雪降るカフェの看板半妖店員

 「お姉ちゃん!見てみて雪うさぎ作った!」

 「可愛いー。霰は雪を扱うのが本当に上手いよね」

 「お姉ちゃんよりも器用だからね」

 「一言余計」

 都心から少し離れたとある市のアパートのベランダで二人の少女が笑い合っている。
 一人は高校生くらいの年頃でもう一人は幼稚園生だろう。一見普通の姉妹のようだが,彼女達にはいくつかの普通とは異なる点が存在した。
 まず初めに彼女達は雪のように白く綺麗で美しい髪を持っている。その人口のほとんどが黒髪である日本ではそれはよく目立つ。そして,その髪は太陽の光に反射し彼女達を際立てている。
 妹らしき方の手の平には小さな可愛らしい雪うさぎが乗っていた。
 季節が冬ならばどこかで作ったと思うが今の季節は夏。雪など決して降らない。

 「それじゃあ雪うさぎさんが溶けないように雪を降らせてあげましょー」

 「やったー」

 姉らしき方がそう言い妹の持つ雪うさぎの上で粉を振りかけるような仕草をする。すると何も無かったはずの手から白くふわふわとした雪が降ってきた。

 「雪だー」

 「霰。私の分も雪うさぎ作ってくれる?」

 「いいよ!」

 妹の方は姉からの頼み事に嬉しそうにしながらもう片方の手を広げた。妹が手の平を少し見つめると姉と同じように何も無かったはずのその場所に雪が集まりだす。それはだんだんと形を作り一分経つと隣にいる雪うさぎよりも一回り大きな雪うさぎが出来上がった。
 彼女達は雪を操る事が出来たのだ。

 「出来た!」

 「ちょっと大きいね」

 「私とお姉ちゃんみたいでしょ!」

 「ふふ,確かに。ありがとうね霰」

 暑い夏の日。
 彼女達の透き通った笑い声は澄み切った青空とくすんだアパートに良く響いた。