〈和〉の横に空欄。
千歳:『“呼名”のコマンドを作りたい。あなたの声が必要』
3 朔真の喉紋クローズ。砂が刻々と落ちる。
UI:砂残量ゲージ 45%
4 桂庵が木箱を置く。古びた盃と注連紙。
桂庵:『古法“声の盃”。息で声を分け合う。——代償は、渡し手の喉』
P3(5コマ)
1 桂庵、手順を示す。
桂庵:『まず受け手が盃へ白息を吹き、渡し手がそれを返す。拍は三拍。長くするな、傷む』
2 千歳、盃を両手で包み白い息をふっと吹き込む。
SFX:ふ…
3 朔真、盃を受け喉へ添えて息を返す寸前で止まる。千歳の目が不安と期待で潤む。
千歳(小声)『——お願いします』
4 朔真、頷き。盃へ短く息を送る。
SFX:す…
5 UI:盃の縁に薄い古文字の波。千歳の喉札が微かに灯る。
千歳(心の声):(熱い……のに、やさしい)
P4(4コマ)
1 試す。千歳、耳元で短い鍵。
千歳(耳元囁き):『〈呼〉(よ)』
2 刀身の古文字が二重譜に重なり、**名印(二画目の横画)**が淡く灯る。
UI:一画目(縦)+二画目(横)
3 朔真、喉がかすかに震え、ごく短い音が漏れる。
朔真(微音)『……ち』
4 千歳、はっと目を見開き、すぐ笑う。頬に涙。
千歳:『今、——聞こえた』
P5(5コマ)
1 もう一度、三拍で息を合わせる。額コツン。
SFX:こつ
2 朔真、口形を作り、喉で音を押し出す。
朔真(掠れ)『……ち、と……』
3 千歳、耳を近づける。
千歳(囁き)『最後は“せ”。私が貸す——』
4 千歳、耳元に息返し。
SFX:す…
5 朔真、極小の声で。
朔真(掠れ)『……せ』
P6(3コマ・大きめ)
1(大) 二人の間の空気が震え、鎖骨の輪紋が円に近づく。刀身の名印が細く伸び、〈真〉の部品が増える。
SFX:トン…(共鳴の低音)
2 千歳、肩を震わせ泣き笑い。
千歳:『呼んだ……私の名を……!』
3 朔真、照れと痛みの混じる目で小さく頷く。喉紋の砂がわずかに巻き戻る演出。
UI:砂 45→47%
P7(4コマ)
1 緊急の警鐘。
SFX:カン…カン…
伝令:『北小路! 木霊(こだま)凝り発生!』
2 路地。家屋の壁一面に口の無い顔が浮き出て呻く。空気が呑みを拒む。
依頼人:『声が……声が吸われる!』
3 千歳、声での指示が出ない。鈴紋がじわりと点滅。
UI:鈴 7(点滅)
4 朔真、即座に背を預け合う体勢。
朔真(目で):〈無声で行く〉
千歳(頷く)
P8(5コマ)
1 千歳、朔真の肩へ拍を送る(指先トン)。
SFX:トン トン
2 無声囁きで鍵。
千歳(無声):〈抱〉
3 刀身が柔光、木霊の壁面を包むが、吸声の陣に吸われ始める。
UI:壁面に鈴結びの陰
4 千歳、喉に痛み。声が奪われ膝が落ちる。
SFX:ズン…
千歳(息)『っ……』
5 朔真、抱き上げて庇う。
朔真(歯を噛む目)
桂庵(駆け込み):『声の陣——呼名で割れ!』
P9(4コマ)
1 朔真、千歳をそっと下ろし、向き合う。千歳は唇で**“ち”**の形を作って見せる。
千歳(口形)〈ち〉〈と〉〈せ〉
2 朔真、三拍を自分の胸で刻む。
SFX:とく… とく… とく…
3 朔真、初めて自力で息を束ねる。
