シェリダーの領域は、銀警官の国の国境にそびえる巨大な壁だった。銀の棘で覆われた要塞は、異色者を拒む純白の障壁だった。壁の表面には、白髪の民を象徴する螺旋模様が刻まれ、霧の光を冷たく反射した。頂上には監視塔が立ち、月光を浴びて銀光を放った。シェリダーは白髪を神官のように整え、白瞳が純粋を装って輝いた。純白の鎧は鏡のように滑らかで、聖剣を模した長剣が冷たく光った。剣の柄には銀の翼が刻まれ、刃には細かな刻印が施されていた。胸に刻まれた紋章の「翼を持つ白い十字架」は、銀の装飾で、排外の信念を象徴した。
「白銀のみが純粋だ。異端は排除せよ!」
シェリダーは異色者を追放し、壁の内側を「純粋な国」と定義していたが、心の底では自身の純粋さが試される恐怖に苛まれていた。
この夜、シェリダーは監視塔の頂上に立ち、聖剣を手に国境を見下ろしていた。銀の棘が霧の中でかすかに鳴り、鎧が月光を反射して輝いた。彼の白瞳は、霧の向こうに異端の気配を探した。
「禍(異端者)が近づいている…僕らの白銀(永遠の命)を守る」
聖剣を握りしめ、剣の翼が微かに震えた。霧が揺れ、純白の影が壁の前に現れた。朝日だった。白髪が月光に輝き、白金の瞳が銀の棘を貫いた。純白の軍服は壁の輝きを凌駕し、肩の秩序の紋章が冷たく光った。光条銃の銃身には細かな刻印が施され、銃剣の刃が鋭く輝いた。銃剣の水晶が脈動し、白金の閃光を放ち、まるで法そのものが壁を裁くようだった。朝日の足音が棘を踏み、かすかな金属音が響いたが、棘は彼に触れず、霧に溶けた。
シェリダーは朝日を睨み、聖剣を構えた。
「遂に来たな…ホモtheゲイ! 僕らの純粋(白銀)を汚すな! この壁は白銀の聖域だぁ!!!」
白瞳が朝日を射抜き、鎧がカチャリと鳴った。聖剣が空気を切り、翼の刻印が輝いた。だが、朝日の白金瞳が一閃。
「秩序の白」
その声は神の宣告のように冷たく、空間を凍らせた。聖剣の刃がひび割れ、鎧が砕け、翼を持つ十字架の紋章が崩壊した。銀の棘が折れ、壁が低く唸った。シェリダーの体が霧のように薄れ、純粋の信念が粉砕された。
「くそがあああああああああ(以下略)!!!」
彼は叫び、声は途切れ、存在が消滅した。監視塔が傾き、銀の破片が霧に散った。
朝日は無言で立ち、光条銃を肩に担いだ。銃剣の水晶が一瞬だけ光を放ち、秩序の紋章が輝いた。霧が壁を覆い、要塞は静寂に沈んだ。朝日の姿が霧に溶け、壁の輝きは失われ、ただ冷たい銀の残響だけが残った。