余命半年なのにこいつと恋していいのかよ

歩き続けて見えてきたのは安西佃駅。毎日使ってる駅だ。安西皇統に住んでる王理からしたらこんなに綺麗な駅舎は珍しく超素敵なものらしい。
「おい、そろそろ電車来るって」
俺が止めるまで王理は駅舎の写真を撮ってた。
「あ、ごめんごめん。僕、、、、写真が趣味だから」
こいつにこんな趣味あったのか。
こいつの趣味なんてどうでもいいはずなのに知れたことを嬉しく感じてしまう。
「変だよね。こんな女子みたいなこと」
変なんかじゃない。王理らしい。そう言いたいのに自分だったらそう言われたいのに口が開けなかった。
「そんなこと、、、、ないよ」
それしか言えない俺は弱いんだ。強く振る舞って強いことにしてるけど弱い。
「そう?ま、乗るか。」
王理は一転して明るくエスカレーターに飛び乗った。
「ああ」
俺はこんな時でも、王理に世話になってる時でもこいつのことを助けられない。それが嫌。