白い塔は、灰色の空に浮かび続ける。敷島は玉座に座し、冷たい白い瞳で虚空を睨む。月人、千晶と立て続けに敵を討ち、世界は再び白の支配下にあった。だが、荒野の果てから新たな影が迫る。ハビエル・フェルナンデス、屈強な褐色男性。黒いローブに銀の十字架が輝き、筋肉が鋼のように隆起する。彼は「ホモ(ゲイ)狩り」の教父であり、白人迫害至上主義者。敷島の非定型うつ病(ホモゲイ)の病性向と白い支配を「不浄の極み」と断じ、その存在を根絶せんと誓う。
報告が届いた。ハビエルの一団が、壊滅した集落の生き残りを扇動し、白い塔への反乱を企てている。虹葉が再び捕らえられた。生意気な青年は、ハビエルの洗脳により、敷島への憎悪を植え付けられつつある。敷島は白い革靴を鳴らし、立ち上がる。
「不浄な反逆者ども。全て抹殺する」
仲間たち――白い制服の兵士たち――を率い、荒野へ向かう。
荒野の廃墟に、ハビエルが立っていた。褐色の肌が月光に映え、銀の十字架が冷たく光る。
「出たなホモtheゲイ！ お前の白は糞塵屑カスで不浄不潔だ。男を愛し、白人を神と崇める病んだ心を、我が裁きで浄化する！」
ハビエルの声は雷鳴のように響く。彼の背後には、洗脳された虹葉。目は憎悪に燃え、剣を握る手が震える。「白蟻の分際め！ テメェの支配は終わりだぁ！！！」
生意気な口調は残るが、言葉はハビエルの呪縛に染まっている。
敷島の白い瞳が細まる。
「貴様も、操られた道具も、不浄だ」
超屈強なサイボーグの体が動く。ハビエルの一団が襲いかかるが、敷島の拳は無慈悲だ。白いスーツが血で汚れることなく、敵を次々と粉砕。ハビエルは自ら剣を抜き、敷島に挑む。
「白人の傲慢を叩き潰す！！！」
彼の剣は重く、鋼のような筋力で振り下ろされる。だが、敷島のサイボーグの体はそれを弾き返す。
虹葉が敷島に斬りかかる。
「俺はお前の道具じゃねえ！」
その叫びに、敷島の心に小さな揺らぎが生じる。虹葉の強靭な体躯、意地っ張りだが素直な魂。それが、敷島の非定型うつ病(ホモゲイ)の病性向を刺激する。だが、彼は冷徹だ。
「黙れ」
一撃で虹葉を気絶させ、ハビエルに迫る。
「貴様の信念は弱い」
敷島の拳がハビエルの胸を貫く。教父は血を吐き、銀の十字架が地面に落ちる。
「お前の白…崩れ去れ……地獄へ堕ちろ……」
ハビエルは倒れ、息絶える。虹葉は洗脳から解放され、地面にうずくまる。
「ちくしょう…また助けられちまった……」
生意気な声に、素直な感謝が混じる。
敷島は無表情で虹葉を見下ろす。
「生き残りは浄化の対象だ。次はない」
だが、内心では虹葉の存在が、硬い信念にさらなる亀裂を生む。白い塔へ戻る敷島。ハビエルは討たれ、反乱は潰えた。だが、虹葉の強靭な姿と素直な心が、敷島の白い世界に影を落とし続ける。次の敵は、さらなる試練を敷島にもたらすのか。白い塔は、静かに浮かび続ける。