朔真(掠れ→わずかに通る)『……ち』
4 千歳、耳を近づけ支える。
千歳(無声):〈できる〉
P10(5コマ)
1 朔真:
朔真(掠れ)『……と』
2 木霊の壁に細い亀裂。
SFX:ピキ…
3 朔真、喉を押さえながら最後の一拍。
朔真(小さく)『……せ』
4 その瞬間、鎖骨の輪紋が円になり、壁の鈴結びがほどける。
SFX:ほどり…
5 木霊が霧散。家屋の空気が息を返すように暖まる。
依頼人:『息が……戻った……!』
P11(4コマ)
1 千歳、へたり込み胸に手。喉札がぱさと剥がれかける。
SFX:ぱさ…
2 朔真、そっと喉札を貼り直す。指が喉筋のラインをなぞる。
朔真(目で):〈ありがとう〉
千歳(かすれ)『こちらこそ』
3 桂庵、壁の残滓を検分。鈴紋の陰がうっすら。
桂庵:『黒羽の仕込みだな』
4 夕空の屋根縁、黒羽紗那が笙を揺らしてにやり。
紗那:『初声、いただき』
P12(5コマ)
1 紗那、指で空を弾き鈴陣を描く。
紗那:『ご褒美。今夜の結び、二つ解けるチャンス』
2 UI:千歳の喉に鈴7→6?(まだ)。
紗那(続けて):『条件は——本心の呼名』
3 千歳、朔真の耳へ。
千歳(無声):〈朔真。——好き〉
4 朔真、千歳の耳へ息返し。
朔真(極小の声)『……千、歳』
5 UI:7→6に変化。鈴が二つほどけ、ひとつは音もなく消える演出。
SFX:ころ… ほど…
P13(3コマ・大きめ)
1(大) 刀身クローズ。名印の二画目が太り、〈真〉の骨格が半分見える。
UI:名印ゲージ 40%
2 朔真の喉紋の砂が少し巻き戻り、砂時計の縁に細い光。
UI:砂 47→50%
3 千歳、朔真の手の甲に筆文字。
千歳(小声)『〈在〉——いてくれて、ありがとう』
P14(5コマ)
1 書庫。旅支度。兵から旅衣と外套が届く。
隊士:『王城まで二日。明朝発』
2 千歳、外套を羽織り、帯の結びを朔真が手伝う。
SFX:きゅ
3 ふたり、息合わせの短練。
二人(口形)〈双拍〉
4 朔真、喉の“真”の小字をそっと押さえる。
朔真(目で):〈守る〉
5 千歳、頷く。鎖骨の輪紋が柔らかく灯る。
UI:円の重なり度 +5%
P15(4コマ)
1 夜、屋根の渡り廊下。鈴解き四夜目。
UI:鈴 6(輝度強)
2 紗那:『“嫉(そね)み結び”。——互いへの疑いがあれば解けないよ』
3 千歳、はっきりと首を振る。
千歳(耳元)『疑わない。だって——初めての声を、私にくれたから』
4 鈴が澄んだ音を立てて解ける。
SFX:ちりん…
UI:6の輪が一段薄くなる(実カウントは据え置き=ご褒美は既に2個分消費済み)
P16(ラスト1コマ)
大コマ 夜明けの少し手前。北門の外、薄靄の街路。馬と供の影。千歳と朔真が並んで立つ。遠景に王城の塔。
T(モノローグ・千歳):(あなたが私の名を呼んだ。だったら——王の沈黙も、きっと破れる)
UI:鈴 6/名印ゲージ 40%/喉紋砂 50%
C:To Be Continued
大コマ:夕影の書庫。行灯の灯。朔真が千歳の耳元に口を寄せ、“息返し”をする直前。千歳の鎖骨の輪紋が淡く輝き、朔真の喉紋には砂時計と小さな「明」。机には小さな盃と薄い湯気。
T:第5話「初めての声」
