──どういう風の吹き回しですか。
「……何かおかしいことでもございます?ただ、ヒトを助けただけですわ」
──自身で分かっているでしょう。無茶をして身を呈した分、命が削られた事を。もう、二十年も保ちませんよ。貴女が本来生きられたはずの年数から考えれば、かなりの早死になりますが。
「……承知の上です」
──そんなにあの子が気に入ったんですか?あれ程生き長らえることに執着していた貴女が、どうして。
「……分かりません。気が付けば、間に入っておりました。そうとしか言いようがないのです、……私にも」
──そうですか。いえ別に、貴女が自分の命をどう使おうかは貴女の自由ですから、構いませんよ。所謂、被験体の観察の様なもので……
「……あの、大変申し訳ないのですが、少々休ませて頂いても良いでしょうか。先程から眠くて眠くて仕方がございませんの」
──……。まあ、そうでしょうね。ええどうぞ、お休みなさいな。少しでも回復することを、祈っていますよ。
「………………」


