【連載】月光カクテル - Moonlight in Your Glasses -

何だかふわふわと気持ち良い。
俺はバーを出た後、気分良く夜道を歩いていた。
昔のCMじゃないけど、そこでぴょんと飛びたい気分だ。
藍澤さん。
何て、綺麗なひとだったんだろう。カクテルも凄く美味しかったし。
カクテルを飲みながら、つい、俺はマスターに色々話してしまった。会社の事、今日のミスの事。そしてあいつの事まで。
マスターは終始にこにことしながら、俺の話を最後まで聞いてくれた。
(また行きたいな)
「Bar 月光珠」か。
俺のスーツのポケットの中で、貰った名刺が光っているような気がする。

「遅い!」

「え、」
機嫌良くアパートに帰った俺を出迎えたのは、
何と、昼間揉めた、あいつだった -

「ご、ごめん」
見た事のない剣幕に、俺は思わず口からぽろりと言えなかった言葉が零れ落ちた。
「電話しても出ないし! メールしても返事がない! 家に帰ってもいない!」
「え? 電話?」
ずっと気にしてたのに鳴らなかった。
そう言おうとしたら、
「あ」
ぎゅうっと抱きしめられた -
「心配するだろう」