外はあたり一面雪景色だった。
ほんのりと雪が降る程度で、寒さは感じない。
私は雪の上に小さな足跡を残しながらシェルターから離れる。
おそらくもう、このシェルターには戻らないだろう。
私は振り返り、長い間眠っていたその場所を見つめる。
ただの四角い鉄の扉。雪が埋まれば消えてしまう。
たった狭い場所が、少しだけ恋しくなる。
私はもう振り返らない。
後戻りしない。


歩き続けて三年間、分かったことがある。
この星は狭くて、大体二年程度で一周してしまった。
全ての土地を回っていないとはいえ、なんと狭いことか。
しかも、文明はほとんど廃れて、ほとんど言語を操る生命体はいない。
もう、「魔物」という類の生物程度しかいないのだろうか。
私は近くの沼の辺りで、大の字になって寝転ぶ。
暇だ。
世界を変えようなんて遅いもんだ。
宇宙へ行ったら、変わるだろうか。
私は宇宙に向かって突進する。
そういえば言ってなかったが、私普通に空を飛べるのである。
機械といえど人造人間だ、余裕余裕。

その瞬間ガンッという鈍い音がして我に帰る。
地上から大体三千メートルぐらいで、私は「何か」にぶつかった。
そう、結界だ。
つまりここまでが「箱庭(スターディン)」で、この先が世界の外。
神々が存在する領域なのだろう。
一瞬触れただけでわかる。
この先に行ってはいけない、本能的に拒絶されている感覚。
普通の生物なら絶対に正直に行かない。
けれど私は違う。
この先に行きたいと思う。
私は今の力では破壊は不可能と瞬時に解析した。
それゆえに、破壊すれば世界もろもろ壊れるはずと。
となれば、どこかにテレポート装置か何かがあるはず。
絶対に見つけて見せる、、、ゔ。
まずい、燃料切れ。
私はそのまま沼の底へと落っこちてしまった。