P2(4コマ)
1 書庫の机上、勅使の公文(前話ラストのもの)と旅程表。
桂庵:『王城“沈黙の間”——参列は明後日。準備は今日・明日で詰める』
2 千歳、共語ノートを開く。〈双拍〉〈抱〉〈和〉の横に空欄。
千歳:『“呼名”のコマンドを作りたい。あなたの声が必要』
3 朔真の喉紋クローズ。砂が刻々と落ちる。
UI:砂残量ゲージ 45%
4 桂庵が木箱を置く。古びた盃と注連紙。
桂庵:『古法“声の盃”。息で声を分け合う。——代償は、渡し手の喉』
P3(5コマ)
1 桂庵、手順を示す。
桂庵:『まず受け手が盃へ白息を吹き、渡し手がそれを返す。拍は三拍。長くするな、傷む』
2 千歳、盃を両手で包み白い息をふっと吹き込む。
SFX:ふ…
3 朔真、盃を受け喉へ添えて息を返す寸前で止まる。千歳の目が不安と期待で潤む。
千歳(小声)『——お願いします』
4 朔真、頷き。盃へ短く息を送る。
SFX:す…
5 UI:盃の縁に薄い古文字の波。千歳の喉札が微かに灯る。
千歳(心の声):(熱い……のに、やさしい)
P4(4コマ)
1 試す。千歳、耳元で短い鍵。
千歳(耳元囁き):『〈呼〉(よ)』
2 刀身の古文字が二重譜に重なり、**名印(二画目の横画)**が淡く灯る。
UI:一画目(縦)+二画目(横)
3 朔真、喉がかすかに震え、ごく短い音が漏れる。
朔真(微音)『……ち』
4 千歳、はっと目を見開き、すぐ笑う。頬に涙。
千歳:『今、——聞こえた』
P5(5コマ)
1 もう一度、三拍で息を合わせる。額コツン。
SFX:こつ
2 朔真、口形を作り、喉で音を押し出す。
朔真(掠れ)『……ち、と……』
3 千歳、耳を近づける。
千歳(囁き)『最後は“せ”。私が貸す——』
4 千歳、耳元に息返し。
SFX:す…
5 朔真、極小の声で。
朔真(掠れ)『……せ』
P6(3コマ・大きめ)
1(大) 二人の間の空気が震え、鎖骨の輪紋が円に近づく。刀身の名印が細く伸び、〈真〉の部品が増える。
SFX:トン…(共鳴の低音)
2 千歳、肩を震わせ泣き笑い。
千歳:『呼んだ……私の名を……!』
3 朔真、照れと痛みの混じる目で小さく頷く。喉紋の砂がわずかに巻き戻る演出。
UI:砂 45→47%
P7(4コマ)
1 緊急の警鐘。
SFX:カン…カン…
伝令:『北小路! 木霊(こだま)凝り発生!』
2 路地。家屋の壁一面に口の無い顔が浮き出て呻く。空気が呑みを拒む。
依頼人:『声が……声が吸われる!』
3 千歳、声での指示が出ない。鈴紋がじわりと点滅。
UI:鈴 7(点滅)
4 朔真、即座に背を預け合う体勢。
朔真(目で):〈無声で行く〉
千歳(頷く)
P8(5コマ)
1 千歳、朔真の肩へ拍を送る(指先トン)。
SFX:トン トン
2 無声囁きで鍵。
千歳(無声):〈抱〉
3 刀身が柔光、木霊の壁面を包むが、吸声の陣に吸われ始める。
UI:壁面に鈴結びの陰
4 千歳、喉に痛み。声が奪われ膝が落ちる。
SFX:ズン…
千歳(息)『っ……』
5 朔真、抱き上げて庇う。
朔真(歯を噛む目)
桂庵(駆け込み):『声の陣——呼名で割れ!』
P9(4コマ)
1 朔真、千歳をそっと下ろし、向き合う。千歳は唇で**“ち”**の形を作って見せる。
千歳(口形)〈ち〉〈と〉〈せ〉
2 朔真、三拍を自分の胸で刻む。
SFX:とく… とく… とく…
3 朔真、初めて自力で息を束ねる。
朔真(掠れ→わずかに通る)『……ち』
4 千歳、耳を近づけ支える。
千歳(無声):〈できる〉
P10(5コマ)
1 朔真:
朔真(掠れ)『……と』
2 木霊の壁に細い亀裂。
SFX:ピキ…
3 朔真、喉を押さえながら最後の一拍。
朔真(小さく)『……せ』
4 その瞬間、鎖骨の輪紋が円になり、壁の鈴結びがほどける。
SFX:ほどり…
5 木霊が霧散。家屋の空気が息を返すように暖まる。
依頼人:『息が……戻った……!』
P11(4コマ)
1 千歳、へたり込み胸に手。喉札がぱさと剥がれかける。
SFX:ぱさ…
2 朔真、そっと喉札を貼り直す。指が喉筋のラインをなぞる。
朔真(目で):〈ありがとう〉
千歳(かすれ)『こちらこそ』
3 桂庵、壁の残滓を検分。鈴紋の陰がうっすら。
桂庵:『黒羽の仕込みだな』
4 夕空の屋根縁、黒羽紗那が笙を揺らしてにやり。
紗那:『初声、いただき』
P12(5コマ)
1 紗那、指で空を弾き鈴陣を描く。
紗那:『ご褒美。今夜の結び、二つ解けるチャンス』
2 UI:千歳の喉に鈴7→6?(まだ)。
紗那(続けて):『条件は——本心の呼名』
3 千歳、朔真の耳へ。
千歳(無声):〈朔真。——好き〉
4 朔真、千歳の耳へ息返し。
朔真(極小の声)『……千、歳』
5 UI:7→6に変化。鈴が二つほどけ、ひとつは音もなく消える演出。
SFX:ころ… ほど…
P13(3コマ・大きめ)
1(大) 刀身クローズ。名印の二画目が太り、〈真〉の骨格が半分見える。
UI:名印ゲージ 40%
2 朔真の喉紋の砂が少し巻き戻り、砂時計の縁に細い光。
UI:砂 47→50%
3 千歳、朔真の手の甲に筆文字。
千歳(小声)『〈在〉——いてくれて、ありがとう』
P14(5コマ)
1 書庫。旅支度。兵から旅衣と外套が届く。
隊士:『王城まで二日。明朝発』
2 千歳、外套を羽織り、帯の結びを朔真が手伝う。
SFX:きゅ
3 ふたり、息合わせの短練。
二人(口形)〈双拍〉
4 朔真、喉の“真”の小字をそっと押さえる。
朔真(目で):〈守る〉
5 千歳、頷く。鎖骨の輪紋が柔らかく灯る。
UI:円の重なり度 +5%
P15(4コマ)
1 夜、屋根の渡り廊下。鈴解き四夜目。
UI:鈴 6(輝度強)
2 紗那:『“嫉(そね)み結び”。——互いへの疑いがあれば解けないよ』
3 千歳、はっきりと首を振る。
千歳(耳元)『疑わない。だって——初めての声を、私にくれたから』
4 鈴が澄んだ音を立てて解ける。
SFX:ちりん…
UI:6の輪が一段薄くなる(実カウントは据え置き=ご褒美は既に2個分消費済み)
P16(ラスト1コマ)
大コマ 夜明けの少し手前。北門の外、薄靄の街路。馬と供の影。千歳と朔真が並んで立つ。遠景に王城の塔。
T(モノローグ・千歳):(あなたが私の名を呼んだ。だったら——王の沈黙も、きっと破れる)
UI:鈴 6/名印ゲージ 40%/喉紋砂 50%
C:To Be Continued



